芳華、国へ帰る

Yuzuki

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ズミ、幸編

Lẩu shabu shabu しゃぶしゃぶ

13話
Lẩu shabu shabu
(しゃぶしゃぶ)




ズミの回想





私が小学校を卒業した時、仲いい友達と食事をすることになった。



友達1「いつも給食で一緒に食べてるのに外でみんなで食べるなんて不思議な感じだね」

ズミ「そうだね。どこで食べるの?」

友達2「ママたちはズミちゃんもいるし、ベトナム料理にしようって思ってるみたい。」

ズミ「わざわざベトナム料理にしなくたって…私日本料理も好きだし。」

友達2「でも、ベトナム料理って最近人気があるみたいだし、インスタ映えもするんでしょ?」

ズミ「まあたしかに、色合いはいいと思うけどね…」



ベトナムレストランにて



友達1「このお店とっても綺麗だね!」

友達2「なにかおすすめとかある?」

ズミ「うーん、パパのお店じゃないから分からないけど、Chả cá lã vọng(ハノイ風白身魚のターメリック揚げ)とかBánh xèo(ベトナム風パリパリお好み焼き)とか美味しいよ。」


私は自分の好きなベトナム料理をおすすめした。

Chả cá lã vọngは一度炭火で焼いた魚をあげるの!
ターメリックのきいた黄色い外側はサックサクで中の身が柔らかくて……!
Mắm tôm (発酵エビ塩辛ソース)に合うんだ!
Bánh xèo はもやしとかエビ、豚肉をお好み焼きのように入れて食べるの!
ハノイで定番の酸っぱくてしょっぱい魚醤につけて食べたら絶対みんなハマるに決まってる!

私はそう思って、友達とそのお母さんたちに勧めたんだ!



料理が出される。友達と友達の親は写真を撮っている。



友達1「わぁー美味しそう!」

ズミ「ベトナム料理はどれも美味しいからね!今度パパのお店にも来てよ!」

友達1「うん!絶対行く!」



ベトナム料理を一口食べる友達たち、一瞬顔をしかめて考える。



ズミ「ここも結構おいしいね!パパの料理のほうがおいしいけど…」

友達1「うん……」



友達と親同士で目配せする。



親「結構独特な味なんですね…」

友達2「ズミちゃん、私あんまりお腹空いてないから食べていいよ?」

ズミ「そうなの?こんなに美味しいのに…?」



みんな全然食べなくて、結局私がほとんど食べてしまった。

レストランをでたあとで友達の親同士でなにかなにかヒソヒソと話している。



友達1「クラス一緒になるといいね!」

ズミ「そうだね!」

友達2「中学でもよろしくね!」

ズミ「うん!またね!」



家に帰ってインスタを確認した。
そこにはさっきまで一緒だった友達の投稿で私以外のみんなでしゃぶしゃぶに行ってる写真と動画があげられていた。

でも、私と行ったベトナム料理の写真や私たちでとった写真はあげられてなかった……



ズミ「え…」



さっき、あんまりお腹空いてないって言ってたのは……?

私、しゃぶしゃぶでも食べれたよ……?
それなのに私がベトナム人だからって理由で勝手にベトナムレストランに決めて……
食べられないくせに……

『あの人たち』は私がベトナム人だからわからないと思って……

嘘なんかついて……

『あの人たち』は……
『あの人たち』なんか……


桜が咲いて私は中学に上がった。

クラスが発表されて友達が私のところにに寄ってきた。



友達2「ズミちゃん!一緒のクラスだったね!」

友達1「いいなぁ!休み時間に2人のクラスに遊びに行っていい?」

ズミ「行かなくていいよ。それともう話しかけないで!」

友達1「え…」

友達2「……どうしたの?」

ズミ「あなたたちvô cảmな人たちとは話したくない!」

友達1「ボーカム?どういう意味……?」

ズミ「発音違うし!vô cảmだよ!あなたたち日本人だからわからないもんね!」



そう言って桜が散る中、私は2人から去った。
それから一言も話すことはなかった…

やっぱり日本人にはベトナム人の気持ちなんか分かんないんだ!
『あの人たち』は私たちとは違うんだ!
ベトナム人はベトナム人としか気が合わないんだ!


だからホアは…だからホアだけはわかってくれるって…なのに私は……私はホアに…私と同じようなことを………勝手にベトナム人だと決めつけて……


あぁ、私もあの人たちと同じvô cảm (無神経)な奴だったんだ……




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