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貴方の名前は?
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彩菜は正座をして丁寧に頭を下げていた。
「今日は大変失礼を致しました。
また、泊めて頂き有り難う御座います。
言葉は分からないと思いますが、
貴方のお名前は?」
そう言って顔を上げると、
男はニコッと笑って同じ様に頭を下げた。
「違う、違う、私は、あ・や・な」
彩菜はそう言って、自分を指さした。
そして男を指差して、
「貴方は?」
と尋ねた。
でも男は彩菜とまるっきり同じ事をし、
彩菜は行き詰まった。
「まあ、仕方ないか。
1日目だし、気を長く持って頑張ろう!」
そう気を取り戻した。
「ところでさ、何処で寝たら良いの?
フカフカのベッドとまでは行かなくても、
土の上に敷く物はあるの?」
そう言って彩菜は寝るジェスチャーをした。
男は何かわけのわからない言葉でゴニョゴニョ言うと、
囲炉裏の前に寝転んだ。
「ちょっと待って……
もしかして私にこの土の上で寝ろって言うの?」
ビックリして問う彩菜に、
男はこっちに来いとでも言う様に、
彩菜の手を引いて自分の隣に寝転ばせた。
「もうどうでも良いや~
少なくとも急に雨が降っても濡れると言う事は無いわね」
そう言って男の横に転がった。
「ちょっと貴方、臭いわよ。
ちゃんとお風呂入ってるの?
ん? ちょっと待って!
この時代にお風呂ってあるの~?
あっ、お洗濯も!
川よね。 この近くに川ってあった?
もう今日はいいや、疲れたから寝よ寝よ」
そう言って彩菜は寝付いた。
彩菜は割かしどこででも寝る事が出来た。
それに能天気なところもある。
だから寝つきも良かった。
その夜はぐっすりと寝た。
起きると、男はもう起き出して囲炉裏で何かを作っていた。
「あ、いい匂い。
この時代には火を使って料理する技術があったのね」
そう思い、
「何作ってるの?」
そう言って男の隣に座った。
そうすると男は、粘土で作ったようなお椀に、
今作っていたスープのようなものを差し出した。
”何だろ、これ?”
ちょっとにおいをかいでみると、
薬膳のような匂いがした。
少しすすってみると、
何てことは無い、ただの具の少ない雑炊のような物だった。
きっと薬草か何かで作ったスープなんだろう。
男はにかっと笑うと、
自分もスープを飲み始めた。
「ねえ、食事の後、この辺りを案内してくれる?」
そういってもこの男は理解してくれない。
「う~ん、先ずは名前が必要よね~」
そう言って考え込むポーズをすると、
男も一緒になって考え込むポーズをした。
「あなたって、何でもまねっこするサルみたいね」
彩菜がそういうと、
「サル! サル!」
とその男は言い始めた。
「ふ~ん? 日本語の発音、悪くないわねって言ってもサルだけじゃね~
もういいわ、私、あなたの事、サルって呼ぶから!
じゃあ、私はあ・や・な。
あなたはサ・ル」
そう言ってジェスチャーで示すと、
彼も、彩菜を指さして彩菜、
自分を指さして、サルという姿は理解出来たのか、出来ないのか分からないけど、
それでも少し進歩したような感じに彩菜は少しの安堵を覚えた。
彩菜はにっこり笑って、
「そう、そう! 私、彩菜!
あなた、サル!」
そう繰り返したので、その男も同じように繰り返した。
それから男は、彩菜を呼ぶ時は、あやな!
と呼ぶようになった。
そして彩菜がサルと呼ぶ時は、男は彩菜を振り返るようになった。
「今日は大変失礼を致しました。
また、泊めて頂き有り難う御座います。
言葉は分からないと思いますが、
貴方のお名前は?」
そう言って顔を上げると、
男はニコッと笑って同じ様に頭を下げた。
「違う、違う、私は、あ・や・な」
彩菜はそう言って、自分を指さした。
そして男を指差して、
「貴方は?」
と尋ねた。
でも男は彩菜とまるっきり同じ事をし、
彩菜は行き詰まった。
「まあ、仕方ないか。
1日目だし、気を長く持って頑張ろう!」
そう気を取り戻した。
「ところでさ、何処で寝たら良いの?
フカフカのベッドとまでは行かなくても、
土の上に敷く物はあるの?」
そう言って彩菜は寝るジェスチャーをした。
男は何かわけのわからない言葉でゴニョゴニョ言うと、
囲炉裏の前に寝転んだ。
「ちょっと待って……
もしかして私にこの土の上で寝ろって言うの?」
ビックリして問う彩菜に、
男はこっちに来いとでも言う様に、
彩菜の手を引いて自分の隣に寝転ばせた。
「もうどうでも良いや~
少なくとも急に雨が降っても濡れると言う事は無いわね」
そう言って男の横に転がった。
「ちょっと貴方、臭いわよ。
ちゃんとお風呂入ってるの?
ん? ちょっと待って!
この時代にお風呂ってあるの~?
あっ、お洗濯も!
川よね。 この近くに川ってあった?
もう今日はいいや、疲れたから寝よ寝よ」
そう言って彩菜は寝付いた。
彩菜は割かしどこででも寝る事が出来た。
それに能天気なところもある。
だから寝つきも良かった。
その夜はぐっすりと寝た。
起きると、男はもう起き出して囲炉裏で何かを作っていた。
「あ、いい匂い。
この時代には火を使って料理する技術があったのね」
そう思い、
「何作ってるの?」
そう言って男の隣に座った。
そうすると男は、粘土で作ったようなお椀に、
今作っていたスープのようなものを差し出した。
”何だろ、これ?”
ちょっとにおいをかいでみると、
薬膳のような匂いがした。
少しすすってみると、
何てことは無い、ただの具の少ない雑炊のような物だった。
きっと薬草か何かで作ったスープなんだろう。
男はにかっと笑うと、
自分もスープを飲み始めた。
「ねえ、食事の後、この辺りを案内してくれる?」
そういってもこの男は理解してくれない。
「う~ん、先ずは名前が必要よね~」
そう言って考え込むポーズをすると、
男も一緒になって考え込むポーズをした。
「あなたって、何でもまねっこするサルみたいね」
彩菜がそういうと、
「サル! サル!」
とその男は言い始めた。
「ふ~ん? 日本語の発音、悪くないわねって言ってもサルだけじゃね~
もういいわ、私、あなたの事、サルって呼ぶから!
じゃあ、私はあ・や・な。
あなたはサ・ル」
そう言ってジェスチャーで示すと、
彼も、彩菜を指さして彩菜、
自分を指さして、サルという姿は理解出来たのか、出来ないのか分からないけど、
それでも少し進歩したような感じに彩菜は少しの安堵を覚えた。
彩菜はにっこり笑って、
「そう、そう! 私、彩菜!
あなた、サル!」
そう繰り返したので、その男も同じように繰り返した。
それから男は、彩菜を呼ぶ時は、あやな!
と呼ぶようになった。
そして彩菜がサルと呼ぶ時は、男は彩菜を振り返るようになった。
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