104 / 192
第二章 ポポとのほほん旅立ち
第4話: 村の温かな食事
しおりを挟むアリスに案内されるまま、フィオとポポは村の広場へと足を進めた。広場にはいくつかの家が並んでおり、その間には木製のテーブルが並べられ、村人たちが集まって楽しそうに談笑している。フィオはその光景を見て、ここがどれだけ温かな場所なのかを感じ取った。
「ほら、ここだよ!」
アリスが振り返ってフィオに声をかけ、広場の中央にある大きなテーブルを指さした。そこにはいくつかの村人たちがすでに座っており、食事の準備が整っているようだ。香ばしい香りがフィオの鼻をくすぐり、腹が鳴るのを感じた。
「ありがとう、アリス。」
フィオはアリスに礼を言い、テーブルに向かって歩き始めた。ポポもフィオの後ろで小さく鳴きながら、興味津々で周囲を見回していた。
テーブルには、村人たちが作ったと思われる料理が並んでいた。大きなパン、野菜をふんだんに使ったスープ、そして肉や魚が焼かれた料理が美味しそうに盛り付けられている。フィオはその光景に思わず唾を飲み込んだ。
「さあ、座って! ご飯ができたから、みんなで食べよう!」
アリスの明るい声が響き、フィオは席に着いた。隣には、年齢や性別に関係なく様々な村人たちが並んでいる。その中には、笑顔を見せながら料理を取り分ける年配の男性や、子供たちが無邪気に話しながら笑っている姿が見えた。フィオはその光景に心が温かくなるのを感じた。
「食べてみて。これが村の特製スープだよ!」
隣に座っていた村のおばあさんが、フィオに優しくスープを手渡してくれた。フィオはお礼を言って、スプーンで一口すくって口に運ぶ。温かさと豊かな味が口の中に広がり、思わず笑みがこぼれた。
「これ、本当に美味しい!」
「嬉しいわね。みんなで作った料理だから、気に入ってもらえて良かったわ。」
おばあさんは満足げに微笑んで、次々と他の料理を勧めてくれる。フィオはその度にお礼を言いながら、どれもこれも美味しくて、思わず食べすぎてしまうほどだった。
一方、ポポはというと、テーブルの端に座り込んで、村人たちからおこぼれをもらおうと目を輝かせていた。フィオはポポの様子を見て微笑みながら、またスープを口に運んだ。ポポの小さな姿が、さらにこの村の温かな空気に溶け込んでいるように感じられる。
「ここで食事をするのは初めてだけど、本当に素晴らしい場所だね。」
フィオは心の中で思いながら、村人たちの優しさに包まれて、幸せなひとときを過ごしていた。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
社畜の異世界再出発
U65
ファンタジー
社畜、気づけば異世界の赤ちゃんでした――!?
ブラック企業に心身を削られ、人生リタイアした社畜が目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界。
前世では死ぬほど働いた。今度は、笑って生きたい。
けれどこの世界、穏やかに生きるには……ちょっと強くなる必要があるらしい。
異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜
カイ
ファンタジー
主人公の沖 紫惠琉(おき しえる)は会社からの帰り道、不思議な店を訪れる。
その店でいくつかの品を持たされ、自宅への帰り道、異世界への穴に落ちる。
落ちた先で紫惠琉はいろいろな仲間と穏やかながらも時々刺激的な旅へと旅立つのだった。
僕だけ入れちゃうステータス欄 ~追放された凄腕バッファーは、たまたま出会った新人冒険者たちと真の最強パーティーを作り上げる~
めでめで汰
ファンタジー
バッファーの少年カイトのバフスキルは「ステータス欄の中に入って直接数字を動かす」というもの。
しかし、その能力を信じなかった仲間からカイトは追放され迷宮に置き去りにされる。
そこで出会ったLUK(幸運)値の高い少女ハルと共にカイトは無事迷宮から生還。
その後、カイトはハルの両親を探すため地下迷宮の奥へと挑むことを決意する。
(スライム、もふもふ出てきます。女の子に囲まれるけどメインヒロインは一人です。「ざまぁ」もしっかりあります)
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる