30 / 69
30.実践練習(2)
しおりを挟む
オークはまだこちらに気づいておらず、座り込んで休憩をしている。
最初は速さだけを強化する。
「加速!」
この魔力量だとスピードは時速60kmぐらいだろう。
オーク目掛け駆けると同時に時速60kmのスピードが出る。
そのスピードのまま、オークの心臓目掛け剣を突き刺した。
「ブギィ?」
突き刺す瞬間、オークはこちらに気づいたが時すでに遅く、剣は心臓を突き刺していた。
剣を抜くとそこから血が吹き出した。
「おーすごいな。簡単にオークの皮膚を貫けた。」
強化魔法無しで戦うと、オークの皮膚の硬さに少し苦戦する。
スピードは力だ。
力=質量×速度。
もし自動車に跳ねられるとしたら、スピードが出ている方が死ぬ可能性が高いのは当たり前だ。
なんにしろ、スピードが速ければ速いほど力もあがると言うものだ。
しかし、スピードを活かせる攻撃は突き以外にはない。
斬ろうとしても、そのスピードに腕力が追い付かず、振り遅れてしまうのだ。
だから、スピードを上げるだけの魔法では攻撃バリエーションが少ない。
雑魚相手なら、1体を突き刺し殺したあと、すぐに他の敵の後ろに回り込み殺しとそれを続ければ良いだけだろう。
ただし強者と戦う場合はそれだけでは勝てない。
また、これ以上スピードを上げた場合、他の部分も強化しないと、体がスピードに耐えられず、まともに突き刺すこともできない。
一部を強化するなら他の場所も一緒に強化しないと、力を100%引き出すことはできないのだ。
例えばスピードを上げた場合、腕力、皮膚――スピードによって掛かる体の負担から守るため、目――動体視力、などを強化しないと本来の力を発揮できない。
なら、最初から全部強化すればいいと思うかもしれないが、全部を強化した場合魔力消費が大きくなる。
戦闘は必ずしも短時間で終わる訳じゃないし。
場合によっては何時間も戦わないといけないこともある。
その時に、ずっと身体の全部を強化していたら、魔力が尽きるのも早くなる。
だから、魔力を節約するのは戦闘において重要だと俺は考えている。
――オークの死体を魔法のバックに入れる。
「よし、ウィル次行こう。次は複数体見つけてくれ。」
「ウォン!」
6分後、歩いている3体のオークを見つけた。
「身体強化フィジカルブースト」
次は、スピードの他に腕力、目、皮膚を強化する。
込めた魔力は時速120kmぐらいだ。
後ろから不意討ちで殺しても意味がないので、正面から堂々と行く。
「ブギィーーー!」
俺に気づいたオークたちは、俺目掛け走ってくる。
俺も一歩目を踏み出すと、オークの後ろをとる。
「ブギィ?」
オークはいきなり消えた俺に驚いている。
そのまま後ろから斬り殺し、オークが後ろにいる俺の存在に気づく前に3体とも殺した。
「簡単だったな。」
ほんの1週間前まで苦戦していたオークを簡単に殺すことが出来る。
その成長に自分自身嬉しかった。
オークの死体を魔法のバックに入れ次に行く。
「次は雷魔法だな。ウィル今度はお前も戦って貰うからな!」
「ウォンウォン!」
「よし、次は2体探してくれ。」
10分後2体のオークを見つけた。
「ウィルは右の奴をやってくれ。」
「ウォン。」
オークの正面から行く。
オークは俺達を見るや否や襲いかかってきた。
「サンダーショット」
指先から小さな電気の塊を左のオークに放つ。
「ブギィ?」
ゆっくりと進むその塊をオークは走るのをやめ不思議そうに眺めていた。
その塊がオークに当たると、雷にでも打たれたかのように倒れた。
さっきのサンダーショットは敢えてゆっくりとしたスピードで放った。
これは高圧の電気をギュッと固めたものだ。
一見弱そうに見える魔法だが、その威力は半端じゃない。
大抵の生物は死ぬだろう。
「ブギィーーーー!」
仲間を殺されたオークは怒り狂う。
もう1体はウィルに任せてある。
本当に危なくなったら助けにはいるつもりだ。
オークはこん棒をウィル目掛け振り下ろす。
それをウィルは容易く避け、こん棒を持っている方の腕に噛みつくも、皮膚が硬く対したダメージは与えられない。
オークは反対側の手でウィルを殴ろうとするも、ウィルはそれを見て腕を離す。
「ブギィ!ブギィ!ブギィーー!」
それからこん棒を振り回すも、ウィルには一向に当たらない。
そんな状況に段々と苛立ってきている。
遂に堪えきれなくなり、苛立ちを込めるように大きく振りかぶり、こん棒を振り下ろそうとしていた。
そんな大きな隙をウィルが見逃すハズもなく、振り下ろした瞬間に避け首筋を噛み切った。
「ギィーーーー!」
急所をやられたオークは狂ったように叫ぶ。
ウィルは止めを刺すかのようにもう一度首筋を噛みきった。
「……ウィル……強いな。」
俺が想像していたよりもウィルは強かった。
オークの攻撃を避けていたときも、敢えて避けているようだった。
むしろ楽しんでいるかのように見えた。
つまり、ウィルはいつでもオークを殺せた訳で、さっきの攻防はウィルに言わせれば遊んでいただけなのだろう。
子狼の頃から面倒見てたから、強いイメージは全くなかったのだが……
「ウォン!」
ウィルは尻尾を振りながら俺のもとまで来た。
「ほめてほめて」と言う声が聞こえてきそうだ。
その要望に答え、ウィルを撫でる。
「よしよし、よくやったな!」
「ウォンウォン!」
さて、これでウィルの力も見れたし、実戦練習も出来た。
だけど、まだ物足りないのでもうしばらく狩りを続けることにした。
その後、何体かオークを倒していると、15体ほどのオークの集落を見つけ、魔法とウィルの力で簡単に倒せた。
もう、この時点でオークは敵ではなくなっていた。
最初は速さだけを強化する。
「加速!」
この魔力量だとスピードは時速60kmぐらいだろう。
オーク目掛け駆けると同時に時速60kmのスピードが出る。
そのスピードのまま、オークの心臓目掛け剣を突き刺した。
「ブギィ?」
突き刺す瞬間、オークはこちらに気づいたが時すでに遅く、剣は心臓を突き刺していた。
剣を抜くとそこから血が吹き出した。
「おーすごいな。簡単にオークの皮膚を貫けた。」
強化魔法無しで戦うと、オークの皮膚の硬さに少し苦戦する。
スピードは力だ。
力=質量×速度。
もし自動車に跳ねられるとしたら、スピードが出ている方が死ぬ可能性が高いのは当たり前だ。
なんにしろ、スピードが速ければ速いほど力もあがると言うものだ。
しかし、スピードを活かせる攻撃は突き以外にはない。
斬ろうとしても、そのスピードに腕力が追い付かず、振り遅れてしまうのだ。
だから、スピードを上げるだけの魔法では攻撃バリエーションが少ない。
雑魚相手なら、1体を突き刺し殺したあと、すぐに他の敵の後ろに回り込み殺しとそれを続ければ良いだけだろう。
ただし強者と戦う場合はそれだけでは勝てない。
また、これ以上スピードを上げた場合、他の部分も強化しないと、体がスピードに耐えられず、まともに突き刺すこともできない。
一部を強化するなら他の場所も一緒に強化しないと、力を100%引き出すことはできないのだ。
例えばスピードを上げた場合、腕力、皮膚――スピードによって掛かる体の負担から守るため、目――動体視力、などを強化しないと本来の力を発揮できない。
なら、最初から全部強化すればいいと思うかもしれないが、全部を強化した場合魔力消費が大きくなる。
戦闘は必ずしも短時間で終わる訳じゃないし。
場合によっては何時間も戦わないといけないこともある。
その時に、ずっと身体の全部を強化していたら、魔力が尽きるのも早くなる。
だから、魔力を節約するのは戦闘において重要だと俺は考えている。
――オークの死体を魔法のバックに入れる。
「よし、ウィル次行こう。次は複数体見つけてくれ。」
「ウォン!」
6分後、歩いている3体のオークを見つけた。
「身体強化フィジカルブースト」
次は、スピードの他に腕力、目、皮膚を強化する。
込めた魔力は時速120kmぐらいだ。
後ろから不意討ちで殺しても意味がないので、正面から堂々と行く。
「ブギィーーー!」
俺に気づいたオークたちは、俺目掛け走ってくる。
俺も一歩目を踏み出すと、オークの後ろをとる。
「ブギィ?」
オークはいきなり消えた俺に驚いている。
そのまま後ろから斬り殺し、オークが後ろにいる俺の存在に気づく前に3体とも殺した。
「簡単だったな。」
ほんの1週間前まで苦戦していたオークを簡単に殺すことが出来る。
その成長に自分自身嬉しかった。
オークの死体を魔法のバックに入れ次に行く。
「次は雷魔法だな。ウィル今度はお前も戦って貰うからな!」
「ウォンウォン!」
「よし、次は2体探してくれ。」
10分後2体のオークを見つけた。
「ウィルは右の奴をやってくれ。」
「ウォン。」
オークの正面から行く。
オークは俺達を見るや否や襲いかかってきた。
「サンダーショット」
指先から小さな電気の塊を左のオークに放つ。
「ブギィ?」
ゆっくりと進むその塊をオークは走るのをやめ不思議そうに眺めていた。
その塊がオークに当たると、雷にでも打たれたかのように倒れた。
さっきのサンダーショットは敢えてゆっくりとしたスピードで放った。
これは高圧の電気をギュッと固めたものだ。
一見弱そうに見える魔法だが、その威力は半端じゃない。
大抵の生物は死ぬだろう。
「ブギィーーーー!」
仲間を殺されたオークは怒り狂う。
もう1体はウィルに任せてある。
本当に危なくなったら助けにはいるつもりだ。
オークはこん棒をウィル目掛け振り下ろす。
それをウィルは容易く避け、こん棒を持っている方の腕に噛みつくも、皮膚が硬く対したダメージは与えられない。
オークは反対側の手でウィルを殴ろうとするも、ウィルはそれを見て腕を離す。
「ブギィ!ブギィ!ブギィーー!」
それからこん棒を振り回すも、ウィルには一向に当たらない。
そんな状況に段々と苛立ってきている。
遂に堪えきれなくなり、苛立ちを込めるように大きく振りかぶり、こん棒を振り下ろそうとしていた。
そんな大きな隙をウィルが見逃すハズもなく、振り下ろした瞬間に避け首筋を噛み切った。
「ギィーーーー!」
急所をやられたオークは狂ったように叫ぶ。
ウィルは止めを刺すかのようにもう一度首筋を噛みきった。
「……ウィル……強いな。」
俺が想像していたよりもウィルは強かった。
オークの攻撃を避けていたときも、敢えて避けているようだった。
むしろ楽しんでいるかのように見えた。
つまり、ウィルはいつでもオークを殺せた訳で、さっきの攻防はウィルに言わせれば遊んでいただけなのだろう。
子狼の頃から面倒見てたから、強いイメージは全くなかったのだが……
「ウォン!」
ウィルは尻尾を振りながら俺のもとまで来た。
「ほめてほめて」と言う声が聞こえてきそうだ。
その要望に答え、ウィルを撫でる。
「よしよし、よくやったな!」
「ウォンウォン!」
さて、これでウィルの力も見れたし、実戦練習も出来た。
だけど、まだ物足りないのでもうしばらく狩りを続けることにした。
その後、何体かオークを倒していると、15体ほどのオークの集落を見つけ、魔法とウィルの力で簡単に倒せた。
もう、この時点でオークは敵ではなくなっていた。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる