18 / 201
第18話 変化
しおりを挟む
「今日は本当にお世話になりました。とても意義のある話が出来たと思います。それに、僕を信頼して下さって、本当にありがとうございました。」と先輩は僕の両親に一礼した。
「本当に夕飯まで居なくて大丈夫? 家は全然構わないんだよ。要も矢野君が尋ねて来て嬉しいと思うし。」とお母さんが言うと、
「いえ、もう色んな情報でお腹いっぱいで…でも、本当にありがとうございます。」と先輩が丁寧に夕食の招待を断った。
「もう矢野君にはバレちゃったから、何時でも遊びに来て良いんだからね。」とお父さんがいうと、お母さんも、
「そうだよ、遠慮しないで、何時でも遊びに来て。」と言ってくれた。
「はい、ありがとうございます。遠慮せずにまた寄らせてもらいます。」と先輩は両親に微笑んだ。
「じゃ、僕は先輩を公園辺りまで送ってくるよ」そう言って、僕は先輩と家を出た。
エレベーターを待っている間先輩は、少し沈んでいるように見えた。
「先輩、大丈夫ですか?何だか疲れてそうだけど、僕の秘密が大きすぎましたか?」と言って心配すると、
「あ、いや、大丈夫だよ」とにっこり笑って、「さ、エレベーターが来たから乗り込もう」と言って、僕達はエレベーターに乗り込んだ。
そして1階まではあっという間についてしまった。
その間中、先輩は下をうつ向いて、なんだか悲しそうな顔をしていた。
僕達は公園の方向へ向かって歩きながら、「先輩、もう一度確認しますが、僕が美術部に入っても、本当に迷惑じゃないですか?」と再度確認した。
「何を言ってるんだ、当たり前に決まってるだろ。僕は全力で要君の事守るから、心配しないで入部しておいで。」
先輩の僕を助けるという意思は固かった。
それで僕も決意を固めた。
「じゃ、明日早速入部届を持ってきますので宜しくお願いします。」と僕は伝えた。
「でも、要君の両親は君が言った通りの方達だったね、凄く愛し合って…愛があって、優しくて、君を全身で守って…。君が暖かい家族に憧れる気持ちが凄く良く分かったよ。」
「ありがとうございます。小さい時からずっと両親のお互いを思いやる行為を見てきたので、僕もいつか絶対と思っているんです。」
「分かるよ、君の気持。」
「悲観している訳では無いんですけど、僕、正直言ってΩだし、恐らく、将来は子供を産む側になると思うんです。男性にかかわらず女性もですが、Ωの行く末を色々と聞いて、だから余計、お母さんがお父さんを見つけたように、僕を理解して、愛してくれる人に巡り合いたい気持ちが強くて…」そう伝えると、
「僕も君の両親には凄く憧れるよ。君もご両親の様に、君だけの人に巡り合えたら良いね。」と先輩は言ってくれた。
そのセリフが僕には少し悲しかった。
それから先輩は嬉しそうに、「これから楽しみだね~。」と不意に言った。
「何がですか?」と尋ねると、
「住んでるところは近いし、美術部にも入ってくれるんだったら、これからは登下校も一緒にできるかもだね~。」と先輩は言った。
僕はちょっとドキドキしながら、「先パーイ、四六時中一緒に居たら、僕、恋人出来ないかも。」と言ってからかってみた。
先輩の反応を少し見て見たかった。
でも、先輩の僕に対する反応は、僕の思いをはるかに超えてしまった。
「可愛くない後輩にはこうだ!」と言って、ハーッとげんこつで頭をグリグリとされた。
先輩ちょっと元気がもどったかな?と思った瞬間、先輩がちょっと立ち止まって、彼の手が僕の髪に絡んできた。
その瞬間僕の心臓が跳ねた。
今まで感じた事が無いくらい、凄くドキドキしている。
「要君、君の髪の毛、凄く柔らかいんだね、細くて奇麗な色をしてるし、それに色白でちょっと日本人離れした顔してるし…肌もきめ細かで…」
そう言って、僕を見つめながらそっと髪をなででくれた。
僕は一層ドキドキしている。
何だか髪の毛からさえも僕の鼓動が分かるかと思うくらいドキドキとしている。
先輩にばれないように、ギュッと息を殺して、心拍数が跳ね上がるのをじっと抑えた。
「要君って外国の血入ってる?」そう聞いて来る先輩に、
「えっ?いえ、僕の両親はれっきとした100%日本人です。祖父母も同じです。ただ、少し遡った所
に多分外国の人が居たんじゃないかっていう話は少し聞いてます」と答えると、
「そうだろうな。瞳の色も、髪の色も、凄く要君に似合って綺麗だよ」そう言って僕の頬に触れてきた。
「そんな事言うの先輩だけですよ!」そう言いながら心臓は破裂しそうな程バクバク言っている。
もうこれ以上先輩と居る事はいたたまれなった。
少し先輩から離れて、「じゃ、僕は両親が待っていると思いますので、ここで帰ります。」と言った瞬間、何かがドクンと音をたてて体の芯を変えていくのが分かった。
「ヤバイ!」そう思った僕は一礼し、後ろも振り返らず、一目散にマンション目掛けて走り出した。
「どうか、誰にも会いませんように、どうか、誰にも会いませんように。」そう思いながら家までの道のりを駆け抜けていった。
そして屋上階までのエレベーターに飛び乗って、家に駆け込んだ。
幸いなことに、エレベーターには誰も居なかった。
僕は、家に着いたのと同時に息苦しくなって玄関に倒れ込んだ。
意識はもうろうとして、駆け寄ってくる両お母さんと、お父さんに抱きかかえられたところで僕の記憶は途切れた。
そして公園に残された矢野浩二は「要君、君の匂い…」とポツンと言った。
「本当に夕飯まで居なくて大丈夫? 家は全然構わないんだよ。要も矢野君が尋ねて来て嬉しいと思うし。」とお母さんが言うと、
「いえ、もう色んな情報でお腹いっぱいで…でも、本当にありがとうございます。」と先輩が丁寧に夕食の招待を断った。
「もう矢野君にはバレちゃったから、何時でも遊びに来て良いんだからね。」とお父さんがいうと、お母さんも、
「そうだよ、遠慮しないで、何時でも遊びに来て。」と言ってくれた。
「はい、ありがとうございます。遠慮せずにまた寄らせてもらいます。」と先輩は両親に微笑んだ。
「じゃ、僕は先輩を公園辺りまで送ってくるよ」そう言って、僕は先輩と家を出た。
エレベーターを待っている間先輩は、少し沈んでいるように見えた。
「先輩、大丈夫ですか?何だか疲れてそうだけど、僕の秘密が大きすぎましたか?」と言って心配すると、
「あ、いや、大丈夫だよ」とにっこり笑って、「さ、エレベーターが来たから乗り込もう」と言って、僕達はエレベーターに乗り込んだ。
そして1階まではあっという間についてしまった。
その間中、先輩は下をうつ向いて、なんだか悲しそうな顔をしていた。
僕達は公園の方向へ向かって歩きながら、「先輩、もう一度確認しますが、僕が美術部に入っても、本当に迷惑じゃないですか?」と再度確認した。
「何を言ってるんだ、当たり前に決まってるだろ。僕は全力で要君の事守るから、心配しないで入部しておいで。」
先輩の僕を助けるという意思は固かった。
それで僕も決意を固めた。
「じゃ、明日早速入部届を持ってきますので宜しくお願いします。」と僕は伝えた。
「でも、要君の両親は君が言った通りの方達だったね、凄く愛し合って…愛があって、優しくて、君を全身で守って…。君が暖かい家族に憧れる気持ちが凄く良く分かったよ。」
「ありがとうございます。小さい時からずっと両親のお互いを思いやる行為を見てきたので、僕もいつか絶対と思っているんです。」
「分かるよ、君の気持。」
「悲観している訳では無いんですけど、僕、正直言ってΩだし、恐らく、将来は子供を産む側になると思うんです。男性にかかわらず女性もですが、Ωの行く末を色々と聞いて、だから余計、お母さんがお父さんを見つけたように、僕を理解して、愛してくれる人に巡り合いたい気持ちが強くて…」そう伝えると、
「僕も君の両親には凄く憧れるよ。君もご両親の様に、君だけの人に巡り合えたら良いね。」と先輩は言ってくれた。
そのセリフが僕には少し悲しかった。
それから先輩は嬉しそうに、「これから楽しみだね~。」と不意に言った。
「何がですか?」と尋ねると、
「住んでるところは近いし、美術部にも入ってくれるんだったら、これからは登下校も一緒にできるかもだね~。」と先輩は言った。
僕はちょっとドキドキしながら、「先パーイ、四六時中一緒に居たら、僕、恋人出来ないかも。」と言ってからかってみた。
先輩の反応を少し見て見たかった。
でも、先輩の僕に対する反応は、僕の思いをはるかに超えてしまった。
「可愛くない後輩にはこうだ!」と言って、ハーッとげんこつで頭をグリグリとされた。
先輩ちょっと元気がもどったかな?と思った瞬間、先輩がちょっと立ち止まって、彼の手が僕の髪に絡んできた。
その瞬間僕の心臓が跳ねた。
今まで感じた事が無いくらい、凄くドキドキしている。
「要君、君の髪の毛、凄く柔らかいんだね、細くて奇麗な色をしてるし、それに色白でちょっと日本人離れした顔してるし…肌もきめ細かで…」
そう言って、僕を見つめながらそっと髪をなででくれた。
僕は一層ドキドキしている。
何だか髪の毛からさえも僕の鼓動が分かるかと思うくらいドキドキとしている。
先輩にばれないように、ギュッと息を殺して、心拍数が跳ね上がるのをじっと抑えた。
「要君って外国の血入ってる?」そう聞いて来る先輩に、
「えっ?いえ、僕の両親はれっきとした100%日本人です。祖父母も同じです。ただ、少し遡った所
に多分外国の人が居たんじゃないかっていう話は少し聞いてます」と答えると、
「そうだろうな。瞳の色も、髪の色も、凄く要君に似合って綺麗だよ」そう言って僕の頬に触れてきた。
「そんな事言うの先輩だけですよ!」そう言いながら心臓は破裂しそうな程バクバク言っている。
もうこれ以上先輩と居る事はいたたまれなった。
少し先輩から離れて、「じゃ、僕は両親が待っていると思いますので、ここで帰ります。」と言った瞬間、何かがドクンと音をたてて体の芯を変えていくのが分かった。
「ヤバイ!」そう思った僕は一礼し、後ろも振り返らず、一目散にマンション目掛けて走り出した。
「どうか、誰にも会いませんように、どうか、誰にも会いませんように。」そう思いながら家までの道のりを駆け抜けていった。
そして屋上階までのエレベーターに飛び乗って、家に駆け込んだ。
幸いなことに、エレベーターには誰も居なかった。
僕は、家に着いたのと同時に息苦しくなって玄関に倒れ込んだ。
意識はもうろうとして、駆け寄ってくる両お母さんと、お父さんに抱きかかえられたところで僕の記憶は途切れた。
そして公園に残された矢野浩二は「要君、君の匂い…」とポツンと言った。
20
あなたにおすすめの小説
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
【完結】この契約に愛なんてないはずだった
なの
BL
劣勢オメガの翔太は、入院中の母を支えるため、昼夜問わず働き詰めの生活を送っていた。
そんなある日、母親の入院費用が払えず、困っていた翔太を救ったのは、冷静沈着で感情を見せない、大企業副社長・鷹城怜司……優勢アルファだった。
数日後、怜司は翔太に「1年間、仮の番になってほしい」と持ちかける。
身体の関係はなし、報酬あり。感情も、未来もいらない。ただの契約。
生活のために翔太はその条件を受け入れるが、理性的で無表情なはずの怜司が、ふとした瞬間に見せる優しさに、次第に心が揺らいでいく。
これはただの契約のはずだった。
愛なんて、最初からあるわけがなかった。
けれど……二人の距離が近づくたびに、仮であるはずの関係は、静かに熱を帯びていく。
ツンデレなオメガと、理性を装うアルファ。
これは、仮のはずだった番契約から始まる、運命以上の恋の物語。
婚約破棄された令息の華麗なる逆転劇 ~偽りの番に捨てられたΩは、氷血公爵に愛される~
なの
BL
希少な治癒能力と、大地に生命を呼び戻す「恵みの魔法」を持つ公爵家のΩ令息、エリアス・フォン・ラティス。
傾きかけた家を救うため、彼は大国アルビオンの第二王子、ジークフリート殿下(α)との「政略的な番契約」を受け入れた。
家のため、領民のため、そして――
少しでも自分を必要としてくれる人がいるのなら、それでいいと信じて。
だが、運命の番だと信じていた相手は、彼の想いを最初から踏みにじっていた。
「Ωの魔力さえ手に入れば、あんな奴はもう要らない」
その冷たい声が、彼の世界を壊した。
すべてを失い、偽りの罪を着せられ追放されたエリアスがたどり着いたのは、隣国ルミナスの地。
そこで出会ったのは、「氷血公爵」と呼ばれる孤高のα、アレクシス・ヴァン・レイヴンだった。
人を寄せつけないほど冷ややかな瞳の奥に、誰よりも深い孤独を抱えた男。
アレクシスは、心に傷を抱えながらも懸命に生きようとするエリアスに惹かれ、次第にその凍てついた心を溶かしていく。
失われた誇りを取り戻すため、そして真実の愛を掴むため。
今、令息の華麗なる逆転劇が始まる。
いい加減観念して結婚してください
彩根梨愛
BL
平凡なオメガが成り行きで決まった婚約解消予定のアルファに結婚を迫られる話
元々ショートショートでしたが、続編を書きましたので短編になりました。
2025/05/05時点でBL18位ありがとうございます。
作者自身驚いていますが、お楽しみ頂き光栄です。
僕を惑わせるのは素直な君
秋元智也
BL
父と妹、そして兄の家族3人で暮らして来た。
なんの不自由もない。
5年前に病気で母親を亡くしてから家事一切は兄の歩夢が
全てやって居た。
そこへいきなり父親からも唐突なカミングアウト。
「俺、再婚しようと思うんだけど……」
この言葉に驚きと迷い、そして一縷の不安が過ぎる。
だが、好きになってしまったになら仕方がない。
反対する事なく母親になる人と会う事に……。
そこには兄になる青年がついていて…。
いきなりの兄の存在に戸惑いながらも興味もあった。
だが、兄の心の声がどうにもおかしくて。
自然と聞こえて来てしまう本音に戸惑うながら惹かれて
いってしまうが……。
それは兄弟で、そして家族で……同性な訳で……。
何もかも不幸にする恋愛などお互い苦しみしかなく……。
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
8/16番外編出しました!!!!!
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭
3/6 2000❤️ありがとうございます😭
4/29 3000❤️ありがとうございます😭
8/13 4000❤️ありがとうございます😭
12/10 5000❤️ありがとうございます😭
わたし5は好きな数字です💕
お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる