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坊ちゃんと私の学園生活
しおりを挟む学園は想像よりも大きく、ここが王城と言われても信じてしまいそうだった。
王都の最端に位置しているとはいえ、魔法から剣技、魔導工学に薬学、数々の知識を学べるとあって、施設が広大になるのは納得である。
巨大な門が開けば、噴水の庭が広がりその中を馬車で通り過ぎて、右端の奥まで進むと寮がある。
寮長、寮監へ挨拶してミーネを下女として登録したら、坊ちゃんの入寮手続きは終わり、私は坊ちゃんの隣の部屋にミーネと同居することになった。
普通なら、侍従の部屋は離れていることが多いけど、学園の大量の生徒の侍従を離れて置いておくのも、行き来なり手続きなりで学園側も面倒なのだろう。
エリザベス嬢は学年が違うので別棟で、既に侍女が待機していたので、そちらへと戻って行った。
「師匠!温かいお湯を貰ってきたので使って下さい!」
「ありがとう、ミーネも休んで良いんですよ?忙しいのは学期が始まってからなんだし」
「いえ!ミーネはもうすっかり元気なのです!」
そして、ミーネの献身振りが凄い。
最初はおどおどしていたのに、服を用意して体を清潔にしてあげると、とても可愛い美少女に変身したどころか、寮での決まり、侍従達が使うべき場所、スケジュールなど率先して覚え、くるくると動いてくれるのだ。
寮に入り早2日。既に勝手が分かって、何から何までやってくれようとする。
「そ・れ・で・も!ミーネがそんなに働き者だと、私も坊ちゃんに細々と世話を焼かなければいけなくなりますので、こちらへきなさい」
ぽんぽんとベッドを叩くと、ミーネはそこへちょこんと座る。
「師匠は既にやるべきことをやっているので気にしないで良いのです!」
なんて良い子!!
これは絶対坊ちゃんのハーレムに引き込まれないよう気をつけて、私の持てる全ての技術を使って生き抜く力を伝授しないと!!
~~~~~~~~
「……と思うんですが、坊ちゃんは後何を教えたら良いと思います?」
「ミーネがとても良い子だから、このままレナの影響を受けないで成長して貰いたいな」
失礼な!私に似たら逞しく生きて行けるというのに!
「けど、なんか僕怖がられてるんだよなぁ」
「確かに。男性が怖いというよりも……怯えに似ているのですが……あ!!」
「何?」
「坊ちゃんの魔力がえげつないから怯えてるんですね、獣人族は敏感だと聞きますし」
「あー……え?それってずっと怯えられるってこと?!」
「えーと、慣れてくれば大丈夫ですよ、多分?」
「説得力がない」
「申し訳ございません。私でもそれは無理です」
「ええ……」
成る程、それはこちらがどうにか出来ない問題。
坊ちゃんに怯えられるのを慣れて貰うしかないのかも。
「はあ、まあ頑張って仲良くなれるようにするよ」
「ミーネが可愛いからって手を出したら許しません」
「レナは僕のことなんだと思ってるの?」
無双系ハーレム主人公だと思ってますけど?
そう思って坊ちゃんをじっと見つめると、溜め息をつかれた。
「とりあえず、この後レナとはとことん話し合う必要がある気がする」
「いやですね、坊ちゃん。坊ちゃんのことは私、何もかも分かってますよ」
「絶対何か勘違いして認識してる気がする…」
「そんなことございません。さ、ここが学園長室らしいです。ご挨拶しっかりと、ですよ」
と、私と坊ちゃんはただ無駄話してた訳ではなく。
今日は入学前の学園長への挨拶日。
これまた立派な扉を開けると……
「あー!!あなた、あの性悪侍女!!」
入った途端に、あれ?おかしな声が聞こえたような……?
「失礼致します。テオニール・カーベニオンと侍女のレナでございます」
「無視?!無視するな!」
「……突然どうされましたかな?アーゼル講師?」
「はっ!!いえ、失礼しました、学園長……」
「ふふっ」
「今笑いました?!」
「いえ別に」
白い髪と髭のもふもふお爺さんの隣に、厳しそうな見た目の眼鏡の男性と、ローブを着た女性。
あれこそ、坊ちゃんのハーレム要員の変態ビキニ教師!!
ここで会うとはね!強制力って凄いわ!
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