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19.心配
しおりを挟む「なぁ。フィオ。最近カメリアとスリジエの様子が変だと思わないか?」
「冬斗も思ったかい?急に宮殿にいる精霊を移動したいと言い始めるし、やっぱり何かあったのかもしれないね」
精霊2人と蒼葉が魔法の練習をしている様子を見ながらフィオと隣同士で昼食をとる。
カメリアの行方不明事件から2日経った昨日、王妃からあと1ヶ月ここにいてくれと打診され断ろうとしたら、精霊2人が必死に私たちからもお願いと言うので頷いてしまった。
しかしどうも様子がおかしい。俺を見る目が悲しそうなのだ。頑張って隠しているつもりみたいだが隠せていない。何も言ってこないから知らんぷりしてるけど
「王妃のことは好きじゃないから、はやくここから出たいって前話してたのに。もう1ヶ月いろって言ってるのもおかしい。」
「それは僕にとって嬉しいことだけどね」
そう言って、微笑んで俺の髪を耳にかけてくる。なんか一緒に街に行った後から、やたらと距離が近い。
この国の人はみんなこうなのだろうか。
好きでもないのに顔が綺麗すぎてドキッとするからやめて欲しいわ。
しかも俺バイだから、恋愛対象に入らないと言いきれないのもきつい。ここで好きな人つくっても別れないといけないし、無駄に傷つきたくないからやめて欲しい。
「そうか。俺は嬉しくないけどな。冠男が毎晩毎晩、暗殺者送り込んでくるし。結界はってる
し、何故か毎回気配が秒で無くなるから全然いいけど」
「お父様がやりそうなことだ。後でしば…注意しておくから。ほんとにごめんね。きっと冬斗達は精霊が守ってくれているんだと思うよ。」
いつも通りの優しい笑顔を浮かべているが、少し雰囲気が怖いのは気のせいだろうか。
でも、ほんとに暗殺者には困っていた。俺を狙っているのは分かるのだがもしも蒼葉が…と思うと熟睡出来ていなかったから
心強い精霊2人も様子がおかしいし余計に不安だった。フィオの様子を見る限り、もう無くなりそうだけど。
「冬斗兄ちゃん!!フィオお兄ちゃん!!見ててね~!!」
可愛い声で呼ばれ2人で蒼葉の方を向くと、腕を真っ直ぐ前に伸ばして待機していた。
かわいい…
「水の泡出てきて!飛ばないでストップ!
金木犀、バラ、桜、えっとあと、ツバキ、スミレ!中で花びらに!よしっ!2人に届け~!」
複数のシャボン玉のような泡をだし、その1つ1つに別々の花弁を浮かばせこちらに飛ばしてきた
そして頭上に来ると、弾けてっと声がしたのと同時に、花のいい匂いが広がりたくさんの花弁が舞い落ちてくる。
とても、綺麗だ…
「蒼葉~、ありがとな!めちゃくちゃ綺麗だ!こんなに魔法使いこなすなんて天才じゃないか~!」
蒼葉の方に走りより、強く抱き締める。この世界に来て1ヶ月。どんどん成長していく甥に感動しつつ、この成長を姉たちに見せられないのが悲しくて堪らない。
「冬斗兄ちゃん泣いてるの~?そんなに綺麗だった??」
「泣いてない!うん綺麗だった!」
俺の涙を拭っている蒼葉はなんで嘘をつくのかと不思議そうにしつつも、嬉しさを滲ませた笑みを浮かべていた。
―その様子を見ている、精霊2人やフィオがどんな顔をしていたか俺は知らない。
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