三国志~呂布奉先~異世界三国志は今宵もまかり通る

みなと劉

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35話

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それは寸でのところで張済が後ろに飛び退いたため当たらなかったものの、しかしバランスを崩した事で次の攻撃を避ける事は出来ない体勢である。
その体勢で張済は剣を両手で握って頭上高く振り上げて叫んだのである。
「者ども、今だ!呂布を捕えよ!」
その叫び声と同時に呂布を囲っていた大勢の兵士達が呂布に飛びかかってきた。
ある者は体を押え込み、ある者は体を持ち上げて動かなくさせてしまうと、あっという間に呂布を縄で縛り始める。
「んんっ……縛り方……」
呂布が苦悶の声を上げると李儒が頬を赤らめて呟いた。
「う~ん、悪くないです」
そんな二人の行動に張済は怒り心頭の表情で叫ぶ。
「何をしているか!何をしているか!さっさと斬り捨てるなり矢で射貫くなりしろ!」
しかし兵達は誰一人として呂布を斬る事も射る事もしなかった。
その理由はその呂布奉先が目を潤ませて息を荒げているからだ。
「ひゃ……んん……この縛り方……やめてほしい」
縛られて全く身動きが取れない状況で呂布はそう言葉を漏らすが、それを聞いた者達は顔を真っ赤にして一斉に視線を逸らした。
そんな様子を見ながら楊彪と張済は頭を抱えて言ったのである。
「呂布の奴……まさか?」
「いや、考えすぎでしょう」
そんな二人の会話を聞きながら李儒は言った。
「そうですか?私には分かるのですがね……」
そんな会話を聞いている中、遂に張済は確信した表情を浮かべると大声で叫ぶ。
「皆、良く聞け!この者は呂布奉先などではない!この者は董卓軍の間者であり楊彪様と呂布奉先を貶める事が目的だったのだ!」
その言葉を聞いた兵達は動揺を隠せず目を泳がせた。
「何言って……俺……呂布奉先だってば……んんっ」
呂布の言葉を聞いた兵士達の中から怒号が放たれた。
「呂布奉先を何処にやった!」
そんな声に張済は笑みを浮かべる。
「そうだ!その怒りの声をあげろ!悪しき董卓を倒すのだ!」
そんな張済に李儒が言った。
「残念ですね。これは少し考えても良かったのですが……あまりにも動きが速かった」
「だがこの男……かなり唆る……身体付き」
「この縛り方だけはやめて欲しいんだけど……身体のラインでるから特に……ひゃ……どこ触って」
俺は身体を他の男に触られ変な気分になる。
「え?全部俺かよ!?」
そんな俺を遠巻きに兵達が見ている。
そんな中、李儒は頭を抱えて嘆く張済に言った。
「兵達に真実を教えてやるべきです」
それに対して張済は強く首を振る。
「いや!それはならん!」
しかし、李儒は首を横に振って答えた。
「これは呂布殿の為……ではなく国の事なのですよ」
「せめて縛るのはやめてよ」
「いやぁ……この縛り方だといい身体してるって分かるからそれにしてもらった」
「(へ、変態いる!?)分かったけどそろそろ解いてよこれ」
李儒は頷くと兵達に向かって言う。
「あれは董卓軍の間者なのです!今は奴の命令に従っているフリをしているのです!」
そんな李儒の言葉を聞いた兵達は青ざめた表情で呂布を見る。
その視線の先には縄で縛られて、息を荒げて身体をいやらしくくねらせている呂布奉先(俺)の姿があった。
そんな姿を見て兵達は一人、また一人と視線を戻していったのである。
その様子を見た張済は
「呂布将軍……触ってもいいですか」
と言って来たが俺は顔を背けて答えた。
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