70 / 70
第二章:傀儡国の神
第22話 自然と育っていくように
しおりを挟む
【前回】 今は亡き師匠の事を思い出した
第22話 自然と育っていくように
――半永続的に改良と成長を重ねていく為に。
❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
「これは……学校に関する書類か。」
「はい。主から戴いた提案を元に、我々の方で多少なりとも変更を重ねた物とはなります。また、過去に主のご指示の通り、例の脈輝種を既に配置しております。」
これで少しは良くなれば良いんだが。
元々この国では貧富の差がかなり激しい。スラムなどは過去にこの国の愚王が収めていた際に一斉清掃したのが要因で存在しない物の、だからこそ教会や裏通りなどに少し足を踏み出せばとんでもなく治安が悪くなる。
何処でもスリは起きるし、何処でも文字の読み書きなどで問題が発生する。私がこの国を制圧してからは仕事をしていない者など誰も居ない訳だが、それでもまだ識字率の問題は多くある。
それに、何処の種族。何処の国でも学習機関や研究機関が複数あったり、優秀である事はその国が豊かであり、そして知性に溢れている事の証明となる。故に、少しでも早く学習機関とそれを安心して行える為の環境づくりは急がなければならない。
流石の私でも元の知性を弄る事や知識を魔法で与える事は出来ない。こればっかりは個々で努力してもらわなければ。
「主。」
「何だ。」
「未熟な私に知識を戴きたく。この度、主は既にこの国にある学習機関の改善ではなく新設を命じられ、既存の物は廃止を命じられました。それは……何故、なのでしょうか。」
「改善よりも一度真っ新にして作り直した方が楽だからだ。実際、既存の学習機関はどうにも敷居が高い上に敷地も狭い。まるで貧困に苦しむ者達には学習の権利すらもないと言わんばかりに貴族や王族ばかりが入学権利を有し、学園側としては彼らから金を貰う事で学校を発展させていたのかもしれないが、それでは学徒達の心も人を見下すと言う感覚を覚えてしまう。それでは学習機関として失格だ。」
「だから巨大な学習機関とされたんですね。」
「あぁ。」
確かに学習機関を利用する側としてはそれだけ入学基準が高い方が「自分達の子供はこれだけ優秀なんだ」と自慢する要素にはなるだろう。しかし、その反面でそれがプレッシャーとなり、それを求めるあまりに家庭内暴力などが勃発して育てるはずの命が死を選んでしまう事も珍しくはない。
生まれ変わったこの国ではかなり難しい話かもしれないが、元々家庭内暴力と言うのは何処の種族、何処の国でも気付かれにくい。故に、それならば以前のように複数個の学園を設けるよりは、1つの大きな学園を設けてしまった方が早い。
何より、今回手に入れたこの国は複数の大都市を設ける程に広大な国土を有している訳でもない。いづれは他種族の国家を制圧して同じようにしていくのも良いだろうし、今は忙しいだろうがそれこそ愚弟の国が次の実験場となる。
事実、私も過去は自由に勉強が出来なかった。王族なのに王族の恥晒しだからと学園に通う事すらも許されなかったぐらいだからな。
だが今はそうじゃない。私のやりたいように国造りも、環境作りでも出来る。確かに私はこの国を制圧し、諸々を洗脳し、手中には収めたがだからと言って彼らを苦しめたい訳ではない。ただ、反対意見がうざったいから黙らせただけだ。
何より、私が開発した脈輝種であれば知識を、技術を、能力を与えた上でマザーが自身の子にそれを引き継がせた上で人員を補充する事も出来る。これならば授業に差が出る事はない。
「それに、学徒目線から見てもいちいち進路に悩んでどの学校に通うかを悩むぐらいであれば、こういう大きな学園に入学させ、受講する授業ごとに専門的な学び舎や区画へ移動する方がより成長も見込めるだろう。」
「ですが、主。それだと教師の問題が発生するのでは?」
「そこで脈輝種だ。専門科目ごとにそれぞれ教師にも1つだけ専門科目だけを専攻させれば幾らスペックの高い脈輝種でもリソースの問題は発生するからな、特定の科目だけに絞ればそれこそ他種族が生涯でその身に得る知識よりも遥かに多くの知識を貯め込む事が出来る。何なら教授とし、各自が自らの専攻する分野を暇な時に調べるよう義務付けていれば勝手に成長もする。必要とあらばその中で最も賢い脈輝種をマザーに転身させ、また量産を重ねていけば人員不足なんて物は起きはしない。」
それこそ、後は相互の協力成長を成長を望む為に委員会でも設けて定期的に情報共有をさせれば良い。それが出来れば後はあまり心配するような事もないだろうからな。
❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
――次回「 」
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
もし作品を気に入っていただけましたら、ブックマークやスタンプで応援いただけると嬉しいです。
感想なども励みになります。
今後とも『悠久の宴にようこそ』をよろしくお願いいたします
第22話 自然と育っていくように
――半永続的に改良と成長を重ねていく為に。
❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
「これは……学校に関する書類か。」
「はい。主から戴いた提案を元に、我々の方で多少なりとも変更を重ねた物とはなります。また、過去に主のご指示の通り、例の脈輝種を既に配置しております。」
これで少しは良くなれば良いんだが。
元々この国では貧富の差がかなり激しい。スラムなどは過去にこの国の愚王が収めていた際に一斉清掃したのが要因で存在しない物の、だからこそ教会や裏通りなどに少し足を踏み出せばとんでもなく治安が悪くなる。
何処でもスリは起きるし、何処でも文字の読み書きなどで問題が発生する。私がこの国を制圧してからは仕事をしていない者など誰も居ない訳だが、それでもまだ識字率の問題は多くある。
それに、何処の種族。何処の国でも学習機関や研究機関が複数あったり、優秀である事はその国が豊かであり、そして知性に溢れている事の証明となる。故に、少しでも早く学習機関とそれを安心して行える為の環境づくりは急がなければならない。
流石の私でも元の知性を弄る事や知識を魔法で与える事は出来ない。こればっかりは個々で努力してもらわなければ。
「主。」
「何だ。」
「未熟な私に知識を戴きたく。この度、主は既にこの国にある学習機関の改善ではなく新設を命じられ、既存の物は廃止を命じられました。それは……何故、なのでしょうか。」
「改善よりも一度真っ新にして作り直した方が楽だからだ。実際、既存の学習機関はどうにも敷居が高い上に敷地も狭い。まるで貧困に苦しむ者達には学習の権利すらもないと言わんばかりに貴族や王族ばかりが入学権利を有し、学園側としては彼らから金を貰う事で学校を発展させていたのかもしれないが、それでは学徒達の心も人を見下すと言う感覚を覚えてしまう。それでは学習機関として失格だ。」
「だから巨大な学習機関とされたんですね。」
「あぁ。」
確かに学習機関を利用する側としてはそれだけ入学基準が高い方が「自分達の子供はこれだけ優秀なんだ」と自慢する要素にはなるだろう。しかし、その反面でそれがプレッシャーとなり、それを求めるあまりに家庭内暴力などが勃発して育てるはずの命が死を選んでしまう事も珍しくはない。
生まれ変わったこの国ではかなり難しい話かもしれないが、元々家庭内暴力と言うのは何処の種族、何処の国でも気付かれにくい。故に、それならば以前のように複数個の学園を設けるよりは、1つの大きな学園を設けてしまった方が早い。
何より、今回手に入れたこの国は複数の大都市を設ける程に広大な国土を有している訳でもない。いづれは他種族の国家を制圧して同じようにしていくのも良いだろうし、今は忙しいだろうがそれこそ愚弟の国が次の実験場となる。
事実、私も過去は自由に勉強が出来なかった。王族なのに王族の恥晒しだからと学園に通う事すらも許されなかったぐらいだからな。
だが今はそうじゃない。私のやりたいように国造りも、環境作りでも出来る。確かに私はこの国を制圧し、諸々を洗脳し、手中には収めたがだからと言って彼らを苦しめたい訳ではない。ただ、反対意見がうざったいから黙らせただけだ。
何より、私が開発した脈輝種であれば知識を、技術を、能力を与えた上でマザーが自身の子にそれを引き継がせた上で人員を補充する事も出来る。これならば授業に差が出る事はない。
「それに、学徒目線から見てもいちいち進路に悩んでどの学校に通うかを悩むぐらいであれば、こういう大きな学園に入学させ、受講する授業ごとに専門的な学び舎や区画へ移動する方がより成長も見込めるだろう。」
「ですが、主。それだと教師の問題が発生するのでは?」
「そこで脈輝種だ。専門科目ごとにそれぞれ教師にも1つだけ専門科目だけを専攻させれば幾らスペックの高い脈輝種でもリソースの問題は発生するからな、特定の科目だけに絞ればそれこそ他種族が生涯でその身に得る知識よりも遥かに多くの知識を貯め込む事が出来る。何なら教授とし、各自が自らの専攻する分野を暇な時に調べるよう義務付けていれば勝手に成長もする。必要とあらばその中で最も賢い脈輝種をマザーに転身させ、また量産を重ねていけば人員不足なんて物は起きはしない。」
それこそ、後は相互の協力成長を成長を望む為に委員会でも設けて定期的に情報共有をさせれば良い。それが出来れば後はあまり心配するような事もないだろうからな。
❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
――次回「 」
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
もし作品を気に入っていただけましたら、ブックマークやスタンプで応援いただけると嬉しいです。
感想なども励みになります。
今後とも『悠久の宴にようこそ』をよろしくお願いいたします
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
優しい世界のシリウスさん
みなと劉
ファンタジー
ギルドで毎日仕事をコツコツとこなす青年シリウスは
今日も掲示板とにらめっこ。
大抵は薬草採取とか簡単なものをこなしていく。
今日も彼は彼なりに努力し掲示板にある依頼書の仕事をこなしていく
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
悪役令嬢の騎士
コムラサキ
ファンタジー
帝都の貧しい家庭に育った少年は、ある日を境に前世の記憶を取り戻す。
異世界に転生したが、戦争に巻き込まれて悲惨な最期を迎えてしまうようだ。
少年は前世の知識と、あたえられた特殊能力を使って生き延びようとする。
そのためには、まず〈悪役令嬢〉を救う必要がある。
少年は彼女の騎士になるため、この世界で生きていくことを決意する。
生まれ変わったら飛べない鳥でした。~ドラゴンのはずなのに~
イチイ アキラ
ファンタジー
生まれ変わったら飛べない鳥――ペンギンでした。
ドラゴンとして生まれ変わったらしいのにどうみてもペンギンな、ドラゴン名ジュヌヴィエーヴ。
兄姉たちが巣立っても、自分はまだ巣に残っていた。
(だって飛べないから)
そんなある日、気がつけば巣の外にいた。
…人間に攫われました(?)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる