151 / 154
第1章
205話 基本構築
合同の模擬戦が終わり大まかに兵隊の順位分けが終わった。やはりというか秘めた素質がいかに高かろうが低かろうが適切な訓練を受けなければそれは目覚めることがないということをエルヴィンやアルムで証明することになった。
上中下に分かれるが小規模な隊をいくつか編成することが必要なのでミーティアさんらに頼んで隊の区分けを行ってもらうことにする。正直集まった皆を見たが「ドングリの背比べ」に近くてさして差などない事が分かったからだ。ある程度全員の訓練の度合いは見えたのでスフィア夫人の所から来ている者が多いことを考えてミーティアさんに隊を組んでもらう
で、僕はというと兵隊の最重要項目である『兵站』の構築を行う。どんな精鋭でも水食糧が尽きれば終わりだ。なので食料事情をどうにかするのが大切。米はこの辺りではまだお高いので麦を主食に据えて多少の野菜と肉を購入する。まだ養鶏は数が足りなさすぎるので軌道に乗るまで繁殖一本である。
この異世界ではまだ家畜化ということがされている場所はほぼなく牛や馬ですら数不足なのだ、持ってこられる肉は安肉で臭みと筋が強いことは間違いない。そこら辺は調理技術でどうにかするしかないだろう。
その後、輸送路と馬車の往来の度合い、購入資金を計算しつつ書類を作成した。
しばらくして、ライク家などから支援物資が届いた。
「これがリストです」
シュニ―義姉さんが来てくれた。
「鎌鉈鍬鍬など農具から麦までこちらで見繕いました」
「ありがとうございます」
「いえ、トヨクニ男爵様のお力になれば幸いです」
笑顔なのを見ると上手く商売ができているようだ。
「麦のまま仕入れるのは原価を下げるためですよね」
「ええ」
粉にした方が遥かに高く売れるのだが今現在そこまで資金に余裕はないからだ。申し訳ない気持ちになるがいかんせん新らしく生まれた領地なのでこれは仕方なかった。
「お気になさらず。ライク家に侵略してきた敵を追い返したのですからむしろこちらの方が恩返しするべきですし」
彼女からすると優先的に買ってくれてくれるのだから損などないと。だが、まだ不安があった。
「殺した農夫らの家族はどうなりましたか?」
先の戦で殺した分家や納付らの家族の問題を切り出す。
「それについてはもう済んだことですし」
恨みが無いわけではない、しかし、遅かれ早かれどちらかが出ていくか殺し合いに至るしかなかったと。恨みを言う家族も少なからずいたが麦粉による利益を優先的に分けて時間をかけて話し合えば解決可能なのだそうだ。
「今現在ライク家では麦粉による利益が大きく周囲の豪農を上回るほどになっております」
「そうですか」
改良した水車は立派に仕事をしていて安心できると。麦粉増産に向けて農地の開拓や生産率向上に忙しく過去にかまっている余裕はないそうだ。
「出来ればあの水車と同じものがいくつか欲しいのですが」
あの水車は要の部分を何とかすれば問題なかったが新規に立てるとなると専門の職人を呼ばなくてはならない。長期間故障無しで動く水車など貴族家でも持っていない。僕が技術を教えればどうにかなるが冒険者ギルドから迂闊に発言するなと警告されている。
もう少ししたら時間に少し余裕ができるのでその時に技術を教えることを約束する。そうしてシュニ―義姉さんは帰っていった。
んで、肝心の肉野菜なのだが。
「野菜は各所に虫食い、肉はウルフ肉のみか」
「ユウキ様、こりゃあきついですね」
来ている人間の中で調理担当の者はぼやいた。日数もそれなりにかかり出来る限り安値という条件ならばこうなるのは必然だった。見たくも無い代物だがこれがこの領地の資金の限界という現実が見えてしまう。原石販売の利益はまだ収益化してないので一円も無いからだ。
とにもかくにも、食はすべてに幸福と不幸を与える、ウダウダ言う前にやってから不満を言えばいい。
まず野菜だが虫食いの個所は取り除き乱切りにする、肉は臭み取りのため香草を加え筋を柔らかくするために重曹(重炭酸ナトリウム)を加え煮込むしかない。野菜と肉を一緒に塩味で煮込み魚醤油などを加えて完成。麦は鍋で焚いて麦飯にする。これでメニューは完成。
なお、炊き出しではリフィーアやエリーゼ、エーディンやアリーナたちも加わり一緒にやる。
『お、結構いけるな』
とのことだった。
先の山賊討伐戦で捕虜扱いとした山賊や来ている職業貴族の子弟からするとそれなりに御馳走だった。結構貧乏な家も多いんだよね。現代だと即閉店扱いの料理だがこのぐらいの食事ですらありつけない人も多いという事実はやはり異世界なのだと思うが傲慢極まる貴族らがどんな食事をしているか気になるところだ。
各種のことが終わると書類仕事が待っていた。
「スフィア夫人から書類が来ています」
「どれどれ」
「近々原石の販売会を開きたいそうなので纏まった量が欲しいとのことです」
寄り親だしこれぐらいは当然だな、あとは。
「勇者と対談?」
よくわからない言葉が入っていた。あの勇者らと対談?もうすでに決裂しておりどうしようもないと思うのだが何か考えがあるのだろう。産出された原石を大量に魔法のバッグに入れてエルヴィンらを連れてユーラベルクに戻った。
そして、スフィア伯爵夫人の本屋敷で先に争った馬鹿勇者らと対談になるが。
『『………』』
お互いに殺気だけがあった。
僕はどうとでもよかったが神官のリフィーアや魔術師のエリーゼ、貴族家の子供であるエルヴィンやエーディン、豪農出身のアリーナまで同席させての話し合いだった。なぜここまでするのだろうか?スフィア夫人はいつものニコニコ顔でありどうも意図が読めない。
そうして、対談が始まる。
上中下に分かれるが小規模な隊をいくつか編成することが必要なのでミーティアさんらに頼んで隊の区分けを行ってもらうことにする。正直集まった皆を見たが「ドングリの背比べ」に近くてさして差などない事が分かったからだ。ある程度全員の訓練の度合いは見えたのでスフィア夫人の所から来ている者が多いことを考えてミーティアさんに隊を組んでもらう
で、僕はというと兵隊の最重要項目である『兵站』の構築を行う。どんな精鋭でも水食糧が尽きれば終わりだ。なので食料事情をどうにかするのが大切。米はこの辺りではまだお高いので麦を主食に据えて多少の野菜と肉を購入する。まだ養鶏は数が足りなさすぎるので軌道に乗るまで繁殖一本である。
この異世界ではまだ家畜化ということがされている場所はほぼなく牛や馬ですら数不足なのだ、持ってこられる肉は安肉で臭みと筋が強いことは間違いない。そこら辺は調理技術でどうにかするしかないだろう。
その後、輸送路と馬車の往来の度合い、購入資金を計算しつつ書類を作成した。
しばらくして、ライク家などから支援物資が届いた。
「これがリストです」
シュニ―義姉さんが来てくれた。
「鎌鉈鍬鍬など農具から麦までこちらで見繕いました」
「ありがとうございます」
「いえ、トヨクニ男爵様のお力になれば幸いです」
笑顔なのを見ると上手く商売ができているようだ。
「麦のまま仕入れるのは原価を下げるためですよね」
「ええ」
粉にした方が遥かに高く売れるのだが今現在そこまで資金に余裕はないからだ。申し訳ない気持ちになるがいかんせん新らしく生まれた領地なのでこれは仕方なかった。
「お気になさらず。ライク家に侵略してきた敵を追い返したのですからむしろこちらの方が恩返しするべきですし」
彼女からすると優先的に買ってくれてくれるのだから損などないと。だが、まだ不安があった。
「殺した農夫らの家族はどうなりましたか?」
先の戦で殺した分家や納付らの家族の問題を切り出す。
「それについてはもう済んだことですし」
恨みが無いわけではない、しかし、遅かれ早かれどちらかが出ていくか殺し合いに至るしかなかったと。恨みを言う家族も少なからずいたが麦粉による利益を優先的に分けて時間をかけて話し合えば解決可能なのだそうだ。
「今現在ライク家では麦粉による利益が大きく周囲の豪農を上回るほどになっております」
「そうですか」
改良した水車は立派に仕事をしていて安心できると。麦粉増産に向けて農地の開拓や生産率向上に忙しく過去にかまっている余裕はないそうだ。
「出来ればあの水車と同じものがいくつか欲しいのですが」
あの水車は要の部分を何とかすれば問題なかったが新規に立てるとなると専門の職人を呼ばなくてはならない。長期間故障無しで動く水車など貴族家でも持っていない。僕が技術を教えればどうにかなるが冒険者ギルドから迂闊に発言するなと警告されている。
もう少ししたら時間に少し余裕ができるのでその時に技術を教えることを約束する。そうしてシュニ―義姉さんは帰っていった。
んで、肝心の肉野菜なのだが。
「野菜は各所に虫食い、肉はウルフ肉のみか」
「ユウキ様、こりゃあきついですね」
来ている人間の中で調理担当の者はぼやいた。日数もそれなりにかかり出来る限り安値という条件ならばこうなるのは必然だった。見たくも無い代物だがこれがこの領地の資金の限界という現実が見えてしまう。原石販売の利益はまだ収益化してないので一円も無いからだ。
とにもかくにも、食はすべてに幸福と不幸を与える、ウダウダ言う前にやってから不満を言えばいい。
まず野菜だが虫食いの個所は取り除き乱切りにする、肉は臭み取りのため香草を加え筋を柔らかくするために重曹(重炭酸ナトリウム)を加え煮込むしかない。野菜と肉を一緒に塩味で煮込み魚醤油などを加えて完成。麦は鍋で焚いて麦飯にする。これでメニューは完成。
なお、炊き出しではリフィーアやエリーゼ、エーディンやアリーナたちも加わり一緒にやる。
『お、結構いけるな』
とのことだった。
先の山賊討伐戦で捕虜扱いとした山賊や来ている職業貴族の子弟からするとそれなりに御馳走だった。結構貧乏な家も多いんだよね。現代だと即閉店扱いの料理だがこのぐらいの食事ですらありつけない人も多いという事実はやはり異世界なのだと思うが傲慢極まる貴族らがどんな食事をしているか気になるところだ。
各種のことが終わると書類仕事が待っていた。
「スフィア夫人から書類が来ています」
「どれどれ」
「近々原石の販売会を開きたいそうなので纏まった量が欲しいとのことです」
寄り親だしこれぐらいは当然だな、あとは。
「勇者と対談?」
よくわからない言葉が入っていた。あの勇者らと対談?もうすでに決裂しておりどうしようもないと思うのだが何か考えがあるのだろう。産出された原石を大量に魔法のバッグに入れてエルヴィンらを連れてユーラベルクに戻った。
そして、スフィア伯爵夫人の本屋敷で先に争った馬鹿勇者らと対談になるが。
『『………』』
お互いに殺気だけがあった。
僕はどうとでもよかったが神官のリフィーアや魔術師のエリーゼ、貴族家の子供であるエルヴィンやエーディン、豪農出身のアリーナまで同席させての話し合いだった。なぜここまでするのだろうか?スフィア夫人はいつものニコニコ顔でありどうも意図が読めない。
そうして、対談が始まる。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。