のほほん異世界暮らし

みなと劉

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市場と川のせせらぎと

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午後の日差しが心地よく降り注ぐ中、僕たちは市場の方へと向かって歩き出した。シャズナは相変わらず先頭を歩き、しっぽをピンと立てて誇らしげだ。ルシファンは僕の足元をちょこちょことついてくるし、リッキーは時折ぴょんと跳ねて、周囲の様子を伺っている。

「今日は何か買い物か?」
カイルが僕の隣で歩きながら聞いてくる。

「いや、ただの気分転換。市場の方もたまには覗いておこうかなって思って」

「そっか。ま、たまにはこういうのもいいよな」

カイルは微笑みながら僕の肩を軽く叩く。その仕草に、またシャズナがピクリと耳を動かした。

(だから、それはもう誤解だって言ったじゃないか)

そう思いながらも、まあシャズナの気持ちも完全に切り替わるにはもう少し時間がかかるのだろう、と苦笑する。

市場に着くと、すでに活気に満ちていた。新鮮な野菜や果物が並び、パン屋からは焼き立ての香ばしい香りが漂ってくる。三匹は目を輝かせて、いろいろな店を見回していた。

「せっかくだし、何か買って帰るか」

カイルがそう言って、果物の屋台の前で足を止める。並んでいるのは、鮮やかなオレンジ色の果実や瑞々しいぶどう。僕は少し迷ったが、シャズナたちが興味津々に見ているものを選ぶことにした。

「この甘いベリー、どう?」

屋台の店主が試食用の小さな果実を差し出す。僕が手に取る前に、シャズナがひょいっと前足でちょんと触れた。

「おいおい、試食用とはいえ、お前が先に選ぶのか」

「にゃ」

シャズナは堂々とした顔で鳴いた。まったくもう、と苦笑しながら、僕も一粒口に入れる。

「……うん、甘くて美味しい」

「じゃあ、これにしようぜ」

カイルがすぐに店主に注文し、袋に詰めてもらう。その間も、リッキーはパン屋の方を気にしているし、ルシファンは香辛料の屋台の前でくんくんと匂いを嗅いでいた。

「ルシファン、お前はそれ、食べ物じゃないぞ」

「チュウ?」

なんとも言えない表情でこちらを見てくるルシファンに、僕は思わず吹き出してしまった。

「やっぱり市場は楽しいな」

「そうだな。こういう時間も大切だ」

カイルが軽く笑いながら言う。

買い物を終えた僕たちは、少し遠回りをして帰ることにした。途中、川沿いの道を歩きながら、買った果物を少しずつ食べる。シャズナたちも満足そうにベリーを頬張っていた。

「……こうやってみんなで過ごすのも、悪くないな」

僕がふと呟くと、カイルが横でにやりと笑った。

「なんだよ、今さら?」

「別にそういうわけじゃないけど……まあ、いい時間だなって思っただけ」

「それは同感だな」

川のせせらぎが心地よく響く中、僕たちはゆっくりと歩き続けた。こんな日常が、ずっと続けばいいなと、ふと思った。

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