オオカミは淫らな仔羊に欲情する

NADIA 川上

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東京編

教頭達のセコい悪だくみ


「―― うじ ―― りゅうじ? ……おい、
 竜二ってばっ」


 いつの間にか放課後に突入し、
 俺の傍らには日向が来ていた。


「―― なんだこいつ? 目ぇ開けたまま
 寝てんのかぁ?」


 キラキラして見えたり、触ってみたくなったり
 ……キス、とか ――っ、

 コレってアレだよなぁ ”好き?” いや待て。

 俺にとってあいつはただの教え子だ。
 そう、ただの教え子……。


「なぁ竜二ぃ、百面相の練習でもしてんのー?」


 そこへ、皆んなの嫌われ者・迫田登場。


「各務先生やっぱりここにいたぁ、すぐ来て下さい」

「はぁ?」

「日向先生もご一緒に願います。悪魔が暴れたら
 困りますんで」


 俺と日向はさっぱり訳が分からず顔を見合わせ、
 とりあえず迫田について職員室へ戻った。


 ***  ***  ***
 

 すると、奥まった応接セットのソファーに絢音と
 教頭・山ノ内が向い合って座っており ――。

 状況はあまりよろしくない。
 

「いいか、和泉、その脅しに遭っていた他校の生徒は
 お前の名前で脅されて仕方なく金を出したといって
 るんだ」

「その強請り常習犯って奴に私が指示してたって証拠は
 あるんですか?」

「あぁ、もちろんあるとも。その生徒の体は痣だらけ
 だったてなぁ。警察から報告があったよ」


 はーあぁ?? 
 なんだ、そりゃあ。バカ言ってんじゃねぇ。

 んなモン、誰がつけたか? 
 なんて何とでも言えるだろがっ!

 なんで絢音がヤったって決めつけ ―― あっ。


 『あいつくらい強くなると勝手に不良共が
  挑んでくる、良くも悪くも』


 アレはこうゆう意味だったのか。

 それを絢音を知らない連中が鵜呑みにして……。


「なぁヒデ、和泉が悪魔だって言い出したの、
 生徒じゃねぇのか?」

「んンにゃ、俺は先輩達から聞いたが」


「―― いい加減認めたらどうだ?! 和泉。
 他にもお前の悪行ネタは挙がってるんだぞ」

「あぁ、たっくもうっ! 
 和泉っ、なんでお前何も反論しないんだよ」

「前はそうしてたけどさ、何か言ったところで
 通じると思う? こいつらに」

「コラッ、和泉。先生に向かって”こいつら”とは
 何だっ! ホラ、各務先生は引っ込んでて下さい。
 話しがややこしくなるだけですから」


 ……そうだな、
 俺もついこの間まではそう思ってた。

 だから今までは、
 ヘラヘラ笑って見過ごしてきたんだ。

    
「お前らが ―― お前みたいな生徒がいるせいで
 学校の信用はガタ落ちなんだぞ。
 少しは反省したらどうなんだ、和泉」


 あんたみたいな、生徒に全く信頼のない教師が
 いるって事はどうなんですかね?
 迫田先生。

 それに、こんな場面をこう長々と見せつけられると
 さすがの俺も無性に腹が立つ。

 俺は腹立ちまぎれに、
 近くの壁へ思いっきり拳で風穴を開けてやった。

 ガコン! 
 という、鈍い音と共に砕けたコンクリート壁に
 山ノ内も迫田も目が点だ。


「か、各務先生……?」

「教頭先生」

「な、な、何、だね」

「和泉絢音はそうゆう卑怯な真似をする奴じゃ
 ありません。保証します」

「な、何を根拠にそんな事を ――」

「それは……そうゆう奴、だからです」

「「は、ぁ??」」 ← 山ノ内と迫田。

「じゃ、そうゆう事で。ホラ、行くぞ、和泉」

「えっ ――」


 山ノ内と迫田に負けず劣らず唖然としてる
 絢音を引っ張り戸口へ向かう
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