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Re:Memories of summer
常夏の恋-Re:Memories of summer-④
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「ねぇ覚えてる?あの時の約束」
「……あの時の約束……?」
『あの時の約束』透也はその言葉に、その約束に覚えはなく、故に何も思いつかない。十年も前だからか約束も、彼女のことも忘れてしまっていたのだ。
「覚えてないんだ……」
「ごめん……」
「ううん!謝らなくてもいいよ!十年以上前のことだし……今言えばいいんだから!」
約束を忘れられていることに悲しさを見せた和香羽に、悲しさを忘れさせるような、はたまた今から言おうとしている“約束”の言葉を言う勇気を与えるような優しい風が吹き付け短い髪をふわりと揺らしてみせた。
「私ね……昔から透也の事が大好きなのっ!……あの時の約束は、私達が大きくなって再開した時に伝えたいことを言い合うって言う約束。でも忘れちゃったんじゃあ仕方ないよね……」
和香羽からの突然の告白なのに、彼女が涙を流してまで見せる悲しそうな顔だからか透也の心がズキリと痛む。だが、その痛みの原因は彼にはわかることなく、痛みがあったのを直ぐに忘れてしまう。
静かに涙を流す姿になんて言葉をかけたらいいのかわからない透也は、ただひたすらに約束を思い出そうと必死に記憶の中を辿る。しかしどれだけ辿っても不思議と約束だけは思い出すことができない。
そもそもここまで思いつかないのならば彼女に“伝えなければならないこと”がなんなのか自分自身でもわかる事がなく、知らないのではないかと自分自身を疑ってしまう。
「ご、ごめんね?急にこんなこと言って……困るよね……今日のことは忘れて!」
静かに涙を流しつつタッタッタッと逃げるように和香羽はその場を離れてしまう。その様子をみても何も言えないでいる透也は、ただ彼女が走り去っていくのを見ることしか出来ず、未だ言葉もかけることはできなかった。
「……今日のことは忘れてだなんて無理に決まってるだろ……あぁくそっ!なんで思い出せない!」
「……先輩?」
和香羽の姿が見えなくなった途端、言葉をかけれなかった自分を責め立てる。
とそこに和香羽では無い女性の声が響き渡る。だが彼はその声の主を知っており、聞き覚えのある声を辿り振り返ると、黒っぽいワンピースと可愛い兎の髪飾りが印象的な天然茶髪と鮮やかな茶色の目を持つ同級生清宮好兎美がいた。
清宮は一昨年、この町に引っ越してきた。さらに彼が通う学校にも転校してきたのだが、偶然にも同クラス。故にお互いの名前も顔も知っている。
「き、清美……なんでここに?」
「あ、先輩がこっちに……じゃなくて最近の散歩道だったので!……先輩はどうしてここに?」
「あ、いや……えーと……た、偶には散歩もいいかなってな」
言葉から和香羽とのやり取りを見ていないようだが、本当に見ていないとは断言できない。だからとて見たとは聴くこともできない彼は何も聞かず誤魔化すしかなかった。
否、別に彼に後ろめたい事があるわけでもない。ならば誤魔化さず話せばいいのだが、今の彼にはその勇気がなかったのだ。
「奇遇ですね!あ、なら一緒に帰りましょう先輩!」
「あ、あぁ……」
誤魔化した言葉をなんの疑惑も抱かずに信じ、にっこりと無邪気で可愛げのある笑みを見せると彼の手を取り歩き出した。ただ、彼女の無邪気な笑みを見て咄嗟に吐いた嘘に罪悪感を覚える彼だったが、今更嘘だと言うわけにもいかず誤魔化したまま、彼女と森を抜けた。
「……ところで先輩。来週の花火大会の日……空いてますか?」
「……あの時の約束……?」
『あの時の約束』透也はその言葉に、その約束に覚えはなく、故に何も思いつかない。十年も前だからか約束も、彼女のことも忘れてしまっていたのだ。
「覚えてないんだ……」
「ごめん……」
「ううん!謝らなくてもいいよ!十年以上前のことだし……今言えばいいんだから!」
約束を忘れられていることに悲しさを見せた和香羽に、悲しさを忘れさせるような、はたまた今から言おうとしている“約束”の言葉を言う勇気を与えるような優しい風が吹き付け短い髪をふわりと揺らしてみせた。
「私ね……昔から透也の事が大好きなのっ!……あの時の約束は、私達が大きくなって再開した時に伝えたいことを言い合うって言う約束。でも忘れちゃったんじゃあ仕方ないよね……」
和香羽からの突然の告白なのに、彼女が涙を流してまで見せる悲しそうな顔だからか透也の心がズキリと痛む。だが、その痛みの原因は彼にはわかることなく、痛みがあったのを直ぐに忘れてしまう。
静かに涙を流す姿になんて言葉をかけたらいいのかわからない透也は、ただひたすらに約束を思い出そうと必死に記憶の中を辿る。しかしどれだけ辿っても不思議と約束だけは思い出すことができない。
そもそもここまで思いつかないのならば彼女に“伝えなければならないこと”がなんなのか自分自身でもわかる事がなく、知らないのではないかと自分自身を疑ってしまう。
「ご、ごめんね?急にこんなこと言って……困るよね……今日のことは忘れて!」
静かに涙を流しつつタッタッタッと逃げるように和香羽はその場を離れてしまう。その様子をみても何も言えないでいる透也は、ただ彼女が走り去っていくのを見ることしか出来ず、未だ言葉もかけることはできなかった。
「……今日のことは忘れてだなんて無理に決まってるだろ……あぁくそっ!なんで思い出せない!」
「……先輩?」
和香羽の姿が見えなくなった途端、言葉をかけれなかった自分を責め立てる。
とそこに和香羽では無い女性の声が響き渡る。だが彼はその声の主を知っており、聞き覚えのある声を辿り振り返ると、黒っぽいワンピースと可愛い兎の髪飾りが印象的な天然茶髪と鮮やかな茶色の目を持つ同級生清宮好兎美がいた。
清宮は一昨年、この町に引っ越してきた。さらに彼が通う学校にも転校してきたのだが、偶然にも同クラス。故にお互いの名前も顔も知っている。
「き、清美……なんでここに?」
「あ、先輩がこっちに……じゃなくて最近の散歩道だったので!……先輩はどうしてここに?」
「あ、いや……えーと……た、偶には散歩もいいかなってな」
言葉から和香羽とのやり取りを見ていないようだが、本当に見ていないとは断言できない。だからとて見たとは聴くこともできない彼は何も聞かず誤魔化すしかなかった。
否、別に彼に後ろめたい事があるわけでもない。ならば誤魔化さず話せばいいのだが、今の彼にはその勇気がなかったのだ。
「奇遇ですね!あ、なら一緒に帰りましょう先輩!」
「あ、あぁ……」
誤魔化した言葉をなんの疑惑も抱かずに信じ、にっこりと無邪気で可愛げのある笑みを見せると彼の手を取り歩き出した。ただ、彼女の無邪気な笑みを見て咄嗟に吐いた嘘に罪悪感を覚える彼だったが、今更嘘だと言うわけにもいかず誤魔化したまま、彼女と森を抜けた。
「……ところで先輩。来週の花火大会の日……空いてますか?」
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