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34.男神様…?
しおりを挟む「冬斗、ほんとにこの山に別荘があるのよね?」
「精霊達はみんなここだって言うから、たぶんここで合ってるはずだ」
朝からご機嫌のフィオと蒼葉に送り出され、精霊2人と別荘を探しに来ている。
「冬斗さん!!あっちに人が倒れてました!!はやく来てください!!」
1人で探検に言っていたスリジエが慌てた様子で俺の髪を引っ張ってきた。なんでこんな森の中に人がいるんだと思ったが、走ってその場所へと向かう。
「大丈夫ですか!?聞こえますか??」
綺麗な池のすぐ側で倒れている人を見てぎょっとした。なにをすれば両足が池に落ちた状態で倒れるんるんだよ…
「……っ。う~ん…」
「あ、良かった。意識はありますね。」
アッシュブラックの長髪なので、女性かと思ったが、声を聞くとどうやら男性のようだ。
意識がないまま動かすのは戸惑われたが、意識はあるようなので、両脇に手を突っ込み足を池から引き上げて、うつ伏せだった体を仰向けにして寝かせた。
「カメリア小さく火を出して、スリジエはその火に優しく風を当てて温風をこの人に向けて欲しい。体が冷たすぎる。」
「そりゃあそう…「んんッ、分かりました!」」
カメリアが何かを言ったが、スリジエがそれを遮るり、俺の言う通りに動いてくれた。なんだったのだろうか。
「お水飲めますか?」
「…あぁ、いただくね。」
まだ意識がぼーっとしているようだが水も飲めているし大丈夫そうだ。
◇ ◇ ◇
「どうしてこんなところで倒れていたんですか?」
「えっ?あっ、少し色々あったんだ。それに僕人じゃないんだよ。」
「人じゃないとは…?」
しばらく見守っていると、意識がしっかりしてきたので気になったことを聞けば、人間じゃないとなんとも言えない答えが返ってきた。
「う~ん、男神みたいな…?」
「はぁ…。そうですか。男神さんはこの池に住んでいるんですか?」
「そんなとこかな?それで助けてもらったお礼に願いを2つまで叶えてあげる。」
「水をあげただけで願い叶えてあげるなんて怖くて信じられないです。では、大丈夫そうなら俺たちはこれで」
「いやいや、待って!そこの精霊達も僕を危険だと言っていじゃない。試しに言ってみてよ!」
腕を掴んで離さない目の前の長髪の男性は、中性的な見た目をしているので、女の人に縋られているようで強くふりほどくことが出来ない。
「では、俺を甥っ子と一緒に元の世界に帰してください。」
「ごめんそれは出来ない。別の世界に直接干渉することは禁じられているんだ」
「…そうですか。では失礼します。」
「あっ!?まって。なんかふざけた雰囲気になったけれど僕は真剣なんだよ。僕はいつでもここにいるから。何か叶えて欲しいことがあれば来るといいよ。」
「分かりました。何かあれば頼らせていただきます。」
最後に男神の雰囲気が締まりあるものになった。それを見て本気で願いを叶えるつもりでいてくれたんだと分かる。
ぶっきらぼうに返したことを少し後悔しつつ、もし何かあれば頼らせてもらおうと思いながらその場を後にした。
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