VRMMOの世界で第2の人生を謳歌します。

ヤキメシ

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17.オーク

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昨日は気づかなかったが、ギルドの近くには武器屋や防具屋、道具屋などの店が建ち並んでいた。


冒険者が主な客だから、ギルドの近くに店を構えているのだろう。


ギルドに入ると全員の視線が俺に集まった。


シーンと静まり返っている中、所々からヒソヒソ声が聞こえてくる。


「あいつが二つ持ちか」


本人たちは小さな声で喋っているつもりかもしれないけど、この状況だとね普通に聞こえちゃってますよ。


受付まで行くとエルミアさんが出迎えてくれた。


「なんかめっちゃ注目されてるんですけど」


「すいません、私のせいで」


昨日エルミアさんが驚いて、叫んでたから誰かに聞かれていたんだろう。


それが瞬く間に広まったと言うわけだ。


つまり、こんなに注目されるのはエルミアさんのせいとも言える。


「別に大丈夫なんですけど、注目されるのにあまり慣れてなくて」


「本当にすいません!」


「いいですよ、それより何か俺が受けられる討伐クエストでお薦めのやつありますか?」


「それでしたらオークが一番お薦めですよ。肉も売ればお金になりますし皮も防具に使われたりするのでお金になりますよ。ただ、オークは複数で行動するので、普通3~4人ぐらいのパーティーで討伐しに行くものですが。」


パーティーか……出来れば一人で行きたいんだよな。


金も分けないといけないし。


とりあえず一人で行ってみて無理そうだったら逃げればいいか。


「そうなんですね。でも、とりあえず一人で行ってみます。」


「そうですか……でしたらムリはなさらないように。」


「オークのこと詳しく聞いてもいいですか?」


「はい。オークは2~4体ぐらいで行動します。武器は主にこん棒。中には人間から武器を奪い剣や槍を持っている者もいます。身長は平均2m。大抵のオークは太っており力は強いが、動きは遅い。そして、皮膚が硬いので剣で肉を斬るのは苦戦するかもしれません。」


「なるほど、分かりました。」


「そっちの掲示板にも情報は乗ってますので見てみてください。」


「はい。」


掲示板を見に行く。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

         オーク

 街から西にあるグルの森に生息。

 複数で行動するためパーティーでの討伐を推薦。

 女が討伐しに行くのは危険。

 肉と皮も売却可能。

 耳が討伐証明になる。


 銅貨10枚

           D 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 


1体で銅貨10枚貰えるのか。


かなりお得だな。


だが、それだけ危険も伴うということでもある。


よし行くか。


街を出て西にあるグルの森に行く。


村にあった森と雰囲気は同じだ。


それに森は俺のテリトリーとも言える。


森での戦いは慣れたものだ。


しばらく探索していると足跡を発見した。


人間と同じような足跡。


でも少し大きい。


これがオークの足跡かもしれないな。


するとウィルが反応した。


何かを見つけたようだ。


ウィルに付いていくとそこには7体のゴブリンが歩いていた。


「なんだ、ゴブリンか。ウィル、今日はゴブリンじゃないんだよ。」


「クゥーン」


森に入るといつもゴブリンを倒してたからな~勘違いしちゃったか。


ゴブリンも多分討伐クエストの中にはあるだろうけど、金がどれだけ貰えるのか知らないんだよな。


今は金もあまりないし、少しでも金になるなら一応倒しとくか。


だけど、今すぐには倒さない。


このゴブリンたちは多分今から仲間の元に帰るところだろう。


つけていって合流したところで倒した方が効率がいい。


そう思いつけていくと少し予想外のことが起きた。


そのゴブリン達は3体のオークと合流したのである。


見たところオークの方が立場は上のようだ。


ということは、オークがゴブリン達を支配下に置いているということになる。


開けた場所にいるから戦いやすい場所ではあるけど、オークとゴブリンをまとめて相手にするのは流石に厳しい。


オークと戦ったことがあるなら違うかもしれないけど、初めての相手にどれだけ慎重になっても損はない。


ゴブリン達がどっか行くのを待つか。
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