54 / 70
第二章:傀儡国の神
第6話 折角得られた実験場を存続させる為に
しおりを挟む
【前回】カルストゥーラがアルジュレッドの妙な性癖に震撼した
第6話 折角得られた実験場を存続させる為に
――風評被害はお断りだ。
❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
「あ、ねえさ……。……? 姉さん、それは?」
「ペット。」
「……その人、姉さんに何かしたの?」
「いいや? 私を崇拝するあまり、私のペットになりたいんだと。結構可愛いには可愛いんだが、時々驚かされて良い意味でも悪い意味でも飽きん。それに、実力もあるからな。これでも私の研究全般を手伝う助手でもあるんだ。……服装に関しては私もこんな反応をするとは思ってなかったが。」
「……姉さんが望むなら僕、本国に限らずあらゆる国のその人によく似た人を捕まえてきて首輪掛けてあげるよ?」
「これに似ていれば良い訳じゃない、これじゃないと駄目なんだ。」
全く、こっちに曲がるとは思わなかったぞ。
目的地の応接間へ来る前に一度ルイスを呼び出し、アルジュレッドのお望み通り壊そうと思えばいつでも壊せる鉄の手錠と足枷を就けさせ、更にはそんなに奴隷として扱ってほしいならと服を全て脱がせて奴隷がよく着るぼろきれのような黒いワンピースを着せてやった挙句。髪が長いので全て降ろさせ、そのつもりはなかったが男なのに女の恰好をしたこれがこいつは大層お気に入りらしい。
首輪に引っ張られ、大人しく私の後ろを着いてきたアルジュレッドは今、両手を頬に添えて恍惚とした表情で。至極恐悦と言わんばかりに肩で息をする程に興奮しているらしい。
目の前に座るカルゼグルージが引く辺り、相当酷い事だろう。……まさか私も前方にヤンデレ、後方に変態を控えさせた状態でソファに座るような状況が訪れるような事はあると思っていなかったが。
……それはそれとして。
「随分と久しぶりだな、カルゼグルージ。その……。変わりないか。」
「う、うん。僕は元気だよ。ほんっとうに久しぶり、姉さん。傀儡国の誕生、本当におめでとう! ど、どう? この国は姉さんのお眼鏡に叶いそう?」
「あぁ。色々と面白い仕掛けも多くてな。あまりの量に少し時間がかかってはいるが……それでも得る物はかなり多い。少しずつ手中に収めてまずはこの国全土を私が自由に干渉出来るように地盤を固めるつもりだ。それまでは諸外国に戦争を仕掛けるつもりはない。」
「じゃあ……あ、そうだ。ギルジェディーラ国の方で見つけた孤児とか要る? 人手は多い方が良いだろうし……。」
「あぁ、全て寄越せ。帝都の何処の孤児院でも良いから預けるんだ。後は彼らが勝手に洗脳していってくれる。未来への投資だ。」
「流石姉さん、もう今から未来の事考えてるんだね!」
「まぁ当然だ。」
未来……なぁ。
「未来といえば……カルゼグルージ。お前、伴侶は。」
「欲を言えば姉さんが良いけど、それが駄目なら是非とも姉さんが僕の伴侶を選んでほしいと思ってるよ。勿論、人間と交配するのは嫌だけど……これが何よりの友好国である証明だっていうのであれば僕も我慢するよ。まぁ、あくまで体を重ねないだけで仲良いふりぐらいはするけど。」
これだ。この世界において、不思議な事にどの種族よりも人間という種族が最も数が多いとはされているがその反面で人間はどんな種族よりも非常に劣っている。その為、こうして忌避される事はそう珍しい事ではない。
でも面白い事に、比率的には最も数の多い人間が幾ら死のうと。幾ら人間の国がなくなろうと然程問題ではない。無論、それは我々非人間族に限る話ではあるがだからこそ、ここでやりたい放題してもあくまで敵は人間だけという事になる。
……。
「……少し、実験をしよう。」
「実験?」
「あぁ。人間をベースに、新しい種族を作り出す。」
「で、出来るの!?」
「恐らく問題なく可能だろうな。何より、元々私は生物や環境に関する魔法に特化している。……こうして大々的な実験場が手に入った以上、これまで出来なかった研究も開発も幾らでも出来るはず。まぁまずはその前に1つやる事があるからな、その準備だけ進めて……それが終わればこのルードゥゲイル帝国の全国民を世界で初めて確認される生物へと昇華させる。それが終わったら……そうだな。本当にお前が良いのであれば皇女の誰かを国際結婚としてお前にやる。判断はその時で構わないが、お前が実験に付き合ってくれるのであればちゃんと子供を作れるのか確認してほしい。……分かってはいると思うが、その子は必ずギルジェディーラ国の次期国王候補だ。無論、無能に……はならないと思うが、懸念があるのであれば幾らでも子供は作って構わん。そもそもお前ら竜種は一度に複数の卵を産むのが一般的だからな。産み落とした子の、最も優秀な奴を次期国王に据えろ。」
「分かったよ、姉さん。姉さんがそう望むなら。じゃあ……楽しみにしておくね。姉さんが一体どんな新しい種族を生み出すのか。」
「あぁ、期待は裏切らないさ。」
もう、最終実験さえすれば済むからな。
❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
――次回「第7話 全ては、この世界から恐ろしい物を一切消し去る為に」
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
もし作品を気に入っていただけましたら、ブックマークやスタンプで応援いただけると嬉しいです。
感想なども励みになります。
今後とも『悠久の宴にようこそ』をよろしくお願いいたします。
第6話 折角得られた実験場を存続させる為に
――風評被害はお断りだ。
❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
「あ、ねえさ……。……? 姉さん、それは?」
「ペット。」
「……その人、姉さんに何かしたの?」
「いいや? 私を崇拝するあまり、私のペットになりたいんだと。結構可愛いには可愛いんだが、時々驚かされて良い意味でも悪い意味でも飽きん。それに、実力もあるからな。これでも私の研究全般を手伝う助手でもあるんだ。……服装に関しては私もこんな反応をするとは思ってなかったが。」
「……姉さんが望むなら僕、本国に限らずあらゆる国のその人によく似た人を捕まえてきて首輪掛けてあげるよ?」
「これに似ていれば良い訳じゃない、これじゃないと駄目なんだ。」
全く、こっちに曲がるとは思わなかったぞ。
目的地の応接間へ来る前に一度ルイスを呼び出し、アルジュレッドのお望み通り壊そうと思えばいつでも壊せる鉄の手錠と足枷を就けさせ、更にはそんなに奴隷として扱ってほしいならと服を全て脱がせて奴隷がよく着るぼろきれのような黒いワンピースを着せてやった挙句。髪が長いので全て降ろさせ、そのつもりはなかったが男なのに女の恰好をしたこれがこいつは大層お気に入りらしい。
首輪に引っ張られ、大人しく私の後ろを着いてきたアルジュレッドは今、両手を頬に添えて恍惚とした表情で。至極恐悦と言わんばかりに肩で息をする程に興奮しているらしい。
目の前に座るカルゼグルージが引く辺り、相当酷い事だろう。……まさか私も前方にヤンデレ、後方に変態を控えさせた状態でソファに座るような状況が訪れるような事はあると思っていなかったが。
……それはそれとして。
「随分と久しぶりだな、カルゼグルージ。その……。変わりないか。」
「う、うん。僕は元気だよ。ほんっとうに久しぶり、姉さん。傀儡国の誕生、本当におめでとう! ど、どう? この国は姉さんのお眼鏡に叶いそう?」
「あぁ。色々と面白い仕掛けも多くてな。あまりの量に少し時間がかかってはいるが……それでも得る物はかなり多い。少しずつ手中に収めてまずはこの国全土を私が自由に干渉出来るように地盤を固めるつもりだ。それまでは諸外国に戦争を仕掛けるつもりはない。」
「じゃあ……あ、そうだ。ギルジェディーラ国の方で見つけた孤児とか要る? 人手は多い方が良いだろうし……。」
「あぁ、全て寄越せ。帝都の何処の孤児院でも良いから預けるんだ。後は彼らが勝手に洗脳していってくれる。未来への投資だ。」
「流石姉さん、もう今から未来の事考えてるんだね!」
「まぁ当然だ。」
未来……なぁ。
「未来といえば……カルゼグルージ。お前、伴侶は。」
「欲を言えば姉さんが良いけど、それが駄目なら是非とも姉さんが僕の伴侶を選んでほしいと思ってるよ。勿論、人間と交配するのは嫌だけど……これが何よりの友好国である証明だっていうのであれば僕も我慢するよ。まぁ、あくまで体を重ねないだけで仲良いふりぐらいはするけど。」
これだ。この世界において、不思議な事にどの種族よりも人間という種族が最も数が多いとはされているがその反面で人間はどんな種族よりも非常に劣っている。その為、こうして忌避される事はそう珍しい事ではない。
でも面白い事に、比率的には最も数の多い人間が幾ら死のうと。幾ら人間の国がなくなろうと然程問題ではない。無論、それは我々非人間族に限る話ではあるがだからこそ、ここでやりたい放題してもあくまで敵は人間だけという事になる。
……。
「……少し、実験をしよう。」
「実験?」
「あぁ。人間をベースに、新しい種族を作り出す。」
「で、出来るの!?」
「恐らく問題なく可能だろうな。何より、元々私は生物や環境に関する魔法に特化している。……こうして大々的な実験場が手に入った以上、これまで出来なかった研究も開発も幾らでも出来るはず。まぁまずはその前に1つやる事があるからな、その準備だけ進めて……それが終わればこのルードゥゲイル帝国の全国民を世界で初めて確認される生物へと昇華させる。それが終わったら……そうだな。本当にお前が良いのであれば皇女の誰かを国際結婚としてお前にやる。判断はその時で構わないが、お前が実験に付き合ってくれるのであればちゃんと子供を作れるのか確認してほしい。……分かってはいると思うが、その子は必ずギルジェディーラ国の次期国王候補だ。無論、無能に……はならないと思うが、懸念があるのであれば幾らでも子供は作って構わん。そもそもお前ら竜種は一度に複数の卵を産むのが一般的だからな。産み落とした子の、最も優秀な奴を次期国王に据えろ。」
「分かったよ、姉さん。姉さんがそう望むなら。じゃあ……楽しみにしておくね。姉さんが一体どんな新しい種族を生み出すのか。」
「あぁ、期待は裏切らないさ。」
もう、最終実験さえすれば済むからな。
❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
――次回「第7話 全ては、この世界から恐ろしい物を一切消し去る為に」
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
もし作品を気に入っていただけましたら、ブックマークやスタンプで応援いただけると嬉しいです。
感想なども励みになります。
今後とも『悠久の宴にようこそ』をよろしくお願いいたします。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
優しい世界のシリウスさん
みなと劉
ファンタジー
ギルドで毎日仕事をコツコツとこなす青年シリウスは
今日も掲示板とにらめっこ。
大抵は薬草採取とか簡単なものをこなしていく。
今日も彼は彼なりに努力し掲示板にある依頼書の仕事をこなしていく
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
悪役令嬢の騎士
コムラサキ
ファンタジー
帝都の貧しい家庭に育った少年は、ある日を境に前世の記憶を取り戻す。
異世界に転生したが、戦争に巻き込まれて悲惨な最期を迎えてしまうようだ。
少年は前世の知識と、あたえられた特殊能力を使って生き延びようとする。
そのためには、まず〈悪役令嬢〉を救う必要がある。
少年は彼女の騎士になるため、この世界で生きていくことを決意する。
生まれ変わったら飛べない鳥でした。~ドラゴンのはずなのに~
イチイ アキラ
ファンタジー
生まれ変わったら飛べない鳥――ペンギンでした。
ドラゴンとして生まれ変わったらしいのにどうみてもペンギンな、ドラゴン名ジュヌヴィエーヴ。
兄姉たちが巣立っても、自分はまだ巣に残っていた。
(だって飛べないから)
そんなある日、気がつけば巣の外にいた。
…人間に攫われました(?)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる