上 下
149 / 181

百四十九話

しおりを挟む
最近異世界に召喚されたお兄さんは魔法使いの適正があったナイトである俺はそいつと一緒に旅をする
百四十九話
「それは……」
「まあ、大方予想はつくが……」
「あなたたちを殺すためですよ」
「やっぱりな」
「おい、お前今なんと言った?」
勇者は怒りを抑えながら言う。
「お前らを殺すと言ったんですよ」
「ふざけるな!!貴様ごときに負けるかよ!!」
「ふん、強がってられるのも今のうちだ」
「なんだと!?」
「おい、お前ら下がってろ」
「でも……」
「いいから」
「わかったよ」
勇者は後ろに下がる。そして……
「さて、始めようか」
「ふん、いつでも来いよ」
「では、遠慮なく」
男は手から鎌を出し攻撃する。そして……
「ほれっ」
「くっ……」
勇者は必死に耐える。だが……
「うっ……」
徐々に押されていく。そして……
「がはっ……」
勇者は血を吐いて倒れる。そして……
「うわぁぁぁ!!!」
男はナイトの首元を切り裂いた。すると……
「くっ……」
ナイトは首を押さえてうずくまる。そして……
「よくも、やってくれたな!!」
勇者は男に向かっていく。だが……
「甘いんだよ!!」
「がはっ……」
「ははは、バーカ」
勇者は倒れてしまう。そして……
「じゃあな」
男がトドメを刺そうとしたその時だった。
「やめろ!!」
勇者は立ち上がる。
「まだ生きてたか」
「当たり前だ」
「じゃあ、死ね」
男は勇者にとどめをさす。
「うわあああ!!」
飛び起きた勇者は辺りを見渡す。そこは宿屋だった。
「夢……か……」
安心した勇者はベッドに戻る。すると……
「おはよう」
そこにはナイトがいた。
「ああ、おはよう」
「随分とうなされてたが、大丈夫か?」
「ああ、問題ない」
「そうか、ならよかった」
なんていう夢が悪いんだろうと思う勇者だった
百四十九話完
しおりを挟む

処理中です...