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坊ちゃんと私の学園生活③
しおりを挟む学園長に挨拶して、変態教師ことクラーク教授に睨まれつつも無事説明を終え、坊ちゃんと私はいよいよ学園生活を本格的に送ることになった。
授業は全て学生の選択で決まり、スケジュール管理も課題の提出も学生の判断でこなさないといけない為、10歳から通うとなるとかなり自立心が養われそう。
私は勿論坊ちゃんと同じ授業を選択するつもりだ。
途中入学の坊ちゃんに授業内容を合わせて貰える筈もなく、体験授業とはいえ、最初の挨拶のみで授業内容は淡々と進んでいく。
坊ちゃんがまだ8歳ということもあり、最初は生徒達がざわつくものの、それも授業が始まれば落ち着いて……の繰り返しだった。
担任であるリゴット教授は歴史を教えていて、いくらカーベニオン家で勉強してきたとはいえ、追いつくのは少し時間がかかるかも知れない。
薬草学は前髪が長めのまん丸眼鏡のニル教授。
これは冒険者をしても役立つから良いかも知れない……坊ちゃんには呆れた顔をされたけれど。
そして次は魔法応用学。
応用学というか、魔法をぶっ放す授業ね。
そして、そこで坊ちゃんかやらかした。ええ、まあ、そうだろうと思いましたよ。
「前期では、魔力を練る練習が主だったが、今期では実戦を交えていく!」
筋骨隆々の赤髪短髪なガウーラ教授。
あれ、魔法って筋肉も必要なんだっけ?
「魔法をあの的へ当てていく訓練だな。魔力はただ練っても前に飛ばない。魔力操作が安定して、呪文に乗せることで初めて効果が現れる。戦闘では魔力操作の速さが勝敗を決めるが、とりあえずはゆっくりで良いから的まで飛ばすことに集中して欲しい!」
並んでいた生徒達が、各々杖をかざしたり手を前へ突き出したりして魔力を練っていく。
あれ、私坊ちゃんに呪文なんて教えたことがないけど大丈夫だろうか。
「坊ちゃん。良いですか、何事も限度ってものがありますからね?」
「前から思ってたけど、レナは僕がとてつもない魔法使いだとか何か勘違いしてない?」
「だって坊ちゃん。呪文とか覚えてないのに魔法が使えるんですもん。見て下さい、あの子達を。集中して可愛いらしい」
「何気に僕にも失礼だし、彼らにも失礼だからね?!」
褒めたのに、心外ですね?!
「よし、最後は体験で来てるカーベニオン!」
「はい!」
「坊ちゃん!程々ですよ?」
「何を言ってる、見てないで従者のお前も前に出ろ!」
「失礼致しました」
私は年齢もかなり上なので除外されるかと思ってましたが、平等にさせてくれるんですね。教授!
さて、それでは無難に風を当てて倒せば良いー
ドゴン!!
突然隣の的が大きな音を立てて破裂したので、私はすかさず坊ちゃんに視線を移す。
「坊ちゃん」
「はい」
「私は何と言いましたか?」
「程々に」
「程々……そうですね、坊ちゃんにしては程々です」
さっきからガウーラ教授は頭を掻いているけど、大丈夫かしら?
「あー……よし、カーベニオンは的に当たったな!次、従者の……」
「レナでございます」
「よし、やってみろ」
では私は大人しく……いえ、待った。
侍女である私が坊ちゃんより技術が劣るなんてこの学園で舐められてしまうのではないかしら?
あんな弱い従者しか雇えないなんて思われたら心外だし……。
冒険者家業も、見た目で舐められがちだけれど、力を見せつけてやれば大抵黙るものだったし……ここはちょっとだけ力を出した方が良いのかも?
パン!!
軽やかな音を立てて的は粉々に舞い散ったので、概ね成功だと思う。
「レナ……」
坊ちゃんが眉頭を下げて困った顔をしているけれど。
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