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第50話 独占欲
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「あ、そうそう、先輩、問題は矢野先輩では無くって……」
僕は思い出したように切り出した。
「優香だろ?」
先輩は僕の心配をちゃんと分かっていた。
先週の経験から、僕は彼女に対して、少なからずの恐怖が芽生えていた。
「優香には俺から話しておく
俺が絡むと少し過激な所があるから学校では少し距離を取っておこう
優香を説得する前に俺たちの事がバレると、
本当にあいつはお前に何をしてくるか分からないからな
優香の事は様子を見ながら俺が何とかする」
「分りました」
「でも、何かあったらすぐに言うんだぞ」
僕は先輩を見てコクコクと頷いた。
「それともう一つ」
「何ですか?」
「お前、もう発情期、始まってるんだよな?
Ωの発情期は遅いって聞くけど、お前からは何時も俺を誘う香りがしてるからな!」
先輩のその言葉に、僕は顔がカ~ッと熱くなった。
ヒ~ そんな事堂々と聞く~?
なんだか、女の子に生理は始まったのか? とか、
男の子にもう精通はあったのか? と聞く様な感覚だった。
僕がうつ向いて真っ赤になってゴニョゴニョしていると、
「ハハ、お前の態度で分かったよ。」
と先輩は笑った。
「先輩、何だか恥ずかしいです~」
僕がそう言うと、
「お前に発情期があると思うとそれだけで興奮するな
お前が凄くセクシーに見える。」
先輩が凄く恥ずかしい事を云うので、僕は更に顔があげられなくなってしまった。
そして先輩は僕の両手を取って、
「お前、気を付けろよ
俺の居ない所でヒートが始まってレイプでもされようものなら、俺はそいつらを殺しかねないからな
俺を犯罪者にしないでくれ。」
そう言って先輩は僕の腰に顔を埋めた。
「先輩、僕は大丈夫ですよ、抑制剤何時も持ち歩いてますし、薬の効きは結構いいんです
矢野先輩も奥野さんも事情を知ってるから僕を助けてくれるし……」
先輩は僕を見上げて、
「そうか……
そうだよな、浩二も知ってるよな……
なあお前、もう浩二とはしゃべるな」
先輩は結構ヤキモチ焼きだ。
「そんな~ 先輩、それ横暴ですよ
僕、クラブで一緒になるし、矢野先輩は大切な友達なんです
話さないなんて、無理です~」
「まあ、そりゃそうだろうな
だがな、あいつはちょっと油断できないところがあるからな」
「え? 矢野先輩がですか?」
僕は先輩のその言葉にびっくりした。
「いや、悪い意味では無いんだよ
いや? 悪いか?
ほら、あいつ天然だろ?
知らず知らずのうちに、誑し込んでるんだよ
で、皆あいつに本気になってな。」
「あ、それ分かります!」
そう言って僕はプッと噴出した。
「昨日の先輩の誕生日に映画を見に行ったんですけど、指を絡められましたよ?
手をつないで映画見るなんて恋人か? って?
僕、先輩が何を考えてるのか全然分からなくって……
それに、僕のお父さんが先輩にあげた真っ赤なバラの花束から僕に数本くれて……
僕の両親なんてもらった本数聞いてニヤニヤと……
本当、全くの意味不明です~」
「なんだー! あいつ、手を握った? それも絡めて?」
「そうなんですよ! それも涼しい顔して! 僕、何してるんですか!
って顔して先輩の事じ~っと見てたのに、
『映画、見ないの?』ですよ。
もう訳分からなくって」
「あいつ……本当にお前の事振ったのか?」
僕は一瞬「え?」と怯んでしまった。
「矢野先輩、僕に気があるように見えますか?」
先輩は僕の方を見て、
「もしそうだったら、お前、俺との事、無しにするのか?」
先輩が子犬のような眼をして僕の事を見るので、
「僕はハッキリと振られました!
はっきりと僕は弟として大好きって言われましたよ!
それって殆ど絶望っていみですよ~。
もう矢野先輩の事は良いんです!
これからは大好きなお兄ちゃんとして接していきます!」
と言い切った。
「だがアイツってほんと思わせぶりだな。
確かに普通、弟と手をつないで映画を見たりはしないよな」
「ですよね!
もう、勘違いしそうになっちゃう!」
「ハハハ、何だかあいつらしいよな?
それで相手に対して気が無いって言うんだから……で?
バラの花って何本もらったんだ?」
と先輩はちょっと安心したようにして尋ねた。
「11本ですよ。
中途半端な数ですよね。
先輩数え間違ったのかな?」
「11本……
ふ~ん、11本ね~」
そう先輩は繰り返していた。
「お前、あいつがやっぱり要君のこと好きって言っても、なびくなよ」
「先輩~ 矢野先輩が僕の事好きになるなんて、天地がひっくり返ってもありませんよ!」
「う~ん、だが、あいつの好きになる人って何時も相手の居るΩだからな~」
「えっ?
先輩、それ知ってたんですか?」
「何?
お前もか?」
「はい、矢野先輩がそう言う風に言ってましたので~」
「お前ら、何でも話してるんだな」
「そう言えば、そうですね~。
まぁ、僕なんて最初から弱いところみられてますからね~」
「……これからは俺の前だけにしてくれ。」
「え?」
「お前の全てがさらけ出せるのは、俺の前だけにしてくれ。
他のヤツに俺の知らないお前は見せたくない」
そう言って先輩はまたコツンと自分のおでこを僕のおでこにくっつけた。
そして「分かったか?」と尋ねたので、僕は「はい~」と返事した。
「それにしても、お父さんは50本バラの花先輩にあげたって言ってたから39本持って帰ったのか~。
皆振り返って面白かった!」
「あいつ、またお前んちに行ったんだな」
「先輩も来ますか?家は何時でも歓迎ですよ」
そう言うと先輩は、
「今はまだ、お前の両親に会うのは緊張するから、それはまた今度な」
と頭を掻いた。
「先輩でも緊張する事あるんですね!」
とびっくりすると、
「お前、俺の両親に何の躊躇も無く、会えるか?」
と先輩が聞いてきた。
「いえ、緊張しすぎて僕、吐いちゃうかも
その前に、僕Ωですよ?
先輩の両親が僕に会わないんでは?」と尋ねると、
「そうなんだよな。
そこが優香よりも難関かもな。」とポツリと言った。
僕は思い出したように切り出した。
「優香だろ?」
先輩は僕の心配をちゃんと分かっていた。
先週の経験から、僕は彼女に対して、少なからずの恐怖が芽生えていた。
「優香には俺から話しておく
俺が絡むと少し過激な所があるから学校では少し距離を取っておこう
優香を説得する前に俺たちの事がバレると、
本当にあいつはお前に何をしてくるか分からないからな
優香の事は様子を見ながら俺が何とかする」
「分りました」
「でも、何かあったらすぐに言うんだぞ」
僕は先輩を見てコクコクと頷いた。
「それともう一つ」
「何ですか?」
「お前、もう発情期、始まってるんだよな?
Ωの発情期は遅いって聞くけど、お前からは何時も俺を誘う香りがしてるからな!」
先輩のその言葉に、僕は顔がカ~ッと熱くなった。
ヒ~ そんな事堂々と聞く~?
なんだか、女の子に生理は始まったのか? とか、
男の子にもう精通はあったのか? と聞く様な感覚だった。
僕がうつ向いて真っ赤になってゴニョゴニョしていると、
「ハハ、お前の態度で分かったよ。」
と先輩は笑った。
「先輩、何だか恥ずかしいです~」
僕がそう言うと、
「お前に発情期があると思うとそれだけで興奮するな
お前が凄くセクシーに見える。」
先輩が凄く恥ずかしい事を云うので、僕は更に顔があげられなくなってしまった。
そして先輩は僕の両手を取って、
「お前、気を付けろよ
俺の居ない所でヒートが始まってレイプでもされようものなら、俺はそいつらを殺しかねないからな
俺を犯罪者にしないでくれ。」
そう言って先輩は僕の腰に顔を埋めた。
「先輩、僕は大丈夫ですよ、抑制剤何時も持ち歩いてますし、薬の効きは結構いいんです
矢野先輩も奥野さんも事情を知ってるから僕を助けてくれるし……」
先輩は僕を見上げて、
「そうか……
そうだよな、浩二も知ってるよな……
なあお前、もう浩二とはしゃべるな」
先輩は結構ヤキモチ焼きだ。
「そんな~ 先輩、それ横暴ですよ
僕、クラブで一緒になるし、矢野先輩は大切な友達なんです
話さないなんて、無理です~」
「まあ、そりゃそうだろうな
だがな、あいつはちょっと油断できないところがあるからな」
「え? 矢野先輩がですか?」
僕は先輩のその言葉にびっくりした。
「いや、悪い意味では無いんだよ
いや? 悪いか?
ほら、あいつ天然だろ?
知らず知らずのうちに、誑し込んでるんだよ
で、皆あいつに本気になってな。」
「あ、それ分かります!」
そう言って僕はプッと噴出した。
「昨日の先輩の誕生日に映画を見に行ったんですけど、指を絡められましたよ?
手をつないで映画見るなんて恋人か? って?
僕、先輩が何を考えてるのか全然分からなくって……
それに、僕のお父さんが先輩にあげた真っ赤なバラの花束から僕に数本くれて……
僕の両親なんてもらった本数聞いてニヤニヤと……
本当、全くの意味不明です~」
「なんだー! あいつ、手を握った? それも絡めて?」
「そうなんですよ! それも涼しい顔して! 僕、何してるんですか!
って顔して先輩の事じ~っと見てたのに、
『映画、見ないの?』ですよ。
もう訳分からなくって」
「あいつ……本当にお前の事振ったのか?」
僕は一瞬「え?」と怯んでしまった。
「矢野先輩、僕に気があるように見えますか?」
先輩は僕の方を見て、
「もしそうだったら、お前、俺との事、無しにするのか?」
先輩が子犬のような眼をして僕の事を見るので、
「僕はハッキリと振られました!
はっきりと僕は弟として大好きって言われましたよ!
それって殆ど絶望っていみですよ~。
もう矢野先輩の事は良いんです!
これからは大好きなお兄ちゃんとして接していきます!」
と言い切った。
「だがアイツってほんと思わせぶりだな。
確かに普通、弟と手をつないで映画を見たりはしないよな」
「ですよね!
もう、勘違いしそうになっちゃう!」
「ハハハ、何だかあいつらしいよな?
それで相手に対して気が無いって言うんだから……で?
バラの花って何本もらったんだ?」
と先輩はちょっと安心したようにして尋ねた。
「11本ですよ。
中途半端な数ですよね。
先輩数え間違ったのかな?」
「11本……
ふ~ん、11本ね~」
そう先輩は繰り返していた。
「お前、あいつがやっぱり要君のこと好きって言っても、なびくなよ」
「先輩~ 矢野先輩が僕の事好きになるなんて、天地がひっくり返ってもありませんよ!」
「う~ん、だが、あいつの好きになる人って何時も相手の居るΩだからな~」
「えっ?
先輩、それ知ってたんですか?」
「何?
お前もか?」
「はい、矢野先輩がそう言う風に言ってましたので~」
「お前ら、何でも話してるんだな」
「そう言えば、そうですね~。
まぁ、僕なんて最初から弱いところみられてますからね~」
「……これからは俺の前だけにしてくれ。」
「え?」
「お前の全てがさらけ出せるのは、俺の前だけにしてくれ。
他のヤツに俺の知らないお前は見せたくない」
そう言って先輩はまたコツンと自分のおでこを僕のおでこにくっつけた。
そして「分かったか?」と尋ねたので、僕は「はい~」と返事した。
「それにしても、お父さんは50本バラの花先輩にあげたって言ってたから39本持って帰ったのか~。
皆振り返って面白かった!」
「あいつ、またお前んちに行ったんだな」
「先輩も来ますか?家は何時でも歓迎ですよ」
そう言うと先輩は、
「今はまだ、お前の両親に会うのは緊張するから、それはまた今度な」
と頭を掻いた。
「先輩でも緊張する事あるんですね!」
とびっくりすると、
「お前、俺の両親に何の躊躇も無く、会えるか?」
と先輩が聞いてきた。
「いえ、緊張しすぎて僕、吐いちゃうかも
その前に、僕Ωですよ?
先輩の両親が僕に会わないんでは?」と尋ねると、
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そこが優香よりも難関かもな。」とポツリと言った。
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