迷宮の鏡の中で

エアー父ちゃん

文字の大きさ
4 / 4

虚無

しおりを挟む

第四話 「虚無」

序章:鏡が現れる時

冬の夕暮れ。
赤く染まった空は、まるで何かを映している鏡のように、どこか他人の記憶の色をしていた。

風が吹く。
枝が揺れる。
音がないのに、何かが割れるような気がした。

猫はそこにいた。
泥にまみれ、血の匂いをまとい、ひとつの小さな命として、ただ、何かを待っていた。

それは「助け」だったのかもしれない。
あるいは「終わり」だったのかもしれない。
いや、そのどちらでもなかったのかもしれない。

視界の向こうに、三つの影。
ひとりは、温もりの匂いを纏って立っていた。
ひとりは、冷たく沈黙して見つめていた。
ひとりは、空気のように笑っていた。

その目、その匂い、その距離感。
すべてが、少しずつ違っていた。
だが、どれもが――すでに選んでしまった目に見えた。

猫は歩こうとした。
足は動かない。
目だけが、すべてを見ていた。

そして、何かが裂けた。

地面が、現実が、沈黙が。
そして、鏡が――

「未来を見せてやる」

その声は、外からではなく内から響いた。
それは、声ではなかった。問いだった。
だが、問いの意味すらわからなかった。

私たちは、まだ「私たち」ではなかった。
けれどすでに、そうであった気もする。

少女たちの影と、猫のまなざし。
そして、鏡の光だけが、
静かに、始まりと終わりを照らしていた。

「やさしさは呪い。沈黙は刃。完璧さは仮面。
――そして、選ばなかった私たちは…もう誰でもなかった。」

誰の言葉だったのか。
最初から、すべてが終わっていたのかもしれない。

鏡が現れる時、
問いは亡霊になる。

第一章:虚構の足音

世界は静かすぎた。
それは、猫の視点から見た「教室」の印象だった。
光はあるのに、温度がなかった。
人の声がするのに、それが言葉として届かなかった。

「ここは未来」
誰かがそう囁いた気がした。
それが誰の声だったかは、もう覚えていない。


少女――麻衣。

彼女はまばゆい光の中に立っていた。
笑っていた。話していた。誰かの名前を呼んでいた。
「優しくて」「明るくて」「皆に好かれる」少女。
それが彼女に貼られた名前のようだった。

けれど猫には見えた。
その瞳の奥にある、鋭い何かが。
音のない悲鳴のような、それでいて冷たい光のような。

そして、もう一人の麻衣がいた。

教室の隅。
誰にも見えない場所で、膝を抱えて泣いている少女。
彼女は麻衣だった。
けれど、誰にもそれは分からない。
それが「本当」かどうかも、もう誰も問わなかった。


「完璧であることを選んだ。
でも、それは誰かの真実を殺す選択でもあったのよ」

それは鏡の中の麻衣が言った言葉だった。
だが、猫にはそれが誰の声か、わからなかった。
麻衣自身が言ったのか。
誰かが彼女の中に投げつけたのか。
それとも――猫自身の中から響いたのか。

私、は、
わたし、たち、は、
わたしたち、は……

思考がにじむ。
言葉が分裂する。
誰が「私」で、誰が「彼女」で、誰が「見ている者」なのかが、少しずつ曖昧になっていく。


猫の視点。

教室の匂い。人工的な香料と消毒液。
麻衣の匂いは――ひどく整っていて、怖かった。
それは「死の匂い」に似ていた。

猫は教室の外から見ていた。
けれど、その距離が、次第に曖昧になっていった。
教室の外とはどこか。中とは何か。
猫自身がどこにいるのか、わからなくなる。


鏡が再び、ゆらいだ。

猫の目に映るのは「三つの未来」。
そのひとつに、麻衣がいた。
助ける未来。
助けない未来。
どちらでもない、すべてが重なった未来。


「私は誰のために笑っているの?」

誰かが問いかけた。
それは「私」だったかもしれない。
それとも、「麻衣」だったのかもしれない。

教室の床に、微かな亀裂が走った。
それを誰も気づかない。
猫だけが、静かに耳を伏せた。


未来は静かに、崩れていく音を立てていた。


第二章:沈黙の刃

沈黙は、優しさだと思っていた。
言葉を発さず、何も壊さず、ただ見守ること。
それが一番の「無害」であり、一番の「善」だと――
詩織は、そう信じていた。


教室。夕暮れ。
麻衣が笑い、誰かが泣き、他の誰かが立ち尽くしている。
その中心から一歩離れた場所に、詩織はいた。

何も言わない。何も選ばない。

けれど、猫には見えた。
彼女の沈黙の中に潜む、刃のような冷たさ。


「助けなかったことが、いちばん残酷だったかもしれない。」

その声が誰のものか、詩織は知らない。
けれど、その言葉は確かに心の奥に触れていた。
震えはなかった。痛みもなかった。
ただ、胸の奥に「空白」が生まれた。


猫の視点。

詩織は、見えなかった。
輪郭はあるのに、匂いも、音もない。
まるで空気のような存在。
そこに「いる」はずなのに、なぜか「いない」と感じる。

猫は彼女を見つめた。
けれど、それは「見る」ことではなかった。
どこを見ても、彼女の中心には沈黙しかなかった。


「わたしは、悪くない。」

詩織は心の中でそう呟いた。
声には出さない。
そのかわり、沈黙を選ぶ。

沈黙はやさしさだ。
沈黙は守るためだ。
沈黙は、ただ、沈黙するためのものだ。

でも――

「わたしたち」ができあがっていく。


麻衣の思考が、どこかで混じる。
「正しくなければ、意味がない」
莉子の迷いが、影のように忍び寄る。
「助けるって、ほんとうに…?」
そして詩織の沈黙は、それらの断片を飲み込んでいく。


猫は気づいた。

この世界では、
「選ばない」ということが、最も強い選択になっていた。


鏡がまた、きしんだ。
未来が、またひとつ揺らいだ。

助ける未来――そこには壊れる「麻衣」がいた。
助けない未来――そこには凍りついた「詩織」がいた。
そのどちらにも「やさしさの呪い」は張りついていた。

だが、それらすべてが混じるとき、
言葉はもう通じなくなる。
思考は「私たち」に溶けていく。


猫は耳を伏せた。
そして、もういちど、詩織を見た。

彼女は、目を閉じていた。
なにも見ようとせず。
なにも壊したくなかったのだ。

だけどその沈黙が、
「わたしたち」を最も強く傷つけていたことに、彼女はまだ気づかない。


未来の裂け目に、詩織の影が落ちていた。
それは、静かな死の気配に似ていた。


第三章:やさしさの呪い

やさしさは、正しいと思っていた。
だから、助けた。
それが“良いこと”だと、信じたかった。
けれど――

「助けたからこそ、壊れてしまう未来がある」
そんな言葉が、鏡の向こうから微かに響いてきた。


莉子は手を差し出した。
その掌の中に、猫の小さな身体が収まる。
温かくて、震えていて、それでも――
怖くてたまらなかった。

助けること。
それが本当に「救い」になるのか、わからなかった。


猫は莉子の匂いを知っていた。
あの日、公園のベンチの下で、
凍える風の中で、唯一、こちらを見た目をしていた少女。

やさしい目。
でも、どこか怯えていた。
その手は、誰かに許されたいように震えていた。


「やさしさって、ほんとうに……強いの?」

莉子の問いは、誰にも届かない。
鏡の中の自分が、何かを呟いていた。
だが、言葉は濁り、意識は混線していく。


「助けなければ、後悔する。」
「でも、助けたら……その子はずっと、私の中に住むのかもしれない。」

莉子の声が、内側で何重にも反響した。
それは「私」の声だったはずが、
いつしか、「わたし」たちの声に変わっていた。

麻衣の正義、詩織の沈黙、そして――
莉子のやさしさは、ひとつの器に溶け出していく。


猫は感じていた。
やさしい手が、鉄のように重くなる瞬間を。
それは、あたたかい呪いだった。

逃げ出したかった。
でも、逃げたら、あの少女は泣いてしまう。

助けても、泣くかもしれない。
どのみち、涙の未来しかないのなら

「助けた私」は、永遠にあの日の手を忘れられない。
「助けられた私」は、永遠にあの視線を背負い続ける。

鏡の中で、もう一つの未来が裂けた。

助けなかった未来――
莉子の手は差し出されず、猫は静かに消えていた。
その背中を、誰も追わない。
でもそこには、確かに「平穏」があった。

助けた未来――
莉子の手は猫を抱えた。
けれど、それ以降、彼女の夢の中に猫の鳴き声が響き続けた。
助けられた命が、罪のように重くのしかかった。

そして――
両方が混じる未来。

助けたのに、救えなかった。
助けなかったのに、後悔が残った。
やさしさが呪いとなり、
やさしさが、やさしさを壊していく。


猫の目に、莉子の顔が映った。
歪んで、滲んで、壊れそうだった。

やさしさを信じた少女が、
誰よりも深い後悔の迷宮に堕ちていく。


そしてその中心で、「わたし」は囁く。
「やさしさは呪いだよ。あなたがそれを選んだんだよ。」

莉子の「私」は、その声を否定できなかった。
そして、彼女もまた――
「私たち」へと、変わっていった。


第四章:迷宮の中心

「私たちは、いつから“私たち”になったのだろう。」

麻衣の声に似た響きが、鏡の向こうから囁く。
それは莉子の問いかけにも聞こえ、
詩織の沈黙にもよく似ていた。

混濁する思考、交差する記憶、侵食する意識。
もう、誰がどの“私”だったのか、わからない。


鏡の中に広がるのは、終わらなかった無数の未来。
助けた、助けなかった、黙っていた、叫んだ、逃げた、抱きしめた。
どの選択も、結果を持っていた。
だが、すべての結果が――痛みだった。


猫の視点。

かつて、3人だったものが、
今はもう、一つの影に溶けはじめている。

声が、混じっている。
目の奥の光が、同じ色になっていく。
爪痕のような「わたし」の記憶が、擦れあって融ける。

猫は迷宮の外からそれを見つめる。
この世界で唯一、
「私たち」でない者として。


莉子のやさしさは、麻衣の正義にすり替わる。
詩織の沈黙は、莉子の恐怖と重なる。
麻衣の笑顔は、詩織の拒絶に溶けていく。
どこからが他人で、どこまでが自分だったのか――

誰も、もう答えられない。


私たちは、どの未来を選んだ?
鏡の中には、再び3つの光景が映る。

① 助けた(助けられた)未来。
誰かが命を救い、誰かが壊れた。
記憶は呪いとなり、夜ごとに過去を繰り返す。

② 助けなかった(助けられなかった)未来。
命は失われ、沈黙だけが残った。
誰も責めず、誰も責められず、ただ心の奥に影が残った。

③ カオス的未来。
助けたはずが、誰も救われず。
助けなかったはずが、何かが生き残った。
やさしさも、冷たさも、正しさも、すべてが混じり合い――
未来そのものが崩壊していく。


猫はつぶやく。
「これが、現実だ。」

助けた未来も。
助けなかった未来も。
どちらが良かったかなんて、もう意味はない。

すべては鏡の中で腐りはじめ、
そして、融合し――

「わたしたち」という怪物を生んだ。


少女たちはもう、「名前」を持っていない。
麻衣、詩織、莉子――
その名は遠く、ぼやけて、混じって、消えていく。

代わりに残るのは、ただ一つの存在。
“私たち”

助けたい。
助けられたい。
何もしなければよかった。
正しくあればよかった。
間違わなければよかった。
誰も悪くなければよかった。

その願いが、願いのまま溶け合い、
一つの巨大な迷宮となった。


鏡の中心で、猫は立ち止まる。
その瞳に映る「私たち」は、
顔がない。
声もない。
ただ、叫びが響いている。

「これは真理だ」
「これが現実だ」
「私たちが選んだ未来だ」


少女たちは、もう戻れない。
どの選択肢も、未来も、希望も、
カオスとともに崩れた。

迷宮の中心にいるのは――
誰でもなく、誰でもある「わたしたち」。
そして、その傍らに座り続ける、猫

終章「カオスの果て」

迷宮の中心には、もう何も残っていなかった。
かつて少女たちが選んだ無数の道が、今はすべて溶け合い、ひとつの巨大な、暗い塊となっていた。
選択の痕跡は消え、ただ一つの絶望だけが広がっている。

猫は、そこに立ち尽くしていた。
その瞳の中に映るものは、もはや何も見えなかった。
すべてのものが崩れ去り、歪み、もう元の姿を取り戻すことはない。

「これは、何もかもが選ばなかった未来だ。」
その声は、誰のものでもない。
それはただ、存在し続けるための言葉だった。

もう、何も選ばないことが、最も深い選択となった。
助けも、助けないことも、正しさも、間違いも、すべてがひとつの渦となり、崩壊し、消え去った。

そして、ただひとつの現実が立ち上がる。

それは、何もなかった世界だった。

猫の目の前には、空白のような広がりが広がっている。
何もない。
誰もいない。
もはや、かつての少女たちの影も、名も、姿も、声も、すべて消え去った。

「私たち」が選んだのは、何もない未来だった。
そしてその「何もない未来」こそが、最も過酷な現実となった。

「私たち」とは、もはや何者でもない存在。
ただ、鏡の中で響く絶え間ない叫びだけが、空虚な世界に響き渡る。

世界は崩壊し、夢も現実も、すべてが混じり合って、無意味に消え去った。

猫は、ただ静かに立ち尽くす。その瞳の中に映るのは、ただの「虚無」。

「終わりも、始まりも、何もない。」

それが、「私たち」が選んだ結末だった。
そして、それが現実の果て、カオスの果てだった。

全てが終わりを迎えたとき、猫はひとり、静かに消えていった。

その後、鏡の中には何も映らなかった。ただ、ひたすらに静かな闇が広がるのみだった。

そして、物語は――
終わった。

エピローグ:虚無の亡霊

鏡はもう砕けていた。
だが破片は、まだ何かを映し続けていた。


I. 助けた未来

 手が伸びる。
 温もり。震え。
 「だいじょうぶ、わたしが――」

 その声は途切れた。猫はすでに動かなかった。

 笑顔だけが残された。
 それは、死者を抱く神の顔のようだった。


II. 助けなかった未来

 雪が降る。
 黙ったままの三人。
 誰かが泣いている――誰だろう?

 「見ていなかった」と言いながら、
 最初から、見えていなかったのかもしれない。


III. カオスの未来

 笑う声が泣いている。
 助けた手が、拒んでいる。
 「わたし」が「あなた」を名乗る。
 猫が人になる。少女が猫になる。
 言葉が重なり、名前が融けていく。

「助けた。助けられた。助けなかった。助けられなかった。助けたくなかった。助けても意味がなかった。」

 選択肢が肥大し、選択の意味が崩壊していく。


鏡の中心には**「私たち」**がいた。
いや、「誰か」だったものたちが溶け合った残骸。
言葉の残滓。問いの断片。願いと呪いの混線体。

「正しさなんてどこにもないのに、なぜ探し続けたの?」

「あれは私の手だったの? それとも、あなたの手だったの?」

「赦すって、なに? 赦さないって、だれ?」


猫だったものが見ていた。
もう視界はない。
ただ、「問い」のみが、視覚の代わりになっていた。

「私は誰を見ていた?」
「私は何に傷ついた?」
「私は――本当に、生きたの?」


鏡の破片が、それぞれ別の未来を映していた。
すべてが真実だった。すべてが嘘だった。
そして、それが現実だった。


「虚無」とは、何もないことではない。

「虚無」とは、
すべてが在ったことの証であり、
すべてが意味を持たなくなるという
終わりの形式だった。


朝が来た。
だが、誰も目覚めなかった。
世界は、壊れた問いのまま、静かに回転していた。


しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

雪の日に

藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。 親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。 大学卒業を控えた冬。 私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ―― ※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」

歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。 「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは 泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析 能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り 続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。 婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」

処理中です...