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第2章 東京編
ディーノとジュニ
しおりを挟む「―― カズハ、用意は出来た?」
「うん、何時でも出られるよ」
「んじゃ、行こうか ――
カズって、ホント可愛いっ」
「は?」
”自分の好み”だとか”可愛い”
だとか言って……ベラって、やっぱ変っ。
「照れてるとこが余計に可愛い」
部屋のカギを閉めながら私に言った。
「べ、別に照れてる訳じゃないけど、
こんな私に可愛いなんて言葉は似合わないよ」
「似合うから言ってるじゃん」
そんな風に玄関先で話していると、
お向かいの部屋の玄関が開いて6~7才位の
線の細い男の子が出て来た。
「ハ~イ、ジュニ。おいで?」
ベラが手を差し伸べる。
”ジュニ”と呼ばれた男の子は、
ベラに来たかと思ったら、
私の足にまとわりついた。
「へ?」
「ハハ、カズ気に入られた」
ベラが笑うと、
同じドアから中年男性が顔を出した。
おそらく190㌢はあると思われる高身長、
肩・二の腕・腰回り・大腿部など見事なまでに
鍛え抜かれた体躯は、とにかく”デカい”の
ひと言に尽きる。
がっしりとした体格の男性。
『ハ~イ、ディーノ、こんにちわ』
ベラは英語で挨拶し、
軽くその頬へキスをした。
男性は私にも何か話しかけてきたけど……
わざわざ英会話教室に通ってまで習った英語は
全く役に立たない!
初めて生で聞くNY訛りのアメリカ英語は
速すぎて聞き取れなかった。
「彼、可愛いお隣さん、初めましてよろしく。
だってさ。ほ~ら、可愛いって言われてる」
ディーノと呼ばれた男性がニッコリと微笑む。
ディーノとジュニ……イタリア系の人か。
『あ ―― こちらこそよろしく』
拙い英語で返事をした。
下からジュニが私の太ももの辺りを
ツンツンと小突く。
「??」
「抱っこして欲しいみたい」
私はジュニを抱っこしてあげた。
わぁ……軽いっ。
この子、パッと見は痩せてるんだけど。
意外に手(腕)や足の筋肉はしっかりしている。
もしかしたら、ダンサー?
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