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第1章
125話 世襲貴族共の危機的状況
「クソっ!リサギルド支部長め、完全に拒否しおって!!」
「まったくもって世の中が見えておらぬ女だな!」
「さようであるな!」
複数の男性が集まって怒りを漏らす。彼らは全員世襲貴族家の当主である、彼らの怒りの原因は金を貸していた家々が皆潰れてしまう寸前という状況にあった。
彼らは様々な家に金を貸し付けておりそれを通じて命令を出していた。都合のいい相手を助け都合の悪い相手を潰したり等、典型的な貴族であった。
しかし、貸し付けた家々が返済が滞り始めてしまう。世襲貴族は圧倒的多数が年金頼りでありそれを超えるような金は払えない。しかし、彼らはそれを越えて貸し付けたのだ。
役職がない彼らはどうしたものかと考えることになるのだが、
『領地がないなら奪えばいい』
そう囁いた。
世襲貴族の暮らしが貧しいのはひとえに役職を与えず領地を制限する冒険者ギルドのせいであり我らに咎はない、そう信じた。信じるしかないと思いこんだ。
多額の出資をして兵を集めた、冒険者ギルドのとの協定を無視して兵を集めればそれ相応の罰を受けることになるかもしれないが領地を実効支配してしまえば問題ないと高をくくった。
命令を出してライク家の領地に侵攻を進める貴族軍、しょせん豪農程度、しかも分家を煽り内乱状態だ。これは勝てる、間違いないと全員がそう思った。
しかし、
「報告します。ライク家に進軍した貴族軍は壊滅しました」
伝令役が意味不明な報告をしてきた。
八百人もいた貴族軍が壊滅?かいめつカイメツ壊滅、壊滅だと!!そんな馬鹿な、ライク家が集めた冒険者は二百人程度なはずだ。四倍の戦力がありながら壊滅だと。
ありえない報告に狼狽える。
いや、壊滅したというが貴族らに対する配慮はあるだろう。捕虜になったのではあるまい。壊滅ではなく逃亡だと思うことにした。
さらに報告を聞いて絶望した。
ビーク男爵を筆頭として当主跡取り家臣らの大多数が戦死したと、生き残りは半数以下となり捕虜となってしまった。
『冒険者ギルドから派遣された冒険者らは貴族法を無視したのか!』
貴族法では高貴な身分を持つ者は丁重に取り扱う決まりがある、なのに冒険者らはそれを無視して皆殺しにしたのだ。
これは一刻も早く冒険者ギルドの罪を問わなければならない、そう考えてユーラベルクに複数の貴族と向かう。
そして、リサギルド支部長に問い詰めるが。
「何の罪もないライク家の領地に八百名もの軍勢で一方的に侵略しておきながら我らに罪があるとは!戯言はいい加減にしなさい」
怒りを含んだ反論をされる。
「冒険者ギルドと国が交わした契約ではそのような軍勢を勝手に集めたり大義名分の無い他の領地への移動は禁止されております。今回はどのような火急の意味があったのでしょうか」
「そ、それは……その……」
金に困窮していた、役職が欲しかった、領地が欲しかった。
そのようなことを言い出せばその時点で交渉決裂だ。
「と、とにかく!貴族らを皆殺しにした冒険者らは戦犯だ!身柄をこちらに引き渡してもらう」
我らは何とか反論する。
「戦犯?戦犯ですか、どう考えても順序が逆だと思いますが」
戦犯は侵略した貴族軍であると明言される。
「ライク家に一体何の要件で八百名もの貴族軍を移動させたのか、その行動の目的を教えてもらえますでしょうか」
「そんなものを教える意味はない!」
「それでしたら侵略軍ということで片づけますが」
「貴族としていざというときに戦うための軍事訓練は欠かせないものである!」
「あの辺り一帯は農地しかないのにどのような演習をするおつもりですか」
あくまで正論で攻めてくるリサギルド支部長。クソっ、忌々しい女め。
あれだけの軍勢を整えるために相当な額の金が出ていったのだ、それを一刻も早く回収しなければわが家が傾いてしまう。壊滅した貴族家が無くなってしまっては回収が不可能になるのだから。
それならば、冒険者ギルドに罪があるとして回収しようとも考えたがあくまでも罪があるのは貴族軍だと一点張りの冒険者ギルド。
このままでは大金が泡と消えてしまう。
あれやこれやと言うが何の反応もないことにイラついていると。
「失礼するよ」
なんと、大貴族のジーグルト伯爵家当主ベルンがやってきた。
どういう理由があるかは分からないが同じ世襲貴族同士、言いくるめれば味方をしてくれるはず。我らはひたすらに冒険者ギルドに貴族らを殺した罪を問え、そう言うのだが。
「概要を聞いた限りでは冒険者ギルドには何の罪もないな。どう見ても悪いのは侵略した貴族軍であり冒険者らはそれを撃退しただけだ」
『そ、そんな!』
「そもそも八百名も集めてなぜライク家の領地に侵攻したのか、その理由が分からぬ。あの辺り一帯は開発された農地であり軍事演習などすれば土地が荒れてしまうであろう。どう考えても『侵略行為』としか考えられない」
一体だれが考えたのか知らぬが愚かなことをしたと、その一言だけ。
クソっ、伯爵め!大貴族だから余裕がるのだろうが我ら下級貴族の生活は苦しいのだ、それを分からず金を貸そうとしないくせに。
怒りを覚えるが伯爵に対して無礼を働けば即座に首が飛んでしまう。だから黙るしかない。
結局冒険者ギルドとの話し合いは不首尾に終わった。
「クソっ!クソクソクソ、冒険者ギルドのリサめ!伯爵を味方につけていい気になりおって!!」
「まったくもって不愉快だ!たかが職業貴族のくせして伯爵と懇意とは!」
「今はそのようなことを気にしている場合ではない。一刻も早く金を回収しなければ!」
そうだ。滅ぼされた貴族家に貸し付けた金の回収の方が先だ。だが、当主以下大勢の人間が死んでいて回収しようにも責任者がいない。
今取り立てれば違法性があるとして冒険者ギルドから相当な罰を食らうし他の貴族共も嫌がるだろう。完全に手詰まりなのだ。
冒険者ギルドは今回の侵攻に対して「賠償金を払え」として他の貴族家の背後関係を調査して関係者の洗い出しを開始している。我らが背後から援助し侵攻しろと命じたことがバレたら間違いなく家を潰される。
金の回収どころか我らの家が潰されるかもしれない瀬戸際なのだ。
何とかこの状況から逃げ出さなければならない。
「役に立つかどうか分からないが……」
何でも、王国認定の勇者で世襲貴族が率いる集団がユーラベルクに滞在してるそうだ。
「(そうだ!こいつらを使い金を回収させよう。どうせ同じ穴の狢なのだから)」
我らはこいつらを使い無理矢理滅ぼされた貴族家から金の回収をさせることにした。どうせ馬鹿なので事実を教える必要はない。汚れ役をやってもらおうか。
金を回収し終えるまでこいつらには悪役をやってもらう。罪が明確化したら我らが法に則って罰を与えてしまえばいい。
そうして、ジークムントらに魔の手が近づいていた。
あくまで自分らに都合のいい部分しか見ない輩の結託、それがどうなるかなど簡単に予想がつく。駒として使われる勇者と悪い打算しかない世襲貴族共。
身内が大量に死亡している状態であるにもかかわらず金の取り立てを受ける世襲貴族らも同類だが彼らの欲はあくまで現実に向いている。それが善か悪かなど関係ない。今は今という火急の事態なのだ。たとえそれがどれだけの罪であるとしても金がなければ何も始まらない。金さえあればどうとでも逃げられると。
結局のところ金に関わる争いは醜いということだ。
それを、冒険者ギルドが望んでいた展開だとも知らずに。
「まったくもって世の中が見えておらぬ女だな!」
「さようであるな!」
複数の男性が集まって怒りを漏らす。彼らは全員世襲貴族家の当主である、彼らの怒りの原因は金を貸していた家々が皆潰れてしまう寸前という状況にあった。
彼らは様々な家に金を貸し付けておりそれを通じて命令を出していた。都合のいい相手を助け都合の悪い相手を潰したり等、典型的な貴族であった。
しかし、貸し付けた家々が返済が滞り始めてしまう。世襲貴族は圧倒的多数が年金頼りでありそれを超えるような金は払えない。しかし、彼らはそれを越えて貸し付けたのだ。
役職がない彼らはどうしたものかと考えることになるのだが、
『領地がないなら奪えばいい』
そう囁いた。
世襲貴族の暮らしが貧しいのはひとえに役職を与えず領地を制限する冒険者ギルドのせいであり我らに咎はない、そう信じた。信じるしかないと思いこんだ。
多額の出資をして兵を集めた、冒険者ギルドのとの協定を無視して兵を集めればそれ相応の罰を受けることになるかもしれないが領地を実効支配してしまえば問題ないと高をくくった。
命令を出してライク家の領地に侵攻を進める貴族軍、しょせん豪農程度、しかも分家を煽り内乱状態だ。これは勝てる、間違いないと全員がそう思った。
しかし、
「報告します。ライク家に進軍した貴族軍は壊滅しました」
伝令役が意味不明な報告をしてきた。
八百人もいた貴族軍が壊滅?かいめつカイメツ壊滅、壊滅だと!!そんな馬鹿な、ライク家が集めた冒険者は二百人程度なはずだ。四倍の戦力がありながら壊滅だと。
ありえない報告に狼狽える。
いや、壊滅したというが貴族らに対する配慮はあるだろう。捕虜になったのではあるまい。壊滅ではなく逃亡だと思うことにした。
さらに報告を聞いて絶望した。
ビーク男爵を筆頭として当主跡取り家臣らの大多数が戦死したと、生き残りは半数以下となり捕虜となってしまった。
『冒険者ギルドから派遣された冒険者らは貴族法を無視したのか!』
貴族法では高貴な身分を持つ者は丁重に取り扱う決まりがある、なのに冒険者らはそれを無視して皆殺しにしたのだ。
これは一刻も早く冒険者ギルドの罪を問わなければならない、そう考えてユーラベルクに複数の貴族と向かう。
そして、リサギルド支部長に問い詰めるが。
「何の罪もないライク家の領地に八百名もの軍勢で一方的に侵略しておきながら我らに罪があるとは!戯言はいい加減にしなさい」
怒りを含んだ反論をされる。
「冒険者ギルドと国が交わした契約ではそのような軍勢を勝手に集めたり大義名分の無い他の領地への移動は禁止されております。今回はどのような火急の意味があったのでしょうか」
「そ、それは……その……」
金に困窮していた、役職が欲しかった、領地が欲しかった。
そのようなことを言い出せばその時点で交渉決裂だ。
「と、とにかく!貴族らを皆殺しにした冒険者らは戦犯だ!身柄をこちらに引き渡してもらう」
我らは何とか反論する。
「戦犯?戦犯ですか、どう考えても順序が逆だと思いますが」
戦犯は侵略した貴族軍であると明言される。
「ライク家に一体何の要件で八百名もの貴族軍を移動させたのか、その行動の目的を教えてもらえますでしょうか」
「そんなものを教える意味はない!」
「それでしたら侵略軍ということで片づけますが」
「貴族としていざというときに戦うための軍事訓練は欠かせないものである!」
「あの辺り一帯は農地しかないのにどのような演習をするおつもりですか」
あくまで正論で攻めてくるリサギルド支部長。クソっ、忌々しい女め。
あれだけの軍勢を整えるために相当な額の金が出ていったのだ、それを一刻も早く回収しなければわが家が傾いてしまう。壊滅した貴族家が無くなってしまっては回収が不可能になるのだから。
それならば、冒険者ギルドに罪があるとして回収しようとも考えたがあくまでも罪があるのは貴族軍だと一点張りの冒険者ギルド。
このままでは大金が泡と消えてしまう。
あれやこれやと言うが何の反応もないことにイラついていると。
「失礼するよ」
なんと、大貴族のジーグルト伯爵家当主ベルンがやってきた。
どういう理由があるかは分からないが同じ世襲貴族同士、言いくるめれば味方をしてくれるはず。我らはひたすらに冒険者ギルドに貴族らを殺した罪を問え、そう言うのだが。
「概要を聞いた限りでは冒険者ギルドには何の罪もないな。どう見ても悪いのは侵略した貴族軍であり冒険者らはそれを撃退しただけだ」
『そ、そんな!』
「そもそも八百名も集めてなぜライク家の領地に侵攻したのか、その理由が分からぬ。あの辺り一帯は開発された農地であり軍事演習などすれば土地が荒れてしまうであろう。どう考えても『侵略行為』としか考えられない」
一体だれが考えたのか知らぬが愚かなことをしたと、その一言だけ。
クソっ、伯爵め!大貴族だから余裕がるのだろうが我ら下級貴族の生活は苦しいのだ、それを分からず金を貸そうとしないくせに。
怒りを覚えるが伯爵に対して無礼を働けば即座に首が飛んでしまう。だから黙るしかない。
結局冒険者ギルドとの話し合いは不首尾に終わった。
「クソっ!クソクソクソ、冒険者ギルドのリサめ!伯爵を味方につけていい気になりおって!!」
「まったくもって不愉快だ!たかが職業貴族のくせして伯爵と懇意とは!」
「今はそのようなことを気にしている場合ではない。一刻も早く金を回収しなければ!」
そうだ。滅ぼされた貴族家に貸し付けた金の回収の方が先だ。だが、当主以下大勢の人間が死んでいて回収しようにも責任者がいない。
今取り立てれば違法性があるとして冒険者ギルドから相当な罰を食らうし他の貴族共も嫌がるだろう。完全に手詰まりなのだ。
冒険者ギルドは今回の侵攻に対して「賠償金を払え」として他の貴族家の背後関係を調査して関係者の洗い出しを開始している。我らが背後から援助し侵攻しろと命じたことがバレたら間違いなく家を潰される。
金の回収どころか我らの家が潰されるかもしれない瀬戸際なのだ。
何とかこの状況から逃げ出さなければならない。
「役に立つかどうか分からないが……」
何でも、王国認定の勇者で世襲貴族が率いる集団がユーラベルクに滞在してるそうだ。
「(そうだ!こいつらを使い金を回収させよう。どうせ同じ穴の狢なのだから)」
我らはこいつらを使い無理矢理滅ぼされた貴族家から金の回収をさせることにした。どうせ馬鹿なので事実を教える必要はない。汚れ役をやってもらおうか。
金を回収し終えるまでこいつらには悪役をやってもらう。罪が明確化したら我らが法に則って罰を与えてしまえばいい。
そうして、ジークムントらに魔の手が近づいていた。
あくまで自分らに都合のいい部分しか見ない輩の結託、それがどうなるかなど簡単に予想がつく。駒として使われる勇者と悪い打算しかない世襲貴族共。
身内が大量に死亡している状態であるにもかかわらず金の取り立てを受ける世襲貴族らも同類だが彼らの欲はあくまで現実に向いている。それが善か悪かなど関係ない。今は今という火急の事態なのだ。たとえそれがどれだけの罪であるとしても金がなければ何も始まらない。金さえあればどうとでも逃げられると。
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