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第1章
167話 謎の女史からの依頼 Ⅱ
期日までそう時間が無いのでひたすら粘土と格闘する時間が過ぎていく、出来上がったモノを台に乗せて自然乾燥させる。
「トウキというものは粘土層を水と手を使いながら捏ね形を成型していくのですか。実に興味深い」
ミーティアさんも僕に倣い粘土をろくろ台を使い見様見真似で作業を行う。
「固いとも柔らかいともとれない粘土を器にするのは結構技術が要りますね」
「まぁ、こんな子供のお遊びのような作業でも結構技術を要するからね」
さすがに僕のようにはいかず試行錯誤を繰り返しながらも奮闘している。個数が多いから今までのやり方では明らかに数が足りない。
とにかく、素焼きに耐えられなければ本焼きには行けないのだ。残った者ら全員でひたすら作るしかない。
四百ほど出来たぐらいで自然乾燥するのを待つ。乾燥が終わると高台削りをして形を整える
「今のところ土を捏ねて作った器という感じしかしませんが」
「まぁ、待ってよ」
時間が経ち自然乾燥が終わると素焼きに入る。一つ一つ慎重に窯の中に入れていく。入れ終わると入り口を塞いで薪を入れる。
藁に火をつけて薪に移す。
薪は徐々に火の勢いを増していき中を高温にする。薪を足しつつ状態を見て火加減を確かめる。数時間後素焼きが終わった。
「よし!」
今回は大分素焼きに耐えられた数が多かった。素焼きが終わった物を1つずつ取り出して状態をチェックする。
「これで土台ですか。へぇ、なるほどなるほど」
ミーティアさんは慎重に厳正に素焼きが終わったものらを確認していく。
「この段階ではトウキ独特の質感や色合いは出てないのですね」
「そだよ。で、ここからが秘伝」
その後数回素焼きを行い数を揃えたらいよいよ絵付け色付けを行い釉薬掛けを行う。
「私も参加させてもらってよろしいでしょうか」
「人手足りないからね」
色付けは木々の葉っぱ程度しか書けないだろうな。それでもいいか。そうして、絵付け色付けを終わると壺の釉薬に浸ししばし乾燥させる。通常ならば一個一個作りたいが期日が短いので重ねてしまうしかない。
作品を窯の中に入れてしまい火入れ口を粘土でふさぎそこに薪を入れて火をつける。薪に火が入ると細かく切り分けた木炭を徐々に足して約千二百度まで熱する。
「くっ!まさか、こんな高温を使うだなんて!」
ミーティアさんはまるで金属を溶かして固めるかのような状況にとても驚いていた。これほどの高熱を扱う仕事など鍛冶師か溶鉱炉ぐらいだからな。
熱が落ちないように炭を入れながら中の日の様子を確認しつつ本焼きを行う。
「炭が足りない!持ってきて」
「はいっ」
労働者らに指示を出しながらひたすら窯の前に張り付いて火の様子を確認する。その様子をミーティアさんはとても厳しい目で見ていたが気にしている暇はない。
そうして、一日中窯の前で作業をした。
「じゃ、出すよー」
翌日の夕方、熱が冷め落ち着いたので窯の中の作品を取り出すことにした。
「どれどれ……」
入口の粘土を壊し窯の中の煤を取り除きながら作品を慎重に取り扱う。
「(お、数優先なのにうまくいったようだ)」
質ではなく量を優先したので多少ムラはあるが陶器としては申し分のない出来のモノが多数、それを一つ一つ取り出して地面に並べる。
「はぁ~!これがトウキですか。実物を見た時もえもいわれぬ艶めかしい色合いに心惹かれましたが現場を見てから確認すると感慨深いものがありますね」
ミーティアさんは嬉しさ一杯で作品を見ていた。
「まだ煤とかが付いているから布で磨く必要があるけどね」
「是非ともやらせてもらいます」
作品を布で磨く作業を全員で行う。すると、より陶器の質感が現れた。
「こちらの作品はすべて私が責任をもって預かります」
ミーティアさんは魔法のバッグを取り出して出来上がった作品を全て仕舞う。先に主の所まで持っていき品定めをするそうだ。さて、どうなることやら。
ミーティアさんは一旦主の所に戻るが僕にはまだ作品を継続して作る必要がある。
それからしばらくして、
「君たち、誰?」
ミーティアさんは年若い男女を五十人ほど連れて帰ってきた。
「労働者が足りないのでしょう?主に作品を見せたところ増員が必要だと判断されましたので」
『先生!よろしくお願いします!』
「……」
まぁ、いいか。先生と呼ばれることには違和感があるが。労働者が足りないのは事実なので仕方がないか。
一気に増えたので素焼き用の窯と本焼き用の窯を作ってもよさそうだ。幸い、材料には困らないのだから。
「じゃ、、仕事手伝ってね」
『はいっ!』
作品を多く作るにはとにかく窯が必要だ。
長方形に切りそろえた石材を使う。耐熱煉瓦があればいいのだがそこまでの技術はこの異世界には存在しないのでこれで我慢するしかない。窯は最初に作ったよりも大きく作ることにした。
石材を並べておいて粘土で間を埋める、そしてまた上に石材を積む。それを繰り返しながら強度確認しつつ徐々に窯の形が出来ていく。石造りなため送風を行う穴を作るこれが無いと作品が出来ないからだ
火入れ口の一番下に送風のための小さな穴を作っておく。
形が決まったら粘土でしっかりと周りを固める。その後問題が無いかを確認した。
「(ヒビや亀裂はないしこれでいいだろう)」
これで一度に作れる数が増えたが複数の窯を見るのは大変だ。まだ依頼数には届いてないので急ぎ作る必要がある。
そうして、しばらく陶器を制作する時間が来るのだった。
「トウキというものは粘土層を水と手を使いながら捏ね形を成型していくのですか。実に興味深い」
ミーティアさんも僕に倣い粘土をろくろ台を使い見様見真似で作業を行う。
「固いとも柔らかいともとれない粘土を器にするのは結構技術が要りますね」
「まぁ、こんな子供のお遊びのような作業でも結構技術を要するからね」
さすがに僕のようにはいかず試行錯誤を繰り返しながらも奮闘している。個数が多いから今までのやり方では明らかに数が足りない。
とにかく、素焼きに耐えられなければ本焼きには行けないのだ。残った者ら全員でひたすら作るしかない。
四百ほど出来たぐらいで自然乾燥するのを待つ。乾燥が終わると高台削りをして形を整える
「今のところ土を捏ねて作った器という感じしかしませんが」
「まぁ、待ってよ」
時間が経ち自然乾燥が終わると素焼きに入る。一つ一つ慎重に窯の中に入れていく。入れ終わると入り口を塞いで薪を入れる。
藁に火をつけて薪に移す。
薪は徐々に火の勢いを増していき中を高温にする。薪を足しつつ状態を見て火加減を確かめる。数時間後素焼きが終わった。
「よし!」
今回は大分素焼きに耐えられた数が多かった。素焼きが終わった物を1つずつ取り出して状態をチェックする。
「これで土台ですか。へぇ、なるほどなるほど」
ミーティアさんは慎重に厳正に素焼きが終わったものらを確認していく。
「この段階ではトウキ独特の質感や色合いは出てないのですね」
「そだよ。で、ここからが秘伝」
その後数回素焼きを行い数を揃えたらいよいよ絵付け色付けを行い釉薬掛けを行う。
「私も参加させてもらってよろしいでしょうか」
「人手足りないからね」
色付けは木々の葉っぱ程度しか書けないだろうな。それでもいいか。そうして、絵付け色付けを終わると壺の釉薬に浸ししばし乾燥させる。通常ならば一個一個作りたいが期日が短いので重ねてしまうしかない。
作品を窯の中に入れてしまい火入れ口を粘土でふさぎそこに薪を入れて火をつける。薪に火が入ると細かく切り分けた木炭を徐々に足して約千二百度まで熱する。
「くっ!まさか、こんな高温を使うだなんて!」
ミーティアさんはまるで金属を溶かして固めるかのような状況にとても驚いていた。これほどの高熱を扱う仕事など鍛冶師か溶鉱炉ぐらいだからな。
熱が落ちないように炭を入れながら中の日の様子を確認しつつ本焼きを行う。
「炭が足りない!持ってきて」
「はいっ」
労働者らに指示を出しながらひたすら窯の前に張り付いて火の様子を確認する。その様子をミーティアさんはとても厳しい目で見ていたが気にしている暇はない。
そうして、一日中窯の前で作業をした。
「じゃ、出すよー」
翌日の夕方、熱が冷め落ち着いたので窯の中の作品を取り出すことにした。
「どれどれ……」
入口の粘土を壊し窯の中の煤を取り除きながら作品を慎重に取り扱う。
「(お、数優先なのにうまくいったようだ)」
質ではなく量を優先したので多少ムラはあるが陶器としては申し分のない出来のモノが多数、それを一つ一つ取り出して地面に並べる。
「はぁ~!これがトウキですか。実物を見た時もえもいわれぬ艶めかしい色合いに心惹かれましたが現場を見てから確認すると感慨深いものがありますね」
ミーティアさんは嬉しさ一杯で作品を見ていた。
「まだ煤とかが付いているから布で磨く必要があるけどね」
「是非ともやらせてもらいます」
作品を布で磨く作業を全員で行う。すると、より陶器の質感が現れた。
「こちらの作品はすべて私が責任をもって預かります」
ミーティアさんは魔法のバッグを取り出して出来上がった作品を全て仕舞う。先に主の所まで持っていき品定めをするそうだ。さて、どうなることやら。
ミーティアさんは一旦主の所に戻るが僕にはまだ作品を継続して作る必要がある。
それからしばらくして、
「君たち、誰?」
ミーティアさんは年若い男女を五十人ほど連れて帰ってきた。
「労働者が足りないのでしょう?主に作品を見せたところ増員が必要だと判断されましたので」
『先生!よろしくお願いします!』
「……」
まぁ、いいか。先生と呼ばれることには違和感があるが。労働者が足りないのは事実なので仕方がないか。
一気に増えたので素焼き用の窯と本焼き用の窯を作ってもよさそうだ。幸い、材料には困らないのだから。
「じゃ、、仕事手伝ってね」
『はいっ!』
作品を多く作るにはとにかく窯が必要だ。
長方形に切りそろえた石材を使う。耐熱煉瓦があればいいのだがそこまでの技術はこの異世界には存在しないのでこれで我慢するしかない。窯は最初に作ったよりも大きく作ることにした。
石材を並べておいて粘土で間を埋める、そしてまた上に石材を積む。それを繰り返しながら強度確認しつつ徐々に窯の形が出来ていく。石造りなため送風を行う穴を作るこれが無いと作品が出来ないからだ
火入れ口の一番下に送風のための小さな穴を作っておく。
形が決まったら粘土でしっかりと周りを固める。その後問題が無いかを確認した。
「(ヒビや亀裂はないしこれでいいだろう)」
これで一度に作れる数が増えたが複数の窯を見るのは大変だ。まだ依頼数には届いてないので急ぎ作る必要がある。
そうして、しばらく陶器を制作する時間が来るのだった。
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