のほほん異世界暮らし

夕食の支度と三匹と団欒

家の中に入ると、三匹はそれぞれの「定位置」へ向かう。リッキーはキッチン近くの棚の上で鼻をぴくぴくさせながら僕を見守る。シャズナはリビングのクッションの上に腰を落ち着け、優雅にしっぽを揺らしている。そしてルシファンはというと、僕の肩から降りることなく「ちち！」と鳴き、調理台を興味深そうに覗き込んでいる。

「さて、今日の夕食は何にしようか。」
冷蔵庫を開け、中にある食材を確認する。市場で買った新鮮な野菜と桑の実を使って、野菜炒めとフルーツサラダを作ることに決めた。

包丁をリズミカルに動かして野菜を切っていると、リッキーが棚の上から「それ、俺にもくれないか？」と言いたげな目を向けてくる。

「これはまだ調理中だから、あとでね。」
そう言いながら、切れ端を少しだけ取り分けておくと、リッキーは嬉しそうに耳をピンと立てた。

一方、シャズナはリビングから優雅にこちらを眺めている。「自分には特別なものが用意されているはず」とでも思っているのか、動じる様子がまったくない。

ルシファンは肩から飛び降り、床に落ちた野菜の切れ端を見つけて「ちち！」と小さく鳴きながら前足で転がしている。

料理が完成し、テーブルに並べると、三匹も自分たちの食事を待ちきれない様子だ。特製のペット用プレートに用意しておいた軽く調理した桑の実と野菜を出すと、リッキーは喜び勇んでかぶりつき、シャズナも優雅に頬張る。ルシファンは小さな前足で桑の実を転がしながら遊んだあと、一気に平らげた。

僕も三匹の食事風景を眺めながら、自分の夕食をゆっくりと楽しむ。

夕食が終わると、リビングで少しのんびりする時間だ。魔力式テレビをつけてニュースを見ていると、三匹が次々と膝の上に乗ってきた。リッキーは僕の肩に手をかけて画面を覗き込み、シャズナはふわふわのしっぽを揺らしながら膝に横たわる。ルシファンは相変わらず胸元で「ちち！」と鳴いている。

「今日も楽しかったな。」
三匹を撫でながら、こうして過ごす何気ない時間が心から幸せだと感じる。明日はどんな一日になるだろうか、そんなことをぼんやり考えながら、三匹とともに穏やかな夜を過ごした。