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12.茶番⑧
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「先にシャワー浴びなよ」
「……うん。ありがと」
高崎に促され、俺は素直にそれに従う。
油断すれば怖じ気付きそうになる気持ちを必死に押し隠して、高崎が差し出してくれたバスタオルを受け取った。
こういうシチュエーションになることはある程度覚悟していたこととはいえ、さすがに緊張を隠しきれない。
ここからが本当の意味での正念場。
種明かしというクライマックスの場で、どれだけアイツらがやってることの卑劣さを強調できるかは、これからの俺の行動にかかっている。
雨で濡れて冷えたせいか、緊張のせいか。
勝手に震えだす自分の身体を宥めるように、両手でギュッと抱き締めた。
◇◆◇◆
高崎の家はショッピングモールから三駅ほどいったところにあるファミリー向けの分譲マンションの七階にあった。
今日は家族が留守で誰もいないという高崎の家。
お邪魔した挙げ句にバスルームまで使わせてもらうのはちょっと気が引けたが、そんな事を言ってもいられない事情もあるため、ありがたく使わせてもらう事にした。
あれから益々雨足が強まってきたせいで、駅から高崎の家までの間に更にずぶ濡れになってしまった俺達は、すっかり身体が冷えきってしまっていたのだ。
いくら秋めいてきたとはいえ、まだそこまで気温が下がっていないというのに、濡れた服は確実に体温を奪っていってしまうらしく、マジで寒い。
濡れた服を脱ぎ、少し高めの温度に設定されたシャワーを浴びていると、漸くひと心地つけたような気がした。
どうやら俺は雨で濡れたせいだけでなく、これからの展開を意識するあまり極度の緊張状態に陥ってたらしい。
高崎が本当にそういう意味で俺を家に誘ったのかはわからない。
実は良心の呵責に耐えかねて、俺に全てを暴露して謝るために誰の邪魔も入らないところに連れてきたっていう可能性も極々僅かながら無いとは言い切れない。
もしそうだったら、これから抱かれる事になるかもなんて考えている俺は、とんだ自意識過剰ヤローということになる。
でも、本音をいえばそっちのほうがありがたい。
──心身共に負担が減るから。
「……シャワーありがとう」
さっきシャワーを浴びる前に教えてもらった高崎の部屋に行くと、濡れた服を脱いで上半身だけ裸になっていた高崎に抱き締められてキスされた。
最近昼休みにいつもしている舌を絡めた濃厚なやつ。
やっぱりこういう展開になるのかと落胆しながらも、俺はそれを黙ってそれを受け入れる。
このまますぐに抱かれる流れになるのかと思いきや。
「じゃあ俺もシャワー浴びてくる。濡れた服は乾燥機に入れとくからかして。帰るまでには乾くと思うから。飲み物用意しといたからそれでも飲みながら適当に寛いで待っててよ」
高崎は何事もなかったかのように俺を解放し、すぐにバスルームへと向かっていったのだ。
内心ホッとしつつも、俺の頭の中にはハテナマークがいくつも浮かぶ。
今完全にやる雰囲気だったよね?
やっぱり男相手じゃ無理だと思った?
この後、どうなるわけ?
とりあえず床に座り、テーブルの上に置かれていた数本のペットボトルの中から、普段から好んで飲んでいるお茶を選んでひと口飲んだ。
モノトーンで統一された部屋。
あまり物が置かれていないこの部屋は、誰にも心を傾けない高崎のイメージそのものという感じがする。
本当に高崎の部屋にいるんだな、と改めて実感した途端。
不快指数が一気に上がった気がした。
「……うん。ありがと」
高崎に促され、俺は素直にそれに従う。
油断すれば怖じ気付きそうになる気持ちを必死に押し隠して、高崎が差し出してくれたバスタオルを受け取った。
こういうシチュエーションになることはある程度覚悟していたこととはいえ、さすがに緊張を隠しきれない。
ここからが本当の意味での正念場。
種明かしというクライマックスの場で、どれだけアイツらがやってることの卑劣さを強調できるかは、これからの俺の行動にかかっている。
雨で濡れて冷えたせいか、緊張のせいか。
勝手に震えだす自分の身体を宥めるように、両手でギュッと抱き締めた。
◇◆◇◆
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今日は家族が留守で誰もいないという高崎の家。
お邪魔した挙げ句にバスルームまで使わせてもらうのはちょっと気が引けたが、そんな事を言ってもいられない事情もあるため、ありがたく使わせてもらう事にした。
あれから益々雨足が強まってきたせいで、駅から高崎の家までの間に更にずぶ濡れになってしまった俺達は、すっかり身体が冷えきってしまっていたのだ。
いくら秋めいてきたとはいえ、まだそこまで気温が下がっていないというのに、濡れた服は確実に体温を奪っていってしまうらしく、マジで寒い。
濡れた服を脱ぎ、少し高めの温度に設定されたシャワーを浴びていると、漸くひと心地つけたような気がした。
どうやら俺は雨で濡れたせいだけでなく、これからの展開を意識するあまり極度の緊張状態に陥ってたらしい。
高崎が本当にそういう意味で俺を家に誘ったのかはわからない。
実は良心の呵責に耐えかねて、俺に全てを暴露して謝るために誰の邪魔も入らないところに連れてきたっていう可能性も極々僅かながら無いとは言い切れない。
もしそうだったら、これから抱かれる事になるかもなんて考えている俺は、とんだ自意識過剰ヤローということになる。
でも、本音をいえばそっちのほうがありがたい。
──心身共に負担が減るから。
「……シャワーありがとう」
さっきシャワーを浴びる前に教えてもらった高崎の部屋に行くと、濡れた服を脱いで上半身だけ裸になっていた高崎に抱き締められてキスされた。
最近昼休みにいつもしている舌を絡めた濃厚なやつ。
やっぱりこういう展開になるのかと落胆しながらも、俺はそれを黙ってそれを受け入れる。
このまますぐに抱かれる流れになるのかと思いきや。
「じゃあ俺もシャワー浴びてくる。濡れた服は乾燥機に入れとくからかして。帰るまでには乾くと思うから。飲み物用意しといたからそれでも飲みながら適当に寛いで待っててよ」
高崎は何事もなかったかのように俺を解放し、すぐにバスルームへと向かっていったのだ。
内心ホッとしつつも、俺の頭の中にはハテナマークがいくつも浮かぶ。
今完全にやる雰囲気だったよね?
やっぱり男相手じゃ無理だと思った?
この後、どうなるわけ?
とりあえず床に座り、テーブルの上に置かれていた数本のペットボトルの中から、普段から好んで飲んでいるお茶を選んでひと口飲んだ。
モノトーンで統一された部屋。
あまり物が置かれていないこの部屋は、誰にも心を傾けない高崎のイメージそのものという感じがする。
本当に高崎の部屋にいるんだな、と改めて実感した途端。
不快指数が一気に上がった気がした。
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