悪役令息なのにエロトラに好かれてる俺

あまはねまきあ

文字の大きさ
22 / 48
一年生

変化する定例

 屋敷に帰ってからシャルヴァネラに見つけた鱗を確認宝飾にしてアクセサリーに出来ないかと打診するために渡した。
「……これ、どこで見つけやしたん? あっ、海! 海行きやしたね!! 僕に内緒で! それも! 触手蔓延る海で有名なメアテンタキュラに!!」
「あは……行くつもりは無かったんだよ? そ、それにシャルが丁度その日から俺の剣の改良をってどっか行っちゃったから……」
 いつもより気持ち眉毛がつり上がっているシャルヴァネラだが口がωの形のせいで全く怖くない。それでも怒っているのは本当のようで顔が赤くなっている。
 そんなに一緒に海に行きたかったのか? 俺と?
 もしやこれは王道の従者と主人の主従BL!
 夜は主従関係が逆転するという主従が常にないと味わうことの出来ない……って俺は自分のには興味無いんだが。
 シャルヴァネラは補修した剣を磨きながら俺に言った。
「今後、僕なしで海行っちゃいけまへんからね」
「なんで」
「でももなんでもありません。それに……聞きましたよジークヴェルト様から。ファルト様、また触手に引っかかって、今度は苗床にされかけたって」
「だ、大丈夫だって! 触手は抜いたし卵の有無も確認されたしカナタの女神の浄化してもらったもん!」
 と、言うのもエロ触手は交尾専用の触手にたっぷりと卵が詰め込まれており中出し精液と共に小さい種が植え付けられる。種というか卵だけど。なんて事ないただのエロ触手だが中に卵が残ってた場合よくある実は……。的になるのだ。その為ヴォル様にきっちり確認されたしかなたんから女神の浄化をしてもらった。この女神の浄化、魔物が居なくなるという能力があるのでこの力でダンジョンを浄化していく。女神の聖地である学園のダンジョンを完全攻略、つまり浄化することによって女神たちは本来の力を取り戻し邪神を倒せる。こんなストーリー。
「そうならいいですけど……で、この鱗どうしたいんですか?」
「ん~……なんか綺麗だし取っておきたいなぁって」
「いいんじゃないですか。秘薬として……」
 そういえば、前にこれと似た鱗を屋敷で拾ったな。


「あ、ご機嫌よう。殿下」
「あぁ」
「口癖ですか?」
「……は?」
 定例の茶会。最近カエメト『あぁ』って返事することばかりだ。定例とはいえ茶会の日程は話し合って決める。その度に公務で忙しいはずの殿下は、俺を優先した日程にしてくれている。こういう気遣い出来るのにパンツ食うからな。残念だけど。
 今日はローズピップティーが香る中紫陽花の咲き誇る場所で茶菓子は砂糖たっぷりのミニケーキだった。
「いえ、なんでも。今日は何について話しましょうか」
「婚約……」
「漸く破棄ですか!!!」
「このまま、続けないか」
「は?」
 今度は俺がポカンとする番だった。何で? 裏切ったな! お前のせいだな! イシュメ……と脳内の俺がとてつもなく講義を起こしている中、もしかしてと気がついてしまう。これは……シナリオ通り? と。
 でも確かゲームではカエメトが婚約破棄を申し出てそれをファルトが涙ながらにお願いして、その可愛らしさにぐっと股間が大きくなったカエメトがまぁまぁと婚約を存続させていた。このスチルのファルトえろ可愛いんだよなぁ。
 喜びのあまり立ち上がってしまった俺はゆっくりと座った。
「理由をお聞きしても?」
「……考えたんだ、お前のこと。女神の代行者であるカナタと結婚した方がこの国のためになると、自分に言い聞かせていたが……。矢張り、お前が……運命だと」
「いや違いますカナタが殿下の運命です」
「お前しかいない。私の運命」
「婚約破棄しましょう。やっぱり。私たち距離が必要なのよ。音楽性の違いで解散?」
 バンド結成してたっけ。俺達。でも今のカエメトは冷静じゃないと思ったし、距離が必要だと思った。最近公務で忙しかったのではなかろうか。よしよし、お労しや。
 そう哀れんで俺が見ているのに気づいてるのか気づいてないか分からないけれどカエメトは大きくため息を吐き出した。俺もため息吐きたいけどね?
「恋心を、捨てようとしたんだ。もう俺は、迷わない……。本気でアタックさせてくれ、ファルト」
「ご遠慮します」
「拒否権は無いよ。俺が……お前と両思いになるまで……ね」
「いや両思いなったら僕が拒否することなくなるじゃないですか。今くださ……んッ!」
 なんでやつだ! キスしてきた! キモい!
 話しているうちに立ち上がり始めたのは怪しいと思っていたけれど、まさか本当にキスするなんて。あの時は生か死かみたいな状況だったから、仕方がないとしても今はおかしいだろう。それに舌で押し返していると言うのに絡め取られて吸われる。気持ち悪。
 キスってもっと幸せなもんじゃないのかという不満をカエメトの足を踏んずけて訴えてやるが全く効かない。ここで舌を噛んでやってもいいがそれで王族傷つけたとして裁判にされたりしたら目も当てられない。
 足はいいだろ。落馬とかなんでも捏造してやる。
「ん゙……!!! ん゙ぐぅうううう!!!」
「ずっと……こうしたかった……♡」
「キッッッッッ」
 も、と続けなかった俺を褒めて欲しい。
感想 1

あなたにおすすめの小説

メインキャラ達の様子がおかしい件について

白鳩 唯斗
BL
 前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。  サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。  どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。  ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。  世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。  どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!  主人公が老若男女問わず好かれる話です。  登場キャラは全員闇を抱えています。  精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。  BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。  恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

イケメンダブルセンターとアンチ>ファンな平凡な俺

スノウマン(ユッキー)
BL
アイドルグループ【オーバーウェルミング】は圧倒的な歌唱力の深山影月、圧倒的なパフォーマンス力の漣陽太、そして圧倒的な平凡力な俺間桐真緒の3人で結成されている。  大人気の二人と違いアンチしかいない俺だが、メンバーからもファンからも愛される日が果たしてくるのか!?

おしまいのそのあとは

makase
BL
悪役令息として転生してしまった神楽坂龍一郎は、心を入れ替え、主人公のよき友人になるよう努力していた。ところがこの選択肢が、神楽坂の大切な人を傷つける可能性が浮上する。困った神楽坂は、自分を犠牲にする道を歩みかけるが……

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

少女漫画の当て馬に転生したら聖騎士がヤンデレ化しました

猫むぎ
BL
※イヴ視点26以降(ハルフィリア編)大幅修正いたします。 見てくださった皆様には申し訳ございません。 これからも見ていただけたら嬉しいです。 外の世界に憧れを抱いていた少年は、少女漫画の世界に転生しました。 当て馬キャラに転生したけど、モブとして普通に暮らしていたが突然悪役である魔騎士の刺青が腕に浮かび上がった。 それでも特に刺青があるだけでモブなのは変わらなかった。 漫画では優男であった聖騎士が魔騎士に豹変するまでは… 出会う筈がなかった二人が出会い、聖騎士はヤンデレと化す。 メインヒーローの筈の聖騎士に執着されています。 最上級魔導士ヤンデレ溺愛聖騎士×当て馬悪役だけどモブだと信じて疑わない最下層魔導士

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。