三国志~呂布奉先~異世界三国志は今宵もまかり通る

みなと劉

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19話

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「呂布将軍は殿(しんがり)をあなたに任せたい。そうお考えになっているのでしょう」
その奉先の言葉を聞いた黄忠が驚いて陳登に言う。
「小僧!お主、軍師か?それとも将か?」
そんな陳登の代わりに奉先が答える。
「違います」
すると奉先は黄忠の元を離れ陳登の横で馬に乗ると笑った。
そんな様子を不思議そうに見ている黄忠に黄信が耳打ちをする。
「将軍、この小僧は只者ではありません」
黄信の囁きが聞こえたのか黄忠も頷いたのであった。
陳登の元へと来た陳宮に奉先が言う。
「将軍、殿(しんがり)を願います」
しかし陳宮は呂布ではなく奉先を睨んで答えた。
「そなたは誰だ?」
その言葉を聞いた陳登は顔を青くし、奉先は眉一つ動かさずに答える。
「奉先と申します」
それを聞いた陳宮が陳登に対して言い放つ。
「この小僧は呂布殿の身内(部下)でしょうか?」
すると奉先は堂々と答える。
「呂布将軍は私の大切な上司です」
そしてこう続ける。
「ですが、彼でなければ軍の先頭は任せられません」
その言葉を聞いた陳宮が舌打ちをしながら言う。
「わかりました……私が殿を務めましょう」
そう言うと陳宮は奉先に近付いて小声で言った。
「小僧、お主をどう扱うかは私の器量にかかっている事を忘れるな」
その言葉を聞いた奉先は頷いて答える。
「わかりました、殿(しんがり)は頼みましたよ」
そんな様子を見ていた黄信が言う。
「あの小僧め!呂布将軍の名を利用して我らに敵意を持たせるつもりか?」
そんな黄信の肩を陳宮の部下が掴むと小声で言う。
「私はあの軍師に一つ興味を持ちました……」
「ほう……お前も奉先とか言う小僧が気に入ったのか?」
黄信がそう尋ねると彼は答えた。
「呂布将軍の名だけであの様な事は言えません」
そんな彼らを見ながら陳宮は兵を率いて南陽へと向けて進軍していったのである。
翌日、陳宮から出陣したと言う知らせを聞いた張楊は思い切った命令を下すのであった。
【孫乾vs陳宮】
陳登を殿として南陽城へと引き返した黄忠と奉先であったが、ここで思いもよらぬ敵と遭遇する事になった。
それは陳宮軍3000が軍師陳宮の命を受けた部下達が強行して、黄忠達呂布軍を追いかけて来た事だった。
しかし黄忠は戦う事を嫌がった為、その兵力の大半を城内に退避させてしまった。
そんな黄祖軍の前に姿を見せたのは呂布ではなく張遼であった。
「ここはわしが受け持つ。皆は急ぎ城内へ」
張遼はそう言って黄忠達の退却を援護し、見事に退却させると自ら陳宮軍に突撃を開始するのであった。
この時、奉先は一人で馬に乗りながら城壁に寄り掛かり様子を伺っていた。
そんな奉先に陳登が近付き話し掛けてきた。
「奉先殿、あそこにおられる方は味方でしょうか?」
その指差す方には髪を上に纏め大きな大剣を手にした女性が一人立っていた。
「呂布将軍の軍師、貂蝉です」
それを聞いた陳登は眉を寄せて言う。
「女性であのような立派な武器が扱えるとは驚きましたな……」
すると貂蝉に見つかっていた奉先が苦笑いをしながら陳登に言う。
「女性の武人であのような大剣を使いこなしているのは恐らく彼女がこの世で一番でしょう」
そんな奉先の話を聞いた陳登は感心する様に貂蝉を見つめていたのである。
5一方、張遼と陳宮の戦いは一方的になると思われたが、ここで思わぬ出来事が起きた。
それは何合か打ち合った時に陳宮が気付いた事だった。
「貴様……その二本の剣は何?」
すると張遼が答える。
「私の主君は寡兵で大軍と戦う事を好まれる方です」
「なるほど……では先程の呂布将軍から逃げたと言う報告は虚報なのじゃな?」
「いえいえ、将軍はきちんと南陽の守備に向かっております」
それを聞いた陳宮はしめた!と思った。
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