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5、結果バレてました。
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あれから王子はここで本当に魔導師兼魔導技師として働くべく、嬉々として契約に署名捺印していった。改めて、王子は『元』王子として砦に入ったのだ。
その内辺境伯邸から遣いが戻って来る頃には、とっぷりと日が暮れ、私は夜ご飯を食べ損ねる結果となってしまった……筈だったが、何と庶民にも関わらず元……もう王子で良いだろう……と団長と副団長とで用意して貰った軽食とお茶を頂いてしまい、私としてはほとほと疲れた。
「リサには私の助手兼従者をやって貰いたい。何せ、庶民となるにしても余りに何も出来ないからな。長年の従者は執事に付けてやったから、今頃辺境伯邸で世話になっているだろう。新しく雇うにも今の状態では誰も信用出来ない」
私は危なくお茶を吹き出すところを、ぎりぎりで耐えた。
「は? 何故私を?? 」
「私の上着の件と言えば分かるか? 」
「ブッホォッ?! 」
耐えた時間は呆気なく。そしてこっそりと言われた言葉は全くこっそりではなく。団長、副団長が一斉に此方を見た。
「閣下、リサが何か……」
「いや、何。リサ嬢が私の上着を……なぁ? 」
「分かりました。助手? 従者? やりましょう!! しかしながら、私は薬師です! 自分の研究は譲れません! 」
半ばやけくそ気味に声を張り上げれば、この『元』王族はにんまりと実に腹立たしい笑顔を返してきた。今の今まで私が踏んだのもずっと知らない振りをしていたとは恐れ入る。流石魔窟で暮らしていた猛者だ。仮面の一枚や二枚。はたまた十枚付けていたっておかしくない。
「なれば、団長殿。私の作業場を薬師達の作業場の隣に作る事は出来ないだろうか? 後、その近くを居住にしたい。二部屋。空きはあるだろうか? 」
「団長殿と、そんな恐れ多い。私の事はジェラルドで構いません。薬師は魔導師部や治癒術師よりも人数が少ないですから、空きは有ります。部屋もその塔の二階に見繕っておきましょう。今日の所は客間でお願い致します」
「ふふ、ではジェラルド殿。私の事もどうぞフェリクスと。王族を抜けたと言うのにわがままを言って申し訳ない。この様な特別扱いは今日までと言う事で、どうぞ上に立つ者として今後はご指導の程宜しく頼みたい」
「慣れが必要でしょうが、善処致しましょう。フェリクス殿」
「では閣下、私もレミリオでお願い致します。これから不慣れな事もありますでしょうが、何かありましたら遠慮なくお申し付け下さい」
「宜しく頼む、レミリオ殿。レミリオ殿もどうかフェリクスと呼んで欲しい」
「ありがとうございます、フェリクス様」
私を抜きにして食事は和やかだ。ああ、本当、何故私はあそこで無視して砦に帰らなかったのだろう。しかし、今は『元』王族とは言え、不敬を働いたのは間違いなく私。ここは腹を括るしかない。そもそも、『お貴族様』を怒らせたら、庶民に明日は無いのだ。
「はあ……閣下。助手と従者の給金、しっかりと貰いますからね」
「それは当然だろう、リサ嬢……いや、リサ。お前もフェリクスと呼ぶと良い。閣下なんぞむず痒くて仕方がない」
「いや、つい先程まで『殿下』でしたでしょう」
「それはそれ、これはこれ。だ」
その後、内心剥れる私を置き去りに、砦内にしては珍しくお上品な食事会は幕を閉じた。
私は自分の部屋へと戻り、せっせと荷造りしていた。何故なら、あのフェリクス様の助手兼従者となってしまったので、寝所を隣にしなければならなくなったのだ。本来ならあり得ない。だけれども薬師用作業場と男性寮は物凄く遠いのだ。全ては騎士達の為に場所が割り振られているので、魔導師、治癒術師、そして薬師の塔は少しずつ離れている。
まだ命の危険があるフェリクス様にそんな距離を従者無しで歩かせる訳にも、女性一人で男性寮に入らせる訳にも行かないので(なら、是非とも他の人に変わって欲しかった)例外として部屋が隣同士にされた。立場の弱い者にはとことん辛い社会である。
けれど実は作業場の近くに部屋を用意されて嬉しいのもある。体裁は悪いが、それはこの『認識阻害』の魔道具がある。 いずれお店を持つ時は、違う顔で違う名前で出せばあらゆる噂を跳ね除けられるだろう。
そもそもが、何故私がこの魔道具を使っているのかと言えば、男だらけの職場に未婚の女性が働くのははしたないとしてよく近隣の町や村で話題にされるからだ。砦の人達は、治癒術師はしょっちゅう絡んで来るので少しうざったいが、その他は概ね良い人達だと思う。
中には夢半ばで政敵にやられて此方へ来たり、色々とやらかして此方へ来たりする人が少々荒れ気味で過ごす内に、日々命のやり取りをしていると仲間意識が強くなるのか、皆打ち解けて何だか楽しそうになるのだから不思議なものだ。
職場恋愛の後引退するとか、独身貫いて一生ここで働くなら噂も何のそのだけれど、私は自分の店を持ちたい。そこで要らぬ噂は立たせたくないのだ。そして、持ち込みたくない。
そう考えながら準備すれば、元々少ない荷物はあっという間に鞄にまとまった。私は部屋の鍵を確認すると、魔道具をベッド脇の椅子に置き、眠りに就いたのだった。
次の日。
午前中は砦の従者達が部屋を用意すると言うので、私は午前中フェリクス様を砦案内に連れ出す為に、早々に朝食を取るべく大食堂へ足を運んでいた(因みにフェリクス様は団長の元である)。
そこであまり話しをした事もない魔導師の女性に無理矢理捕まった。朝から絡むのは辞めてほしい。私は朝は弱いのだ。
「ねえ、リサさんて元王子殿下の助手やるんですって? それって本当? 」
これである。本当勘弁して。
「あ~、守秘義務がありますので、団長に聞いて下さい」
「あんっ、釣れない事言わないで、良いじゃない。ちょっとぐらい」
「無理ですね。無理無理」
「あら? 私は殿下を押し倒したって聞いたけど? どこまではしたないんでしょうね? 恥を知りなさい」
嫌な言葉で間に入って来たのは、いつも絡んで来る治癒術師のジェナだった。何処からそんな話になったのかと暫し考え……ある事に思い至った。
フェリクス様の上着が汚れていたからだ。
しかも背中だけ。
トラザースは汚れていなかったのは確かに可笑しい。しかも、あれは森の中を動き回った泥汚れなのだ。そりゃあしつこい汚れだろう。街道は至って乾いていたからそんなに汚れなかったのだと容易に想像できる。
あああ、本当、何で私あそこを降りちゃったのだろう。
それさえ無ければ。救護しようと思った自分を誇れたのに、全てが台無し……いや、寧ろマイナスだ。
そして何故昨日出した洗濯で今朝この時間に噂が回っているのか。こいつらは暇なのか。私は目が座るのを自覚した。魔道具のお陰で、曖昧に微笑んでいる顔に見えている筈だけれど。 この魔道具に通常は『曖昧に微笑む』で固定してあるのだ。後は大きく私の表情が変わればそれをやや抑えて表現する様にも出来ていて、とても便利である。
「それで、どんな手を使って作業場の近くに部屋まで取ったのよ? 殿方相手にさぞ、高尚な手管がお有りなのでしょうねぇ」
……何だかんだで作業場の近くに住みたいんだろう。突きつければ、愛すべき研究馬鹿……とも言える。
それぞれの透けて見える本音にうんざりしながら、私は踵を返す。
「全て、団長に聞いて下さい」
「……相変わらず可愛くない人だこと」
噂の面倒さったら無い。
私は本当にこの手の話に付き合ってられないのだ。しかし、フェリクス様と関わるとそうも言ってはいられそうにないけれど。
私は少しばかり味のしない食事を喉に流し込んだのだった。
後日、従者としてフェリクスの洗濯物を魔道技師の作業場で受け取った折、
「泥汚れが酷くってぇ、ちゃんと落としましたけども充分お気をつけ下さいね☆この方、野蛮そうですしぃ☆』
と、奥で作業しているフェリクス様へ向けて話し掛けるメイドを見て、『噂の出所はお前かっ! 』と心の中で呪詛を吐きまくる事になるとは、この時の私は思いもしなかった。
そもそも、洗濯メイドが手ずから洗濯物を返しに来るのはいくら年中人手不足とはいえ、異例であり、砦の独身女性は中々に根性ありまくって……困ったものである。
その内辺境伯邸から遣いが戻って来る頃には、とっぷりと日が暮れ、私は夜ご飯を食べ損ねる結果となってしまった……筈だったが、何と庶民にも関わらず元……もう王子で良いだろう……と団長と副団長とで用意して貰った軽食とお茶を頂いてしまい、私としてはほとほと疲れた。
「リサには私の助手兼従者をやって貰いたい。何せ、庶民となるにしても余りに何も出来ないからな。長年の従者は執事に付けてやったから、今頃辺境伯邸で世話になっているだろう。新しく雇うにも今の状態では誰も信用出来ない」
私は危なくお茶を吹き出すところを、ぎりぎりで耐えた。
「は? 何故私を?? 」
「私の上着の件と言えば分かるか? 」
「ブッホォッ?! 」
耐えた時間は呆気なく。そしてこっそりと言われた言葉は全くこっそりではなく。団長、副団長が一斉に此方を見た。
「閣下、リサが何か……」
「いや、何。リサ嬢が私の上着を……なぁ? 」
「分かりました。助手? 従者? やりましょう!! しかしながら、私は薬師です! 自分の研究は譲れません! 」
半ばやけくそ気味に声を張り上げれば、この『元』王族はにんまりと実に腹立たしい笑顔を返してきた。今の今まで私が踏んだのもずっと知らない振りをしていたとは恐れ入る。流石魔窟で暮らしていた猛者だ。仮面の一枚や二枚。はたまた十枚付けていたっておかしくない。
「なれば、団長殿。私の作業場を薬師達の作業場の隣に作る事は出来ないだろうか? 後、その近くを居住にしたい。二部屋。空きはあるだろうか? 」
「団長殿と、そんな恐れ多い。私の事はジェラルドで構いません。薬師は魔導師部や治癒術師よりも人数が少ないですから、空きは有ります。部屋もその塔の二階に見繕っておきましょう。今日の所は客間でお願い致します」
「ふふ、ではジェラルド殿。私の事もどうぞフェリクスと。王族を抜けたと言うのにわがままを言って申し訳ない。この様な特別扱いは今日までと言う事で、どうぞ上に立つ者として今後はご指導の程宜しく頼みたい」
「慣れが必要でしょうが、善処致しましょう。フェリクス殿」
「では閣下、私もレミリオでお願い致します。これから不慣れな事もありますでしょうが、何かありましたら遠慮なくお申し付け下さい」
「宜しく頼む、レミリオ殿。レミリオ殿もどうかフェリクスと呼んで欲しい」
「ありがとうございます、フェリクス様」
私を抜きにして食事は和やかだ。ああ、本当、何故私はあそこで無視して砦に帰らなかったのだろう。しかし、今は『元』王族とは言え、不敬を働いたのは間違いなく私。ここは腹を括るしかない。そもそも、『お貴族様』を怒らせたら、庶民に明日は無いのだ。
「はあ……閣下。助手と従者の給金、しっかりと貰いますからね」
「それは当然だろう、リサ嬢……いや、リサ。お前もフェリクスと呼ぶと良い。閣下なんぞむず痒くて仕方がない」
「いや、つい先程まで『殿下』でしたでしょう」
「それはそれ、これはこれ。だ」
その後、内心剥れる私を置き去りに、砦内にしては珍しくお上品な食事会は幕を閉じた。
私は自分の部屋へと戻り、せっせと荷造りしていた。何故なら、あのフェリクス様の助手兼従者となってしまったので、寝所を隣にしなければならなくなったのだ。本来ならあり得ない。だけれども薬師用作業場と男性寮は物凄く遠いのだ。全ては騎士達の為に場所が割り振られているので、魔導師、治癒術師、そして薬師の塔は少しずつ離れている。
まだ命の危険があるフェリクス様にそんな距離を従者無しで歩かせる訳にも、女性一人で男性寮に入らせる訳にも行かないので(なら、是非とも他の人に変わって欲しかった)例外として部屋が隣同士にされた。立場の弱い者にはとことん辛い社会である。
けれど実は作業場の近くに部屋を用意されて嬉しいのもある。体裁は悪いが、それはこの『認識阻害』の魔道具がある。 いずれお店を持つ時は、違う顔で違う名前で出せばあらゆる噂を跳ね除けられるだろう。
そもそもが、何故私がこの魔道具を使っているのかと言えば、男だらけの職場に未婚の女性が働くのははしたないとしてよく近隣の町や村で話題にされるからだ。砦の人達は、治癒術師はしょっちゅう絡んで来るので少しうざったいが、その他は概ね良い人達だと思う。
中には夢半ばで政敵にやられて此方へ来たり、色々とやらかして此方へ来たりする人が少々荒れ気味で過ごす内に、日々命のやり取りをしていると仲間意識が強くなるのか、皆打ち解けて何だか楽しそうになるのだから不思議なものだ。
職場恋愛の後引退するとか、独身貫いて一生ここで働くなら噂も何のそのだけれど、私は自分の店を持ちたい。そこで要らぬ噂は立たせたくないのだ。そして、持ち込みたくない。
そう考えながら準備すれば、元々少ない荷物はあっという間に鞄にまとまった。私は部屋の鍵を確認すると、魔道具をベッド脇の椅子に置き、眠りに就いたのだった。
次の日。
午前中は砦の従者達が部屋を用意すると言うので、私は午前中フェリクス様を砦案内に連れ出す為に、早々に朝食を取るべく大食堂へ足を運んでいた(因みにフェリクス様は団長の元である)。
そこであまり話しをした事もない魔導師の女性に無理矢理捕まった。朝から絡むのは辞めてほしい。私は朝は弱いのだ。
「ねえ、リサさんて元王子殿下の助手やるんですって? それって本当? 」
これである。本当勘弁して。
「あ~、守秘義務がありますので、団長に聞いて下さい」
「あんっ、釣れない事言わないで、良いじゃない。ちょっとぐらい」
「無理ですね。無理無理」
「あら? 私は殿下を押し倒したって聞いたけど? どこまではしたないんでしょうね? 恥を知りなさい」
嫌な言葉で間に入って来たのは、いつも絡んで来る治癒術師のジェナだった。何処からそんな話になったのかと暫し考え……ある事に思い至った。
フェリクス様の上着が汚れていたからだ。
しかも背中だけ。
トラザースは汚れていなかったのは確かに可笑しい。しかも、あれは森の中を動き回った泥汚れなのだ。そりゃあしつこい汚れだろう。街道は至って乾いていたからそんなに汚れなかったのだと容易に想像できる。
あああ、本当、何で私あそこを降りちゃったのだろう。
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「それで、どんな手を使って作業場の近くに部屋まで取ったのよ? 殿方相手にさぞ、高尚な手管がお有りなのでしょうねぇ」
……何だかんだで作業場の近くに住みたいんだろう。突きつければ、愛すべき研究馬鹿……とも言える。
それぞれの透けて見える本音にうんざりしながら、私は踵を返す。
「全て、団長に聞いて下さい」
「……相変わらず可愛くない人だこと」
噂の面倒さったら無い。
私は本当にこの手の話に付き合ってられないのだ。しかし、フェリクス様と関わるとそうも言ってはいられそうにないけれど。
私は少しばかり味のしない食事を喉に流し込んだのだった。
後日、従者としてフェリクスの洗濯物を魔道技師の作業場で受け取った折、
「泥汚れが酷くってぇ、ちゃんと落としましたけども充分お気をつけ下さいね☆この方、野蛮そうですしぃ☆』
と、奥で作業しているフェリクス様へ向けて話し掛けるメイドを見て、『噂の出所はお前かっ! 』と心の中で呪詛を吐きまくる事になるとは、この時の私は思いもしなかった。
そもそも、洗濯メイドが手ずから洗濯物を返しに来るのはいくら年中人手不足とはいえ、異例であり、砦の独身女性は中々に根性ありまくって……困ったものである。
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