1 / 23
序章
見えない『モノ』
しおりを挟む
暑くもなくましてや寒くもない程よい季節の日が落ちる時刻、全身ジャージと少しだらしない格好の私を着た彼は買い物という目的を済ませて自宅へと向かって歩いていました。
下ジャージのポケットには最低限のものーーつまり財布しか入っていなく、手には見たところ軽そうなビニール袋がぶら下がっています。
周りは住宅街。赤レンガ風の家や三角屋根の家、中にはソーラーパネルが付いた四角い家など色んな種類の家が転々と建っています。 しかしどれもこれも彼の自宅ではなく、ただただ通り過ぎます。
途中、十字路に入りかけたその刹那、ドンッと誰かに背中を押されたかの様にバランスを崩し、彼は一歩足が出てしまいます。ですが体感が良かったのか、はたまた運が良いのか倒れるまでには至りませんでした。
そのすぐ後には彼の目の前を、車が通り過ぎていました。もう一歩足を踏み出していたら大事故になっていたでしょう。
「あっぶねぇなぁ!」
振り返って自身を押した犯人を確認しようとしますが、不思議と誰もいません。ただ唯一いたといえば、可愛らしい数匹の猫。無論、猫は自身よりも大きな人を押して、バランスを崩せる力は持っていません。
ならばそこには彼しかいなく、近くには誰もいないということ。それを把握した彼は首を傾げ、何事も無かったかのように自宅へと向かいました。
ーー数十分の道を歩き家に着く頃には完全に日が落ちて辺りは闇に染まり、暗くなっていました。
しかしここは住宅街。完全に闇に染まった道や道路を照らす街灯や色々な家の窓から溢れ差す光などにより完全に漆黒の風景と化しているわけではありません。
彼の家は豪華なお屋敷というわけでもなくボロボロな家でもなく、ただただ普通の住宅街にある一般的なアパート。見たところ築三十年以上は建ってるようで所々にサビや、赤、青、緑とまるで信号を想像させるような三色を使った派手な塗装が剥がれていたりしていました。
そんなおんぼろアパートの二階に彼の自宅があり、カンカンと鉄製の階段を上り自宅の鍵を開けました。
「ただいまー……「おかえり」」
戸を開けるとごくごく普通の玄関が目に移りますが、何も無ければ外装のようにカラフルでもない玄関。
彼が家に入ると直ぐに独りでに誰に言う訳でもない言葉を呟いていました。ただ、それと同時に何処からか返事が聞こえます。
誰かいるのかと玄関の靴置き場を見ますが、彼は現役高校生ながらも一人暮らしの身、一人分の靴以外ありません。空き巣だと考えても、わざわざ犯人は返事をするかと言うと、絶対する訳がありません。だって返事なんてしてまえばその存在に嫌でも知られてしまいますから。
一応恐る恐る全ての部屋を見ますがやはり誰もいなく、窓はちゃんと閉まっていました。
そのため先程の返事は空耳だろうと彼は信じ込み、念のため戸締りをしっかりとして寝室へと向かいました。
寝室の中は、勉強するための机がありますが、まるで本棚かのように様々な本が並べられ、置かれ、机として機能しなくなっています。そのためか部屋の真ん中に、折りたたみの机が一つあるのですが、その机の上もカップ麺やら何やらのゴミがあり、結局は物置と化してます。
さらに部屋の隅にあるベッドは乱れているため全体的にだらしない部屋と見て取れる部屋でした。
そんな寝室に入ってからというもの、片付けはせず、購入した弁当や飲み物を平らげると、一度ベッドに潜り込み、眠りにつきました。
次の日に何が起きるかもわからずに……
下ジャージのポケットには最低限のものーーつまり財布しか入っていなく、手には見たところ軽そうなビニール袋がぶら下がっています。
周りは住宅街。赤レンガ風の家や三角屋根の家、中にはソーラーパネルが付いた四角い家など色んな種類の家が転々と建っています。 しかしどれもこれも彼の自宅ではなく、ただただ通り過ぎます。
途中、十字路に入りかけたその刹那、ドンッと誰かに背中を押されたかの様にバランスを崩し、彼は一歩足が出てしまいます。ですが体感が良かったのか、はたまた運が良いのか倒れるまでには至りませんでした。
そのすぐ後には彼の目の前を、車が通り過ぎていました。もう一歩足を踏み出していたら大事故になっていたでしょう。
「あっぶねぇなぁ!」
振り返って自身を押した犯人を確認しようとしますが、不思議と誰もいません。ただ唯一いたといえば、可愛らしい数匹の猫。無論、猫は自身よりも大きな人を押して、バランスを崩せる力は持っていません。
ならばそこには彼しかいなく、近くには誰もいないということ。それを把握した彼は首を傾げ、何事も無かったかのように自宅へと向かいました。
ーー数十分の道を歩き家に着く頃には完全に日が落ちて辺りは闇に染まり、暗くなっていました。
しかしここは住宅街。完全に闇に染まった道や道路を照らす街灯や色々な家の窓から溢れ差す光などにより完全に漆黒の風景と化しているわけではありません。
彼の家は豪華なお屋敷というわけでもなくボロボロな家でもなく、ただただ普通の住宅街にある一般的なアパート。見たところ築三十年以上は建ってるようで所々にサビや、赤、青、緑とまるで信号を想像させるような三色を使った派手な塗装が剥がれていたりしていました。
そんなおんぼろアパートの二階に彼の自宅があり、カンカンと鉄製の階段を上り自宅の鍵を開けました。
「ただいまー……「おかえり」」
戸を開けるとごくごく普通の玄関が目に移りますが、何も無ければ外装のようにカラフルでもない玄関。
彼が家に入ると直ぐに独りでに誰に言う訳でもない言葉を呟いていました。ただ、それと同時に何処からか返事が聞こえます。
誰かいるのかと玄関の靴置き場を見ますが、彼は現役高校生ながらも一人暮らしの身、一人分の靴以外ありません。空き巣だと考えても、わざわざ犯人は返事をするかと言うと、絶対する訳がありません。だって返事なんてしてまえばその存在に嫌でも知られてしまいますから。
一応恐る恐る全ての部屋を見ますがやはり誰もいなく、窓はちゃんと閉まっていました。
そのため先程の返事は空耳だろうと彼は信じ込み、念のため戸締りをしっかりとして寝室へと向かいました。
寝室の中は、勉強するための机がありますが、まるで本棚かのように様々な本が並べられ、置かれ、机として機能しなくなっています。そのためか部屋の真ん中に、折りたたみの机が一つあるのですが、その机の上もカップ麺やら何やらのゴミがあり、結局は物置と化してます。
さらに部屋の隅にあるベッドは乱れているため全体的にだらしない部屋と見て取れる部屋でした。
そんな寝室に入ってからというもの、片付けはせず、購入した弁当や飲み物を平らげると、一度ベッドに潜り込み、眠りにつきました。
次の日に何が起きるかもわからずに……
1
あなたにおすすめの小説
アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~
ma-no
ファンタジー
神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。
その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。
世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。
そして何故かハンターになって、王様に即位!?
この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。
注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。
R指定は念の為です。
登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。
「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。
一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる