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過激派の来訪

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 琴吹 美園(ことぶき みその)。
 十八歳。
 花も恥じらう女子高生。
 神社になんてなんの縁もなく、通りかかってはちらりと見るくらいであったそこに彼女がやってきた理由は単純なこと。
 神頼み、であった。
 美園が学校で所属する演劇部は、この秋に最後の公演を控えていた。
 美園は三年間で積み上げた実力により、見事主演女優の座を勝ち取った。
 華やかな舞台の中央に立てるのだ。
 だが主演など初めてのこと。上手くいくか自信はあまりない。いくら中学生の頃から練習を重ねてきても本番はまた別だろう。
 よって神頼みというのを思いついた。
 神様に「どうか舞台の成功を」とお願いしようと。
 そして「どうか私が立派に演じきれますように」と。
 ふたつの願いを抱えて神社へやってきて、ぱんぱんと手を叩いて、目をつぶって口の中で願ったこと。
 それがどういうわけか。
 神様ではなく、あやかしに届いてしまって。
 気が付いたときには鳥居の上にこの人物がいたというわけ。
 「お前の願い、俺が叶えてやろうか」なんて、何故か楽しそうに言ってきたのだ。
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