のほほん素材日和 ~草原と森のんびり生活~

みなと劉

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第一章: 「エルム村へようこそ」

第八十話: 森の小さな図書館

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 ポポに導かれるまま森を歩き続けると、やがて一風変わった場所にたどり着いた。大きな木が数本、絶妙な配置で生えていて、まるで自然が作り上げた一つの部屋のようだった。木々の間には古びた木製の棚が置かれ、その中には何冊かの本が収められていた。

 「これって……図書館?」
 フィオは驚きと興味を隠せず、棚に近づいていった。本棚は苔むしており、いかにも長い年月ここに佇んでいたことを物語っている。

 ポポは本棚の上に飛び乗ると、短い鳴き声をあげてフィオに何かを促すような仕草を見せた。

 「この本を読んでみろってこと?」
 フィオはそっと一冊の本を取り出した。それは手作り感のある古い装丁の本で、表紙には不思議な紋様が刻まれている。ページをめくると、そこには森に生息する植物や動物についての詳細な記録が書かれていた。

 「すごい……こんなに詳しく書かれているなんて。」
 フィオは思わず感嘆の声をあげた。植物の絵が丁寧に描かれており、どの部分が食べられるのか、どんな効能があるのかまで記されている。まるで森の百科事典のようだ。

 「これ、ポポが教えてくれたの?」
 ポポは得意げに胸を張り、しっぽを揺らした。どうやらこの場所をフィオに見せたかったらしい。

 フィオは他の本も手に取ってみた。中には森に住む動物たちとの交流の仕方や、自然と共存するための知恵が詰まっているものもあった。どの本も手書きで、長い間誰かが丁寧に書き綴ってきたことが伝わってくる。

 「これを書いた人は、きっと森を愛していたんだね。」
 フィオは本をそっと閉じると、棚に戻した。そして、この場所の存在がただの偶然ではなく、森に暮らす者たちにとって大切な学びの場であることを直感した。

 「ありがとう、ポポ。こんな素敵な場所に連れてきてくれて。」
 ポポはまた小さく鳴き、木の上からフィオを見守っているようだった。

 その後、フィオはしばらく本棚を眺めながら、ここが村での新しい生活の中で大切な場所になる気がしてならなかった。森はただの自然ではなく、知恵と歴史、そして心を癒す力が詰まった場所なのだと、改めて感じることができたのだった。

 「また来よう。次はノートとペンを持ってきて、いろいろ学びたいな。」
 そう心に決め、フィオは森の小さな図書館を後にした。ポポは相変わらず元気に跳ね回りながら、次の冒険へと彼女を誘っていた。

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