エバーラスティング・ネバーエンド──第三人類史

悠木サキ

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第一章

36 敵艦、迫る②

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──なんだよ?!
 シーナの反応の意味がわからなかったカウルは、言われるがまま、もう一度その弾倉に『心』を注入する。
(これでいいのか……?)
 普段の二回分の『心』が込められた弾倉を、今度こそシーナに差し出すと、弾倉を手に取ったシーナは「ちっ」と舌打ちしながらもそれを狙撃銃に挿入した。
「全部の弾にこれぐらい込めろ!いいな!!」
 シーナが怒鳴る。
「えっ、いやでも……」
 なぜそんな必要が──と、カウルが口ごもる。しかし、
「じゃねえと効かねぇだろ、馬鹿が!!」
 さらに激しく怒鳴られ、カウルは縮まるように口を閉ざす。
 下手に口答えして、シーナの更なる怒りを買ってはならないとカウルはおとなしく甲板に片膝をつき、背嚢から次の弾倉を取り出すが、
──あっ、そうか……
と、遅れてシーナの言葉の意味するところを理解する。
 前日の戦闘では、迎撃の対象は敵航空機であったが、今日は敵の水上艦の艦砲から放たれる砲弾──徹甲弾である。
 徹甲弾は、艦船の装甲を貫通するために十分な硬度を持つ。
 航空機よりはるかに硬い徹甲弾を破壊するには、狙撃銃の弾丸にも相応の『心』を込め、その『存在』を高めなければいけない。
 恐怖に囚われ、カウルはそのことを失念していた。
 
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