成功条件は、まさかの婚約破棄!?

たぬきち25番

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成功条件は、やっぱり婚約者の愛?!

1 アリエッタside






「婚約者のお披露目式で特技を披露ですか?」

私は思わず首を傾げた。




それは、殿下の卒業式を終えて半月程経った午後の出来事だった。

その日の朝。
私は、殿下に『今日は午後から休みなのだ!アリエッタ!!執務室に私を迎えに来てくれないか?』
と迎えを頼まれたのだった。

そこで私は執務室まで殿下を迎えに来たのだ。



(お披露目式で特技?!……私の特技って何かしら?)

私が悩んでいると、アルベルト殿下が微笑んでくれた。

「歴代の王妃は『歌』や『楽器』の披露だったりするのだが、アリエッタはどうする?」

私は「ん~」と唸った。

(どうしましょう。
私、披露できる特技がないわ・・・。
歌は・・・お兄様に『私の前で歌わないでくれ、頼む』と懇願されたことがあるし。
楽器はやったことないわ。
困ったわ、今からで間に合うのかしら?)

「アリエッタ様。剣舞はいかがですか?」

困っていると、殿下の側近のカルディア・テオルド様が助け船を出してくれた。
私は目を丸くした。

「剣舞でもよろしいのですか?」

すると殿下が嬉しそうに言った。

「もちろんだ!!なんなら乗馬でも構わない!!」
「え?乗馬でもいいんですか?」

するとテオルド様も笑顔で言った。

「はい。もちろんです。
ただ、一番の問題はそれぞれのファンの方が揉めないかということです」
「え?揉める?」

(どういうことかしら?)

私が悩んでいると、殿下が真剣な顔をした。

「揉める・・ああ・・・。
それは問題だな」
「ええ、乗馬ファンの方は乗馬姿が見たいでしょうし、剣舞ファンの方は剣舞が見たいでしょうし・・・」
「そうだな・・・正直、私はどちらも見たい!!
・・っく!!どちらか一方など選べない!!」

殿下が自らの手を握りしめて、眉を寄せて苦しいそうに言った。

(殿下はどちらも見たいと言って下さるのね・・)

私は考えて、声を上げた。

「では、両方披露しましょうか?」
「「え?両方??」」

殿下とテオルド様が目を丸くした。

「はい。馬に乗って障害物などを超えた後、剣舞を披露しましょうか?」

すると殿下の顔が笑顔になった。

「それは素晴らしいな!!
ぜひ見たい!!」

するとテオルド様が呟いた。

「これは・・・席の取り合いになるかもしれませんね・・・」
「カル!!婚約者の私はもちろん特等席でみるぞ?!」
「殿下・・特等席は陛下や王妃様や高位貴族の皆様ですよ~。
そのためのお披露目式ですし・・・」
「なに?!」

私は盛り上がる2人ではなくお披露目式について考えていた。

(ん~。これまでのように私個人ではなく、殿下の婚約者としての威信をかけて演技をするのよね・・。
乗馬の先生、こちらに来て頂けるかしら?
剣舞の先生にも連絡を取る必要があるわね。
練習期間は半年は欲しいわ・・)

私は、はっとして2人に尋ねた。

「申し訳ありません。お披露目式はいつでしょうか?」
「3ヵ月程先でしょうか?」

テオルド様の答えに私は思わず席を立った。

「3ヵ月?!大変!!
皆様の前で殿下の婚約者として披露するなら生半可な物はお見せできませんわ!!
殿下!!私はこれからすぐに3ヵ月ほど実家に戻ります」

私の言葉に殿下が顔面蒼白になった。

「え?!アリエッタ、何も実家に戻らなくても、練習なら城でもいいんじゃない?
それにこれからって・・・・今日は久しぶりの休暇だよ?!
卒業式の後以来、時間が取れなくて、やっと時間が取れたのに?!
やっとまた君の全てに触れられるのに?!
せめて明日からでも・・・!!」

私は首を振った。

「いえ!!!
3ヵ月という限られた期間で皆様にお見せできる完成度にするためには慣れた環境で集中し練習したいですわ!!
もちろん、公務は致します。
それ以外の時間をすべて練習に費やしますわ!!!」

すると殿下が泣きそうな顔で言った。

「え?まさか・・・夜は私たちの部屋に戻るだろう?」
「いいえ!!」

私の返事に殿下が眉を下げて呟いた。

「そんな・・それはちょっと・・・・」
「わかりました!!
予定はこちらで調整致しますので、アリエッタ様は納得の行くまで練習に励まれて下さい!!
殿下のためにご尽力下さるのですから!!
そうですよね?殿下!!」

殿下の言葉を遮って、テオルド様が私の提案に頷いてくれた。

「はい!!頑張ります!!ありがとうございます」

私はテオルド様にお礼を言うと、殿下に向かって微笑んだ。

「アルベルト殿下の婚約者として恥じにならぬよう完成させて参りますわ!!」

すると殿下が微笑んでくれた。

「・・わかった。頑張って!楽しみにしてる!」

そうして私はお披露目式まで侯爵家で特訓することになったのだった。




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