最強で無双するっ!と思ってたら無双する主人公の侍女になりました…

芹澤©️

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坊ちゃんと私の日常

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坊ちゃんが温泉を掘り当てた。

まあまあ、主人公たるものそのぐらい朝飯前でしょう。これで王国東の果て、カーベニオン領の一大観光業が設立したから、ここは更に賑やかになりそう。

……まさか学園入学前にやるとは思ったけど、やっぱりか。

「うう、魔法の調整が難しい……」

「坊ちゃんは本気なんて出さないで良いのです。ちょっと軽くやればそれが丁度なんですから」

「レナの教え方は大雑把過ぎるんだよ…」

今日も今日とて坊ちゃんの魔法を教える為、黒の森付近の原っぱで魔力練りをさせる。体の魔力をひたすら回す修行だ。

私もちゃんと習ったことが無くて、自分で改良を重ねてきたから、坊ちゃんにもそうするしかない。そもそも、こんな規格外の人に基礎とかちまちま教えても仕方ないと思う。

「だって理論は教えられても、後は実技を重ねるしかないんです。坊ちゃんの魔力が多いから仕方ないんです」

「分かるけど、なんか責められてる?!」

「気のせいです。細かい男はモテません」

「追い討ち?!」

「魔力が揺らいでますよ」

「レナのせいだよね?!」 

転生者といえど、そこはまだまだお子様。すぐ魔力が揺らいでしまう。だから暴発してしまうのだ。
この前の風魔法しかり、温泉掘り当てた土魔法しかり。

私は葉っぱを竜巻のように風魔法で回してコントロールの練習をしながら、坊ちゃんの修行を見守る。
そこを、黒の森へ向かう冒険者達がチラチラと横目に、通り過ぎて行く。

「恥ずかしい……」

「何を言うのです。カーベニオンの子として、常に人前に立つ練習だとお思い下さい」

「うぅっ……」

というのは後付けの理由です。

黒の森は魔物が常に蔓延っている為、冒険者達には格好の狩り場。
手に負えない魔物は侯爵家騎士団が出張るけど、普段は冒険者達が細々と狩っていくので、治安が守られている。

が、そこは無双系坊ちゃん。
こうやっていればはぐれた魔物が出てくるかも知れない。
こそこそと風魔法を練習されるより、はぐれ魔物でも出て退治して貰えば、学園まで大人しくしてくれるでしょうという算段だ。

「なんかレナ悪い顔してる…」

「目を閉じてるかと思えば……集中して下さい」

「はーい」

まあ、もう魔力が安定してそうだけれど。

今日は事件はないかしら?なんだかこのまま終わりそう。




「た、助けてくれっ!!」

おっと、人生そうはいかないもの。
私達のところへ冒険者風の男が駆け寄ってくる。


事件発生ね?!
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