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第22話 番外編ー楽屋
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わぁぁぁぁ~~~~、パチパチパチ…
コンサート会場は熱気にあふれ、多くの拍手と共に、アンコールの声が溢れている。
今日はバイオリニストの如月優を迎えての音大の音楽祭。
プロのバイオリニストの如月優はいつもはオーケストラに所属し、日本各地、または海外を回っている。
独身の時は海外のオケに所属していたが、結婚を期に、日本を拠点としたオケに移動した。
彼の私生活は不明となっている。
彼が結婚をしている事は誰も知らない。
ましてや、小学生の息子が居る事なんて誰も思いもしない。
さらりと流れる肩までの髪を後ろで一つに束ね、凛と立ち、バイオリンを弾く姿は、目に見るものがあり、とても美しかった。
男性とも、女性とも言える中性的な見た形は、男性にも女性にも人気があり、また、孤児院、老後院、小学校、中学校、高校、大学、コミュニティーチャリティーなどに頻繁に参加するそれらの音楽会を元に、彼には、子供のファンも多かった。
如月優は積極的に、コミュニティーの為に尽くした。
音楽祭が終わり、大学側に用意をしてもらった楽屋に戻って一息つく。
「優君~今日も奇麗だったよ!それに優君のバイオリンも今日はツイストするバッハで凄く楽しかったよ!」そう言って楽屋でデレデレとしているのは、如月優の夫で、俳優でもある蘇我総司然り、赤城司。
「ハハ、ありがとう。たまにはこういうのも楽しいな。」そう言って汗を拭きながら、送られてきた花束と、それに付属するメッセージを眺めている。
「今日も沢山の花束を頂いたね。」
「本当に僕の演奏を見に来てくれる方々には頭が上がらないよ。」と話していると、コンコンコンとドアをノックする音が聞こえる。
そこで司が戸を開け行く。もちろん変装している。
「はーい。どうぞ」と言って戸を開けると、一人の男と中学生くらいの男の子がドアの所に立っていた。
その男性を見た瞬間司は、「ゲッ、美術監督の矢野正彦!」と声に出さずに思った。
ちょっとモゴモゴとしながら、「どちら様で?」と聞いている。
「こちらは如月優さんの楽屋ですか?」そう尋ねる男性に、
「そうですが、何か?」とモゴモゴと聞いている。
「いや、忙しいところ、すまなかったね、私は矢野正彦と申しまして、映画製作所を経営する傍ら、美術監督をしているものです。」と言って名刺を差し出してきた。
「はあ。」と言って司は困った顔をしているところに優が、
「初めまして、如月優です、今日はコンサートに来てくださり、ありがとうございます。狭いですが、どうぞお入り下さい。」と楽屋へと彼らを誘導した。
「じゃ、お邪魔させていただたくよ。」そう言って矢野親子は楽屋へと入って来た。
そして、後ろに隠れていた男の子を前に引き出し、「いや、お恥ずかしい話ですがな、家の愚息が優殿の大ファンでしてな、どうしてもお会いしたいと言う事で、不躾手はありますが、楽屋までお邪魔させていただいたんですよ。」と言ってきた。
それを聞いた司が、「ほんとに邪魔…」とボソッと言っている。
そんな司を肘でつついて、「今日はありがとう、僕の演奏はどうでしたか?長い間疲れませんでしたか?」と男の子に優しく声を掛けた。
少年は真っ赤な顔をして、「初めまして!僕、矢野浩二と言います。如月さんの演奏を先月、学校の文化祭で聞いて以来大ファンになって、お父さんに頼んで今日は連れてきてもらったんです。今日もすごく楽しかったです!」そう言って目をキラキラさせた。
「ほら、花束をわたすんだろう?」父親にせっつかれて、
「これ、全部僕が選んだ花で作った花束です。」と言って、大きなピンクで揃えられた花束を優に渡した。
優はそれを受け取り、香りを嗅いで、「う~ん、良い香り。本当にありがとう。小さなファンと会うと、とても意欲が出るよ。今日は忙しい中、楽屋にも来てくれて、本当にありがとうね。」そう丁寧にお礼を言った。
「あの…」と矢野少年は言って、「これ、ファンレターも書いてきたんです。どうか読んでください。」そう言って真っ赤になって、下を向いたまま両手で差し出した。
「うわ~、スッゴイ嬉しい!ありがとう。これからも応援してね。」と言うと、
「あの、今日のパンフレットにサインしてもらっても良いですか?それと、一緒に写真も…」と言いかけると、彼の父親が、
「こらこら、如月さんもお疲れなんだぞ。わがままは言わず、私たちはここでお暇しよう」というのを避けて、
「大丈夫ですよ、パンフレット貸してごらん。」そう言って快く、サインをしてくれた。
そして一緒に写真を撮って、矢野親子は喜びながら帰って行った。
「強烈な親子だったな。」と司が言うと、「あの監督しってる?」と優が聞いて来る。
「いや、名前くらいだったら。」と言う司に、「浩二君、可愛かったね。」と優が返す。
「ファンレターもらちゃった。」と言う優に、「なんて書いてあるんだ?」と司が尋ねる。
楽屋に置いてあった椅子に腰かけ、優がファンレターを読み始めた。
そして「クスッ」とほほ笑んで、「凄くキュートなファンレターもらちゃった。」と言った。
司がどれどれとファンレターを読み始めた。
如月優様。
初めまして、僕の名前は矢野浩二といいます。
先月の如月優さんの、学際で演奏する姿を見て、とても奇麗で、カッコいいお兄さんだと、とてもドキドキしました。
演奏はとても素晴らしく、これまでクラッシックに興味の無かった僕が、如月さんのCDを沢山買いました。
リラックスしたいときや、夜に眠る時、何時も聞いています。
そうすると、如月さんが僕だけにコンサートを開いてくれているような気持になります。
あの学際以来、如月さんの載っている雑誌を見つけては、スクラップしています。
如月さんのバイオグラフを知る度、その人間性に憧れ、とても惹かれます。
ずっと応援しています。
これからも頑張ってください。
そしていつか、僕だけの為に演奏してもらえたら、もう、死んでも構わないという気持ちです。
僕は如月さんが大、大、大好きです!
矢野浩二より
「……」司が読み終えて、言葉を無くしている。
「とても可愛らしいファンレターだよね。そう思わない?司君。」と聞いた優に司は
「ラブレターみたいで可愛いな」と言って、プッと笑った。
コンサート会場は熱気にあふれ、多くの拍手と共に、アンコールの声が溢れている。
今日はバイオリニストの如月優を迎えての音大の音楽祭。
プロのバイオリニストの如月優はいつもはオーケストラに所属し、日本各地、または海外を回っている。
独身の時は海外のオケに所属していたが、結婚を期に、日本を拠点としたオケに移動した。
彼の私生活は不明となっている。
彼が結婚をしている事は誰も知らない。
ましてや、小学生の息子が居る事なんて誰も思いもしない。
さらりと流れる肩までの髪を後ろで一つに束ね、凛と立ち、バイオリンを弾く姿は、目に見るものがあり、とても美しかった。
男性とも、女性とも言える中性的な見た形は、男性にも女性にも人気があり、また、孤児院、老後院、小学校、中学校、高校、大学、コミュニティーチャリティーなどに頻繁に参加するそれらの音楽会を元に、彼には、子供のファンも多かった。
如月優は積極的に、コミュニティーの為に尽くした。
音楽祭が終わり、大学側に用意をしてもらった楽屋に戻って一息つく。
「優君~今日も奇麗だったよ!それに優君のバイオリンも今日はツイストするバッハで凄く楽しかったよ!」そう言って楽屋でデレデレとしているのは、如月優の夫で、俳優でもある蘇我総司然り、赤城司。
「ハハ、ありがとう。たまにはこういうのも楽しいな。」そう言って汗を拭きながら、送られてきた花束と、それに付属するメッセージを眺めている。
「今日も沢山の花束を頂いたね。」
「本当に僕の演奏を見に来てくれる方々には頭が上がらないよ。」と話していると、コンコンコンとドアをノックする音が聞こえる。
そこで司が戸を開け行く。もちろん変装している。
「はーい。どうぞ」と言って戸を開けると、一人の男と中学生くらいの男の子がドアの所に立っていた。
その男性を見た瞬間司は、「ゲッ、美術監督の矢野正彦!」と声に出さずに思った。
ちょっとモゴモゴとしながら、「どちら様で?」と聞いている。
「こちらは如月優さんの楽屋ですか?」そう尋ねる男性に、
「そうですが、何か?」とモゴモゴと聞いている。
「いや、忙しいところ、すまなかったね、私は矢野正彦と申しまして、映画製作所を経営する傍ら、美術監督をしているものです。」と言って名刺を差し出してきた。
「はあ。」と言って司は困った顔をしているところに優が、
「初めまして、如月優です、今日はコンサートに来てくださり、ありがとうございます。狭いですが、どうぞお入り下さい。」と楽屋へと彼らを誘導した。
「じゃ、お邪魔させていただたくよ。」そう言って矢野親子は楽屋へと入って来た。
そして、後ろに隠れていた男の子を前に引き出し、「いや、お恥ずかしい話ですがな、家の愚息が優殿の大ファンでしてな、どうしてもお会いしたいと言う事で、不躾手はありますが、楽屋までお邪魔させていただいたんですよ。」と言ってきた。
それを聞いた司が、「ほんとに邪魔…」とボソッと言っている。
そんな司を肘でつついて、「今日はありがとう、僕の演奏はどうでしたか?長い間疲れませんでしたか?」と男の子に優しく声を掛けた。
少年は真っ赤な顔をして、「初めまして!僕、矢野浩二と言います。如月さんの演奏を先月、学校の文化祭で聞いて以来大ファンになって、お父さんに頼んで今日は連れてきてもらったんです。今日もすごく楽しかったです!」そう言って目をキラキラさせた。
「ほら、花束をわたすんだろう?」父親にせっつかれて、
「これ、全部僕が選んだ花で作った花束です。」と言って、大きなピンクで揃えられた花束を優に渡した。
優はそれを受け取り、香りを嗅いで、「う~ん、良い香り。本当にありがとう。小さなファンと会うと、とても意欲が出るよ。今日は忙しい中、楽屋にも来てくれて、本当にありがとうね。」そう丁寧にお礼を言った。
「あの…」と矢野少年は言って、「これ、ファンレターも書いてきたんです。どうか読んでください。」そう言って真っ赤になって、下を向いたまま両手で差し出した。
「うわ~、スッゴイ嬉しい!ありがとう。これからも応援してね。」と言うと、
「あの、今日のパンフレットにサインしてもらっても良いですか?それと、一緒に写真も…」と言いかけると、彼の父親が、
「こらこら、如月さんもお疲れなんだぞ。わがままは言わず、私たちはここでお暇しよう」というのを避けて、
「大丈夫ですよ、パンフレット貸してごらん。」そう言って快く、サインをしてくれた。
そして一緒に写真を撮って、矢野親子は喜びながら帰って行った。
「強烈な親子だったな。」と司が言うと、「あの監督しってる?」と優が聞いて来る。
「いや、名前くらいだったら。」と言う司に、「浩二君、可愛かったね。」と優が返す。
「ファンレターもらちゃった。」と言う優に、「なんて書いてあるんだ?」と司が尋ねる。
楽屋に置いてあった椅子に腰かけ、優がファンレターを読み始めた。
そして「クスッ」とほほ笑んで、「凄くキュートなファンレターもらちゃった。」と言った。
司がどれどれとファンレターを読み始めた。
如月優様。
初めまして、僕の名前は矢野浩二といいます。
先月の如月優さんの、学際で演奏する姿を見て、とても奇麗で、カッコいいお兄さんだと、とてもドキドキしました。
演奏はとても素晴らしく、これまでクラッシックに興味の無かった僕が、如月さんのCDを沢山買いました。
リラックスしたいときや、夜に眠る時、何時も聞いています。
そうすると、如月さんが僕だけにコンサートを開いてくれているような気持になります。
あの学際以来、如月さんの載っている雑誌を見つけては、スクラップしています。
如月さんのバイオグラフを知る度、その人間性に憧れ、とても惹かれます。
ずっと応援しています。
これからも頑張ってください。
そしていつか、僕だけの為に演奏してもらえたら、もう、死んでも構わないという気持ちです。
僕は如月さんが大、大、大好きです!
矢野浩二より
「……」司が読み終えて、言葉を無くしている。
「とても可愛らしいファンレターだよね。そう思わない?司君。」と聞いた優に司は
「ラブレターみたいで可愛いな」と言って、プッと笑った。
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