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第54話 体育祭の朝2
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「あの…… 先輩……?」
僕は恐る恐る声を掛けた。
もしかして僕と佐々木先輩の事気付いてる?
どこまで知ってるの?
それともただ単にカマかけてるだけ?
先輩はタラ・ラララララ~
とフォークダンスの曲を鼻歌で歌いながら、
一人でクルクルと回ったり、
お辞儀をしたり、
ステップを取ったりした後、
ピタリと止まって僕の方を見据えた。
僕はちょっと金縛りにあったように動けず、
先輩を見た。
先輩は舞踏会のような片足を跪いたような挨拶を僕に向けた後、
僕に手を差し出した。
僕は差し出された手を見て、躊躇したが、
結局は恐る恐るその手を取った。
先輩はニッコリと微笑んで、またフォークダンスの曲を
歌い始めた。
そしてステップを踏みながら、学校への道を進み始めた。
「矢野く~ん、私も混ぜて~」
「よう矢野っち、楽しそうだな」
「浩二! 良いぞ~!」
「お、手を引いてるのは麗しの赤城君ではないか~!」
「先ぱ~い、そこ違いますよ~」
クス・クス・クス
クッ・クッ・クッ
通り過ぎる生徒たちが僕達の踊る姿を見て、
笑いながら声を掛けて行った。
気付くと、周りには沢山の生徒が、
それぞれにダンスしながら僕達の後に続いていた。
「ひ~ 先輩! 凄い人ですよ。
後ろ見て下さいよ~」
「楽しいね~ 僕達3年にとっては最後の体育祭だから
こういうのも良い思い出るになるよね」
そう言って先輩は、僕の手を持つ手に、
更に力を入れて、僕の手をギュッと握りしめた。
僕は言葉を無くして先輩の方を見たけど、
先輩はニコリと微笑んだだけで、
手をつないだまま、また歩き出した。
後ろに居た生徒たちは、未だにフォークダンスの曲を歌いながら、
僕達の後に続居ていた。
僕は、先輩も手も払いのけれず、また、
何の話もすることも出来ず、
ただ黙ったままで、先輩の後を付いて行った。
何だか最近先輩との間がギクシャクしている。
恐らく先輩は、僕の変化に気付き始めている。
きっと、僕が先輩に話すことを待っていてくれてる。
先輩、ごめんなさい。
もうしばらく待って下さい。
何時か先輩が思い出になった時、
必ず、必ず先輩には報告します。
僕は罪悪感を感じながら先輩に連れられて学校への道を歩いた。
「要君、ほら見て!」
沈黙を破って、先輩が声を掛けた。
先輩は校門を指差して、
「凄い人だかりだよ!」
と言った。
先輩が指を差す方を見ると、
結構な人だかりができていて、
皆が僕達が創作したアーチの看板を見上げたり、
アーチを写真に収めたり、
前に立って一緒に写真を撮ったりしていた。
「凄い反響ですね!」
「まあ、あの看板は体育祭の名物の一つになって来てるからね。
来年は君たち後輩に頼んだよ!」
そうか、来年は先輩たちは居ないんだ。
僕は先輩達に置いて行かれるような感覚に陥った。
そう思うと、まだ6月だと言うのに少し悲しくなった。
でも実質的には、あと1か月ちょっとで、
3年生の先輩の部活動は終わってしまう。
イヤだ、イヤだ、イヤだ!
僕を置いて行かないで!
その事を考えると、少し胸が痛んだ。
先輩と知り合ってまだ2か月しか経ってないのに、
もう何年も知っているような気がした。
「先輩たちが居なくなるなんて考えられません」
「まあ、イヤでも月日は流れていくからね~
僕達が部活を引退するのもあっという間だし、
そうこうしているうちに卒業だよね……」
「もし僕に超能力があったら、ここで時間を止めたいです。
先輩達との別れの日が来るなんて、考えたくありません」
そう僕が言うと、先輩は僕を見て少し寂しそうに微笑んだ。
「……HR、始まるね…… そろそろ行こうっか?」
「……そうですね……」
そう言って僕達は傑作物のアーチを潜って、
校庭へと入って行った。
僕は恐る恐る声を掛けた。
もしかして僕と佐々木先輩の事気付いてる?
どこまで知ってるの?
それともただ単にカマかけてるだけ?
先輩はタラ・ラララララ~
とフォークダンスの曲を鼻歌で歌いながら、
一人でクルクルと回ったり、
お辞儀をしたり、
ステップを取ったりした後、
ピタリと止まって僕の方を見据えた。
僕はちょっと金縛りにあったように動けず、
先輩を見た。
先輩は舞踏会のような片足を跪いたような挨拶を僕に向けた後、
僕に手を差し出した。
僕は差し出された手を見て、躊躇したが、
結局は恐る恐るその手を取った。
先輩はニッコリと微笑んで、またフォークダンスの曲を
歌い始めた。
そしてステップを踏みながら、学校への道を進み始めた。
「矢野く~ん、私も混ぜて~」
「よう矢野っち、楽しそうだな」
「浩二! 良いぞ~!」
「お、手を引いてるのは麗しの赤城君ではないか~!」
「先ぱ~い、そこ違いますよ~」
クス・クス・クス
クッ・クッ・クッ
通り過ぎる生徒たちが僕達の踊る姿を見て、
笑いながら声を掛けて行った。
気付くと、周りには沢山の生徒が、
それぞれにダンスしながら僕達の後に続いていた。
「ひ~ 先輩! 凄い人ですよ。
後ろ見て下さいよ~」
「楽しいね~ 僕達3年にとっては最後の体育祭だから
こういうのも良い思い出るになるよね」
そう言って先輩は、僕の手を持つ手に、
更に力を入れて、僕の手をギュッと握りしめた。
僕は言葉を無くして先輩の方を見たけど、
先輩はニコリと微笑んだだけで、
手をつないだまま、また歩き出した。
後ろに居た生徒たちは、未だにフォークダンスの曲を歌いながら、
僕達の後に続居ていた。
僕は、先輩も手も払いのけれず、また、
何の話もすることも出来ず、
ただ黙ったままで、先輩の後を付いて行った。
何だか最近先輩との間がギクシャクしている。
恐らく先輩は、僕の変化に気付き始めている。
きっと、僕が先輩に話すことを待っていてくれてる。
先輩、ごめんなさい。
もうしばらく待って下さい。
何時か先輩が思い出になった時、
必ず、必ず先輩には報告します。
僕は罪悪感を感じながら先輩に連れられて学校への道を歩いた。
「要君、ほら見て!」
沈黙を破って、先輩が声を掛けた。
先輩は校門を指差して、
「凄い人だかりだよ!」
と言った。
先輩が指を差す方を見ると、
結構な人だかりができていて、
皆が僕達が創作したアーチの看板を見上げたり、
アーチを写真に収めたり、
前に立って一緒に写真を撮ったりしていた。
「凄い反響ですね!」
「まあ、あの看板は体育祭の名物の一つになって来てるからね。
来年は君たち後輩に頼んだよ!」
そうか、来年は先輩たちは居ないんだ。
僕は先輩達に置いて行かれるような感覚に陥った。
そう思うと、まだ6月だと言うのに少し悲しくなった。
でも実質的には、あと1か月ちょっとで、
3年生の先輩の部活動は終わってしまう。
イヤだ、イヤだ、イヤだ!
僕を置いて行かないで!
その事を考えると、少し胸が痛んだ。
先輩と知り合ってまだ2か月しか経ってないのに、
もう何年も知っているような気がした。
「先輩たちが居なくなるなんて考えられません」
「まあ、イヤでも月日は流れていくからね~
僕達が部活を引退するのもあっという間だし、
そうこうしているうちに卒業だよね……」
「もし僕に超能力があったら、ここで時間を止めたいです。
先輩達との別れの日が来るなんて、考えたくありません」
そう僕が言うと、先輩は僕を見て少し寂しそうに微笑んだ。
「……HR、始まるね…… そろそろ行こうっか?」
「……そうですね……」
そう言って僕達は傑作物のアーチを潜って、
校庭へと入って行った。
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