【それは魔術と暴力のユカイなセカイ】——非常識な銀髪少女と世話係の少年——

甘外(アマガイ) 仁(ジン)

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【001】 銀髪で美少女な森精人の『尻』を揉んでみた件。

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① 銀髪で美少女な森精人の『尻』を揉んでみた件。



 現在、【ニヴルヘイム】という島国は真夏の炎天下に晒されている。
 その中でも『王都』は気温が非常に高く、蝉の声が騒がしい。


「なるほど……、良い感触だな」


 そんな暑い中、黒褐色の髪をした美少年——ヤギリは汗一つかいた様子なくそう呟いた。

 彼のいるそこは、広い敷地を有する屋敷の敷地内だった。

 青々とした芝生と通路としてタイルが埋め込まれている箇所もあるが、彼は少し離れた位置にある木々が鬱蒼と茂っている、木洩れ日の当たる場所にいた。


 彼はイケメンであり、肌も白く中性的である。
 薄く青い瞳も魅力的だ。


 服装は白のブロードシャツに、黒のズボンといった、シンプルなものだった。

 表面的な情報を提示すれば、一見、さわやかな印象がある彼なのだが、今はそんな好印象も吹き飛ぶ様な事をしている。


 現在彼は、眼下にいる銀髪の美少女エルフの、
(骨盤も肉付きも平凡だが、随分、ハリがあるな)


——尻を触っていた。


 その少女は一六歳であり身体的な発達もしっかりとしている。
 身長は一六五㎝程。
 銀髪の長く美しい髪。きめの細かい白い肌。
 大き過ぎず、小さ過ぎない、形の良い胸。
 森精人特有の少し尖った耳。

 服装は、この王都にある、世界的に有名な学園の学生服を着ていた。

 白と黒の色のみで構成されたシンプルな学生服であり、夏である今は、白いシャツに黒のスカートだ。


 しかし、今現在彼女はスカートをめくられ、パンツと短パンを下げられた、あられもない姿で気を失い、うつぶせに倒れている。


 彼女はヤギリと違い、気温の所為で大量の汗をかいていた。
 美少女特有のものなのか、甘ったるい良い香りが鼻腔をくすぐる。
 うっすらと下着は汗の所為でシャツから透けて見え、下半身も少し汗ばんでいた。


「……」


 ヤギリは、そんな正常ではない状態の少女を相手に、足の方向から手を伸ばし、彼女の尻に触れている。


(いい感じだな……)


 倒れ伏す少女の美しい尻の線をなぞる様に撫でまわすヤギリ。
 数秒後、次は触り心地の良い尻を、何度も強く揉みしだいていく。


 ハリがあるとはいえ、尻なので非常に柔らかく、触り心地がいい。
 強く握り、指を食いこませ、何度も、何度も、感触を確かめる。


(なるほど。問題ない……。何も、問題ない)


 コクリとヤギリは頷き、最後に尻の全体を優しく撫でて、感触を丁寧に確かめていく。
 肌がきれいなので触り心地が良い。
 汗ばんでいる事も相俟って特有の良い感触だ。
 しかし――


「うおぅ……。こ、これじゃあまるで変態みたいだ」

(こんな現場、人に見られれば誤解されてしまうな……。今は、楽しんでいるじゃなくて、隠蔽工作しているだけなのに……)


 今の状況があまり芳しくない事に気づき、ヤギリは一旦、少女の尻から手を離す。
 仮に、この様な現場を他者に見られれば、有罪判決が下されるのは火を見るよりも明らかである。故に、彼は最後に少女の尻を何度が揉んだ後、丁寧な手つきで、そして迅速に、白いパンツと黒い短パンを穿かせ、スカートを降ろし、それを隠した。


「よーし、パンツも穿かせたし、見た目は元通りだ。気を失っている間に色々されたなんて気づくわけもない。隠蔽は完璧だな。ちょっとだけ、軽犯罪だったけどな。ホントにちょっとだけだけど。——……って誰に言い訳してんだか」


 嘆息して頭を掻きながら、
(まぁ確かに良い想いはさせてもらったが、理由も理由だし、これくらいさせて頂いても問題ないんだけどな、多分。……いやぁ、それにしてもスッキリした)
 ヤギリは重い腰を上げ、立ち上がる。



「じゃあとりあえず、この女——部屋に持って帰るか」



 眼下の少女を見据え、ヤギリは大きくため息をつくのだった。


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