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55話

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二人同時に声を合わせて答えてしまう。
「そ、じゃあ頑張ってね~」
……と言って教室を出ていった。
……そして俺はふと思った事を呟いた
「俺らってさ……リア充なのか?」
……そしてその日はなんとなくその言葉を頭の中に留めたまま、帰ることにした。
真司の家にて 優斗から聞いた例の女子生徒の話をしたのだが
「あ~……そんな子もいたねぇ」
と呑気に返された。そして俺は続けて
「でさ、優斗はあの子どう思う?」
と聞くと
「そうだね~なんかしつこそうな子だよね~でも……嫌いじゃないかな?僕は真司君一筋だし……真司君は僕のだもん」
「そっか」
そう言いながら頭を撫でると優斗は気持ちよさそうにする。
「……優斗……キスしよっか」
そう言うと、優斗は少し驚いた表情を浮かべたあと、嬉しそうに返事をする。
「ん、いいよ」
そして二人は唇を重ね合う。
(優斗、好き……大好き……可愛い)
心の中でそんな事を言いながらもキスを続けた。
翌朝
起きると優斗は部屋にいなかった。
(どこいった?)
ガチャっと扉が開き優斗が部屋に戻ってくる。
「あ、優斗……おか……!」
タンクトップと短パンというラフな姿で可愛い彼氏登場。
「どうわ!!?」
「真司……どうしたの?」
「真司……どうしたの?じゃありません!優斗!!こっち来て座りなさい!!」
ベッドに座らせる。優斗の顔を見るがやはり何もわかっていないようで首を傾げている。俺はそんな様子を見てから、
「優斗、何かいうことは?」
と言う。すると、優斗は……
「え……?あ……その……似合ってるか……な?」
と言いながら、モジモジし始めた。
(うぐっ……やばい可愛すぎる……)
俺は思わず目を逸らす。
その姿を見てか
「あれ?照れてる?かわいい……」
とか言われて俺は更に顔を赤くするのであった。
(いつか……こいつ……鳴かせてやる)
真司がそんなことを考えていた頃 優斗はとある部屋に向かっていた。
(えっと……ここかな?)
扉をノックすると中から「はい」と女の子の声が聞こえる。優斗はドアノブに手をかけると一気に開いた。
するとそこには一人の少女がいた。その少女を見た優斗は笑顔で
「おはよう。美紀さん」
と言った。すると、目の前にいた少女……橘 美紀は
「あ、如月君おはよ。それで、どうかした?」
と聞き返した。それに対して優斗は
「うん、ちょっと相談したいことが有って……」
と答え、本題に入るのであった。
「それで……その人はなんて言ったの?」
「それがね……その人の事が好きなんだって」
「それは嘘じゃないの?だってその女って貴方達に付き纏ってきてるんでしょ?」
「多分ね。」
「まあ私なら絶対嫌だけどね……その女ってどんな奴?」
「一言で言うと、強引なギャル?みたいな」
……とここまで話したところでチャイムが鳴る。
そしてそれと同時に真司が現れる。そしてすぐにこちらに来るなり、
「お前何してんだよ……今授業中だぞ?」
と美紀に話しかけた
「別にいいじゃんかぁ~どうせ……サボりのくせして……あ……如月君いるからサボらないか」
「優斗関係ないだろ」
そんな会話をしつつ優斗に質問をぶつける。
「なんでここに?美紀に用があったのか?」
そう言うと美紀は
「はあ……」
とため息を吐きつつ、こう告げた。
「まあそんなとこ……ねえ、ちょっとお願いがあるんだけどいい?」
「いいけど……なに?」
「私の友達になってくれない?」
「はい?」
優斗はその言葉に驚きつつも
答える。
「ぼ、僕で良ければ喜んで」
「よし……ありがと。これからよろしくね如月君に神無月君」
こうして、1人の美少女と仲良くなることに成功した優斗なのであった。
真司の家にて 今日は優斗は部活が休みらしい。だから一緒に帰ることになっているのだが……。
(なんだろうこの感覚……凄い変な感じする)
何故かはわからない。ただ、違和感を感じていることは確かだった。
(もしかしたらあいつらの仕業なのか……?でも、こんなことをしても意味ないと思うし……うーん)
悩んでいると後ろから
「真司くーん」
と呼ぶ声がした。
振り返ると優斗がそこにいた。そして俺達は学校を出て家に帰ることにした。
(なんかいつも通りって感じだ)
と内心思いながら優斗の横に並ぶと、突然腕を組んできた。そして、そのまま俺の腕を抱えて歩き始めた。
「ちょっ!?おい!なにしてんだ!」
いきなりの事に驚いてしまった。
優斗はそれに答えず俺の方を向いて微笑みかけるだけだった。俺はそれを見てドキッとするもなんとか耐えて歩き続ける。
そして家に連れ込む。
(やばい……これドキドキする。心臓の音聞こえてないよね?)
そんな心配をしていると優斗から衝撃的な言葉を耳にする。
「ねえ真司君、僕のこと好きだよね」(ん?なんだ?急に……なんか怖くなったぞ)
そんなことを考えながら
「あ、当たり前だろ?」
と返す。すると
「だよね~僕たちラブラブだもんねぇ~」
と言いながらまた俺の腕を組む。そしてそのまま自分の部屋にまで引っ張っていく。
ガチャッとドアを開ける音が聞こえる。そしてベッドに座るように促されたので大人しく従う。優斗は隣に座って
「真司君」
と言いながら抱きついてくる。そんな優斗の行動に困惑しながらも頭を撫でている。すると
「真司君の匂い落ち着く……」
と言って顔をすり寄せてくる。
(久しぶりに可愛い優斗拝めていいけど積極的だなぁ)
「キスしよっか」
(積極的すぎ!……このままだとしすぎて……エロ発展も有り得る……)
「お、おう」
と返しキスをすると優斗は嬉しそうな顔をしながら唇を重ねる。
少し経つと、優斗の舌が口の中に入ってくる。その行動に対して俺は驚くこともなく受け入れる。なぜなら、優斗とは何度かしているからである。
(優斗とのキス気持ちいい……)
そんな事を考えながらも俺は必死に応えていた。だが、途中で優斗は離れて
「……ぁ……し……んじ……んぁ……ぁーっ」
と言うと力が抜けたのか、膝から崩れ落ちる。その姿を見て俺は思わず興奮してしまう。
(こいつ……マジでエロいな……)
そんな事を思いつつも俺は
「大丈夫か?」
と聞くと優斗は顔を赤くしながら
「う、うん……」
(やべ……我慢できねぇ)
そう思うと優斗を押し倒していた。
(やばい……めっちゃしたい)
「あ……その……ごめん」
と俺は謝りながら起き上がる。
優斗を見ると耳まで真っ赤にしており目には涙を浮かべていた。俺は罪悪感に押し潰されそうになる。
(ダメだ。もう我慢できない。襲うなんて絶対にやばい……嫌われるかもしれない……)
「ぁー……っっ」
優斗は小さく声を上げて俺の顔を見る。そんな優斗を見た俺は
「本当にごめん……でも……お前が可愛すぎるのが悪いんだからな……」
と優斗に告げた。すると優斗は
「そ、そうだよ!僕が悪いんだよ……だから……」
とモジモジして俯く。
その姿はとても愛らしく、同時にとても欲情を唆るものでもあった。
(ヤバい……これは理性飛ぶかも……)
再度キスする。さっきとは違いゆっくりと丁寧に。そして優斗の手を掴み、恋人繋ぎをする。その行為で優斗はビクッと体を震わせたが拒むことはしなかった。そして、ゆっくり口を離す。二人の口から唾液が糸を引き、それが途切れる。優斗の表情を見ると、トロけたような目になっており頬も上気している。
「し……ん……じぃ……これ……以上……は……っっ!」
優斗の言葉を無視して首筋に噛み付くようにキスをした。
(あ、ヤバイ。歯止めきかない)
「ふぇ?真司くん?んあっ!!」
優斗は艶かしい声で喘ぐ。
「じゅ」
優斗の首筋を吸う。
そして
「ちゅぅ……っ」
と音を立てて離すとそこには赤い印があった。
「な、何これ?こんなところに……つけないでしょ?普通」
と不思議そうに優斗は首を傾げる。その言葉を聞いて
「いや、わざとつけた」
と素直に言う。それに対して優斗は「え?」と驚いた顔になる。
「優斗は俺の彼氏だから」
それを聞いて真っ赤になる優斗。
「うん!」
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