のほほん異世界暮らし

みなと劉

文字の大きさ
497 / 945

シャズナ、ルシファン、リッキーとのお風呂時間

しおりを挟む
夜の帳が降りて、家の中は暖かい光に包まれていた。夕食の後片付けを終え、ほっと一息ついた僕の耳に聞こえてくるのは、シャズナの「にゃあ」という甘えた声と、ルシファンの「ちちっ」と落ち着かない鳴き声。それに混じってリッキーの「ぴっ!」という元気な鼻鳴らしが聞こえる。

「今日はお風呂に入るぞ。」
僕の言葉に、シャズナはちょっとだけ不満げに耳を伏せる。ルシファンはキョロキョロと辺りを見回し、リッキーはというと、興味津々で僕の足元をくるくる回り始めた。


---

シャズナの入浴タイム

まずはシャズナからだ。ふわふわの白い毛を持つ彼女は、普段は気品漂う佇まいだが、水に濡れるのは少し苦手らしい。僕が優しく抱き上げると、シャズナは「にゃあ……」と小さな声で抗議する。

「大丈夫だって、すぐ終わるからな。」

お風呂場に入ると、すでに湯船にはぬるめのお湯が用意されている。シャズナをそっと湯船の縁に乗せ、手桶で少しずつお湯をかける。ふわふわの毛がしっとりと濡れ、いつもの倍くらい小さくなったシャズナがじっとこちらを見上げている。

「ほら、いい子だ。すぐに終わるよ。」

優しくシャンプーを使って洗っていくと、シャズナは徐々におとなしくなっていく。指先でマッサージするように洗っていると、彼女の瞳がゆっくりと閉じられた。


---

ルシファンの好奇心と慎重さ

次はルシファンだ。黒鼠のルシファンは、お風呂場に入る前から何かを察したのか、部屋の隅で丸くなっている。

「ルシファン、お前の番だぞ。」
僕が声をかけると、「ちちっ」と小さな鳴き声を上げながら、少しずつ近づいてくる。抱き上げると、意外にも大人しく僕の手に身を委ねた。

お風呂場に入ると、ルシファンは湯船の縁をじっと見つめている。お湯に触れさせると、ピクンと耳を動かしながらも、おとなしくしている。

「ほら、気持ちいいだろう?」
僕が優しく声をかけると、「ちちっ」と一度鳴いて、安心したように目を細めた。小さな体を丁寧に洗っていくと、ルシファンは気持ちよさそうに体を丸めた。


---

リッキーのハチャメチャバスタイム

最後はリッキーだ。窓際でこちらを見ていたリッキーは、「ぴっ!」と元気よく跳ねながら僕の方へ飛び込んできた。

「お前は元気だな、本当に。」

お風呂場に連れて行くと、リッキーは湯船の縁にぴょんと飛び乗り、興味津々でお湯を覗き込む。試しに前足を突っ込んでみた後、満足げに「ぴっ!」と鼻を鳴らしている。

「よし、入るぞ。」

リッキーをそっとお湯に入れると、予想通り大はしゃぎだ。ぴょんぴょんとお湯の中で跳ね回り、僕の腕にしがみついてくる。シャンプーで泡だらけになりながらも、リッキーは楽しそうに鼻を鳴らし続けていた。

「もう少し静かにしろよ、リッキー。」
そう言いながらも、僕も思わず笑ってしまった。


---

お風呂上がりのひととき

三匹を順番にお風呂から出し、タオルで丁寧に体を拭いていく。シャズナは暖炉の前で丸くなり、ルシファンは僕の肩に乗ってくる。リッキーはタオルに包まれたまま、椅子の上でごろごろと転がっている。

「ほら、これで全員さっぱりだな。」

僕がそう声をかけると、シャズナが「にゃあ」と一声鳴き、ルシファンが「ちちっ」と返事をする。リッキーは「ぴっ!」と鼻を鳴らしながら、僕の手を舐めてくる。

暖かい夜が静かに更けていく中、僕は三匹とともにくつろいだひとときを過ごしていた。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

家ごと異世界ライフ

ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… 沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。 誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。 感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
アルファポリス様より書籍化! 転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。 どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。 - カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました! - アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました! - この話はフィクションです。

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~

中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」 唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。 人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。 目的は一つ。充実した人生を送ること。

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...