ラストターンワールド

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ラストターンワールド

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1970年8月26日(水)
 この世界はいつからおかしくなってしまったのだろうか。融合派の誕生?ソ連の分裂?ヨーロッパの武力的統合?、、、考えあげればキリがないほど出てくる。そんなことを考えると人類が誕生した時からおかしくなっていったのではないかと考えてしまう。今の世界情勢は次のようになっている。
ヨーロッパ・・・再軍備した、ドイツの元、武力で統合される。
ロシア・・・ヨーロッパの内政干渉によりソ連が大小含め30国に分裂。今は割譲、併合が繰り返され7国がある。
アジア・・・中国は融合派の元となる統合派のクーデターにより国家転覆し中華統合連合が成立する。中国共産党は台湾北部に逃れ、台湾は共産党と国民党で南北に分断されている。日本は、アメリカの衰退により中華統合連合により併合。
アフリカ・・・ヨーロッパ諸国の亡命政府が乱立。大半の亡命政府はアフリカ諸国の言いなりになる。
アメリカ・・・統合派が発展し融合派がカルフォルニアにて誕生。その後融合派は勢力を拡大し、アメリカにて大規模な内乱が発生。かろうじて内乱は鎮圧できたものの、国土は荒れ果て、太平洋、ヨーロッパにおける影響力はほぼなくなる。

、、、大まかな地域別で見ただけでもこの世界の変革は大きいものとわかる。あぁ十年前が恋しい。あの頃は冷戦でいつもピリピリとした空気だったが大きな争いもなく平和だったではないか。少なくとも我々一般人は。


1970年9月15日(火)
 また大きな変革があった。ヨーロッパでドイツの支配に反対する一団が融合派と結びついてバルカン半島で蜂起したらしい。数年前まではヨーロッパでも田舎の地だったバルカン半島もドイツの政策で世界有数の工業地域となったから反乱の鎮圧は難しいだろう。、、、ニュース速報が入ってきた。ロシアにある7つの国のうち1番の工業力を誇る、ロマノフ共和国が対独宣戦したらしい。なんでも分裂時にドイツに奪われた東部ポーランドを取り返すためだとか。そんな大層なことを言っているがどうせドイツが目障りだっただけに違いない。戦火が我が国にも飛び火しないことを祈るばかりだ。


1970年10月7日(水)
 もっとも恐れていたことが起きてしまった。我が国、、、エジプト共和連邦が戦争に巻き込まれた。いや、正しくはトップのバカが義勇軍をロマノフ共和国に送るとか言い出しやがった。義勇軍は本来は志願した者が戦争の遂行に協力する、というものであったがそんなものは名ばかりでほぼ強制的に戦線に駆り出される。しかも常備軍から義勇軍を出せばいいものを、軍に関係のない人々を義勇軍にしだす。もし義勇軍に選ばれてしまったら国外逃亡をするか、、、いや俺がこの国に住んでいる理由は北海核暴発事件以前にもっとも近い暮らしができるからではないか。他の国は兵役が義務だったり、ひたすら穴を掘ってそこに汚染土を埋める作業をさせたりするのだ。義勇軍に選ばれないことが最後の希望の光だ。


1970年12月20日(日)
 義勇軍に選ばれてしまった。しばらくはヨーロッパで戦うことになる。死なないことを祈って。アーメン。


1982年3月3日(水)
 ドイツ融合戦争出兵前の日記が見つかったのでここに記そうと思う。まず戦争の結果だがドイツが勝利した。しかし融合派に政権を譲って、だが。戦争中にドイツ総合議会の総選挙が行われたのだが、それで融合派が圧勝した。その後大統領が融合派を禁止にするも勢いは抑えきれず、政権交代が行われた。それにより反乱は下火となったが問題はロマノフ共和国との戦争だ。この戦争はかつての独ソ戦を彷彿とさせる戦いだった。ドイツ軍がロマノフ軍を一万人倒しても次の一万人が来る、っと言ったようなまさに泥試合だった。まあとにかくドイツは勝った。大量の兵器が実戦投入され、大量の兵器が退役する戦争だったと記憶している。ひとときの平和かもしれないが今は戦争が起きていない。過去や未来の事を考えず、今の平和を享受しようではないか。
P.S.
中華統合連合が反物質爆弾の開発に成功したらしい。融合派との一大戦争がおきるかもしれない。





__________あとがき__________
短編版です。評価が良かったらこの話の前後の話を書こうと思います。あと主人公のない話は書きづらいと考えたので連載版は主人公を作るかも。
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