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キャラクリ
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ツンツン、と首筋に何かが当たるのを感じて俺は首を後ろに向ける。
後ろには、ニコリと笑顔を向けた服部が立っていた。
「何かようか?」
教室やさっきのようなクラスメイトがいる状況なら服部と会話するもんなら、羨望と憎悪の視線を俺に向けられるのだが、全員門限の関係でいなくなってしまった。
ので、そんな心配は一つもない。
「キャラクター作りに付き合ってくれてありがとね」
「キャラクターづくりって・・・・?ゲームのキャラクリかなんかかよ」
ゲーム内で聞くような単語に耳を疑う。
「そそ、そんな感じよ。私はみんなから好かれていたいの絶対に」
「誰からも嫌われたくないってことか?」
「そうよ」
服部の言葉を聞いて俺は頭の中で一瞬で回答を出す。
絶対に服部の言葉はかなうことはない。
俺が誰かを苦手と思うように、そんな誰かも俺のことを苦手だったり、嫌っているものもいるだろう。
聖人君子でもない限り、誰からも好かれることはないだろう。
今、この世に生きている人間で聖人君子になれるものはいないだろう。
「何よ、その顔は?私の願いはかなわないって言いたいの?」
「残念だけどな」
「フッ」と俺の否定の言葉を鼻で嘲笑う。
「そんなのやってみないとわかんないじゃない」
確かに正論だ。だけど、敢えて否定しよう。
「無理だろうな」
自分の意見を真っ向から否定されれば誰でも嫌な気持ちになるのは当たり前だ。
とてつもない負のオーラを体に纏わせている。
一瞬、たじろいだが目をそらして彼女の不機嫌な様子を確認しないようにすることで気にはならなくなった。
「まず、俺が___お前に苦手意識を持っているんだから」
服部は何を言われたか分からない顔をしていた。
しかし___直ぐに言葉の意味を理解したようだった。
彼女は俺の嫌悪感丸出しの言葉に食らいついてくる。
「なんでっ!?」
「なんでって言われてもなあ…… 苦手は苦手だしなあ」
そうなのだ。
苦手意識に理由などない。
これが普通だ。
誰だってあるはずなのだ。なんとなく苦手、と感じているやつが。嫌いなものは嫌いだ。
後ろには、ニコリと笑顔を向けた服部が立っていた。
「何かようか?」
教室やさっきのようなクラスメイトがいる状況なら服部と会話するもんなら、羨望と憎悪の視線を俺に向けられるのだが、全員門限の関係でいなくなってしまった。
ので、そんな心配は一つもない。
「キャラクター作りに付き合ってくれてありがとね」
「キャラクターづくりって・・・・?ゲームのキャラクリかなんかかよ」
ゲーム内で聞くような単語に耳を疑う。
「そそ、そんな感じよ。私はみんなから好かれていたいの絶対に」
「誰からも嫌われたくないってことか?」
「そうよ」
服部の言葉を聞いて俺は頭の中で一瞬で回答を出す。
絶対に服部の言葉はかなうことはない。
俺が誰かを苦手と思うように、そんな誰かも俺のことを苦手だったり、嫌っているものもいるだろう。
聖人君子でもない限り、誰からも好かれることはないだろう。
今、この世に生きている人間で聖人君子になれるものはいないだろう。
「何よ、その顔は?私の願いはかなわないって言いたいの?」
「残念だけどな」
「フッ」と俺の否定の言葉を鼻で嘲笑う。
「そんなのやってみないとわかんないじゃない」
確かに正論だ。だけど、敢えて否定しよう。
「無理だろうな」
自分の意見を真っ向から否定されれば誰でも嫌な気持ちになるのは当たり前だ。
とてつもない負のオーラを体に纏わせている。
一瞬、たじろいだが目をそらして彼女の不機嫌な様子を確認しないようにすることで気にはならなくなった。
「まず、俺が___お前に苦手意識を持っているんだから」
服部は何を言われたか分からない顔をしていた。
しかし___直ぐに言葉の意味を理解したようだった。
彼女は俺の嫌悪感丸出しの言葉に食らいついてくる。
「なんでっ!?」
「なんでって言われてもなあ…… 苦手は苦手だしなあ」
そうなのだ。
苦手意識に理由などない。
これが普通だ。
誰だってあるはずなのだ。なんとなく苦手、と感じているやつが。嫌いなものは嫌いだ。
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