三国志~呂布奉先~異世界三国志は今宵もまかり通る

みなと劉

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62話

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「予想通りとはどういう事ですか?」
黄蓋がそう言うと呉蘭も話に加わってきた。
「呂布殿の言っている通りに華雄殿は女性の幸せを求めて自ら華雄と言う名前を捨てたのではないのですか?」
その問いに呉蘭は少し疑問に思った事があり、呂布に問いかけてみた。
「それは一体どのような事なのですか?」
その質問に対して呂布は思い出した様に口を開いた。
「ああ、昔華雄と二人で野盗に襲われた村を救った事があるんですよ」
「それが何か?」
そう聞き返す孫静に呂布は頷き話を続けた。
「その時に華雄がその村の女性を助けたのです、その女性は少し傷を負っていたので私が手当てをしたのですが」
そこまで聞くと黄蓋や呉蘭にも察しが付いた様で黙って聞き始めるのだった。
その後どうなったのかと……だが、呂布の口から飛び出した言葉は想像もしていなかったものであったのだ。
だが、その驚きに言葉を失っていた二人の代わりに呉蘭が聞いてくれた。
「それはどういう事ですか?まさか華雄殿が女性に懸想していた?ですか?」
そんな呉蘭の言葉に呂布は首を横に振る。
「いえ、確か華雄はその女性の髪を触りながら可愛いと言っていたのですよ」
その言葉に黄蓋と呉蘭は口を開けて驚きの表情をしていたのだが、そんな様子にも気に留めずに呂布が更に続けたのだ。
「しかもその後から自分の事を『私』と言い始めた。てっきりその女性の事を真似ているのだと思ったのですが……」
そこまで言うと呂布は少し考える様な仕草をした後に話し出す。
「よくよく考えると華雄は女であれば、誰でもいいと言う訳ではなくその女性が好きな相手でなければ駄目だったと言う事なのか?」
そう言われて黄蓋と呉蘭は納得すると大きく頷いていたのだ。
そんな二人をよそに呂布は再び自分の考えを口にしたのである。
「だとすると華雄はその女性の為にも今回の戦に参戦しているのか?」
その呂布の言葉に対して二人は一瞬顔を引きつらせてしまう。
「「それは無いです!」」
そんな二人の声が見事に重なると呂布は思わず笑ってしまったのだが、そんな三人に近付いてくる人影があった。
「やはりそちらにも話は伝わっていましたか……そうなると益々用心が必要ですね」
そんな声に反応して、全員がその影の方を見るとそこにいたのは董卓であった。
「私に考えがあるのですが乗ってもらえませんか?」
その言葉に黄蓋も呉蘭も顔を見合わせてから頷く。
そして呂布の方を見ると呂布も了解したのか大きく頷いて董卓に質問をしたのである。
「実は曹操の元に潜入させている草から面白い報告がありましてね」
その董卓の言葉に呂布も黄蓋も呉蘭も興味津々である。
「それはもしかして?」
そんな黄蓋の問に董卓はニコリと笑うだけであったのだが、呉蘭が代わりに説明をしてくれたのである。
「今、曹操軍と袁紹軍の間では毎夜連環の計により内通を図っていると草からは報告がありました」
その答えを聞いて呂布も黄蓋も納得がいったのか頷き合ってはいるものの、少しがっかりした感じでもあったのだ。
「もし華雄がその話に乗ったのだとすれば、いずれ姿を現すのではないかと言う事です」
そんな董卓の言葉に更に目を輝かせて孫静が言った。
「つまりは、それを張遼に報告させれば良いって事ですよね?」
そう期待していた孫静の言葉だったのだが、そんな孫静の言葉を聞いた呂布は俯いてしまう。
「どうしたのですか?」
そんな呂布の様子に孫静が聞き返すと呂布は少し言いずらそうにしながら口を開いた。
「張遼って、華雄と一緒にいたよな?」
「え?あ、ああ」
意外な言葉に孫静や黄蓋は言葉を詰まらせたが、呉蘭だけは違っていたのだ。
「袁紹の所に張遼がいないのであれば、それはそれで良かったのでは?」
「そうかも知れんが……そうなると華雄は……」
呂布はそう言って口をつぐんでしまった。
そんな様子の呂布を見て、孫静と黄蓋は今度は口も挟まずに黙って聞いていたのだが、呉蘭が意外な言葉を口にしたのである。
「その方が何か都合が良い事があるのですか?」
呉蘭のその疑問に答えようと呂布が口を開きかけたのだが、それを見て董卓が説明を始めた。
「華雄と言う将は先の戦いでも勇猛な猛将として有名なのだが、意外に配下の将を使い捨てにする傾向にあったので部下からは慕われてはいなかったと言う報告もあるのです」
「その言い方だと呂布殿は好かれていたと?」
そう質問したのは孫静である。
その言葉に黄蓋も頷いていたので董卓は頷きながら答えてくれた。
「いや、そうではない。ただ部下の為に一人で犠牲になってもいいから敵の隙を作ってくれと言った事も事実です」
そんな董卓の答えを聞いて、呂布はまたしても口ごもってしまう。
そんな呂布に代わって今度は呉蘭が質問する。
「それが何か問題なのですか?」
そう言う呉蘭に対して董卓はハッキリとこう言ったのだ。
「華雄に好意を持っている人間が、その犠牲の対象にされたらどう思うでしょうね」
その言葉に呉蘭が驚きの顔をして動きが止まってしまったものの、そんな様子を見ていた黄蓋が言うのだった。
「ふむ、つまり華雄を好いている者が単騎突撃の命令を受けても華雄の為に拒む可能性があるから、そうなる前に早く片付けてしまおうと言っているのですな?」
黄蓋の言葉に呂布と孫静が頭を縦に振ると、董卓も笑みを浮かべて頷く。
「張遼とは連絡が取れないのか?」
黄蓋の問いかけに呉蘭は頷くと自分の服の袖からあるものを出したのである。
それを見た呂布は驚いていた。
「なぜお前がそれを持っているのだ!?」
それは、以前呂布が張遼に渡したものだったのだ。
「どうしても気になって華雄殿の部屋に入ったら、見つけたんです。読んでみれば色々と策なども書かれていました」
そう言って差し出すので呂布はその書簡を受け取って、書かれている内容に目を通す。
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