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第一章 二節。
第31話 右腕を失う聖女白姫。
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◇◇◇
世界樹を見上げる。結構想像と違っていて残念だ。
四方八方に太い枝を広げた天まで届いているような世界樹。
そう言うのを想像していたし、絵本にあった世界樹もそんなだった。
正直ガッカリだ。
棒に這って上がるつるじゃんっ!只の草じゃんっ!
アデルハイトの喋り方にもガッカリだった。妖精さんは、「そうッスねぇ。」とか言わ無い。でも、アーデは言う。
「でも、『冒険者組合ユグドラシル支部』ってあるのは驚きました。」
「アリエルさんの仰る通り、わたしも驚きましたが………。」
「ミリディアちゃんの言いたいこと、分かるわよ。こう言いたいのでしょう。『ギルドこそが、亜大陸を統一している』言い換えればギルドが支配している。でしょう。」
「はい。」
「わたくし、最初ミリディアちゃんの『支配計画』訊かせて貰った時、賛成寄りの反対だったの。でも、現実にあるのよね。世界統一している組織が。。。」
「面白そうッスから、あたしは協力するんスよ。ミリディア。」
「私は命尽きるその日迄、お供致します。」
重いですマリーさん。
「わたくしは立場上、協力関係にはなれないわ。」
何故、ミリディアが、復讐から世界支配へと考えが変わったのか?
それは一つの疑問が発端だった。
(何故、叔父様が襲撃出来たのか?誰かの手引きがあったから、ではないか?)
と言うことに考えが到ったが為だ。
そう、(夫婦の寝室への手引き、、、つまり、お母様が共犯、ひょっとすると主犯ではないか?)と言うことだから、(いっそ公爵家なんて失くなってしまえばいい。そう、わたしの支配下に貴族なんか入れてしまえば良いんだ!)
こう、結論付けたのだ。
「だけど、この仕事、ダルいッスねぇーミリディア!」
今、『草刈り』をしているのだ。ユグドラシル周辺と少し上の延びた『つた』を刈っている。
冒険者の仕事は『狩り』だけでは無い。こう言う『刈り』もある。
―――あ、取れた。。。てか、落ちた…………。。。ガシャーンン。
「ああああーーー。わたしの手がああああーーーー。。。」
義手が壊れた。
とうとうこの日が来てしまった。
見るからに、「しょぼーん」っと悄気ているミリディア13歳。
「あああー、どおおしましょおおー。」
『主よ。我を使え。』
「ああ、ありがとーペェタァァー!!」
『……うむ。っと言うか、やはり、そかはかと無く心が死ぬ名だなぁー。』
草刈りを終えたミリディアは、そのまま古竜ペーターに乗って故郷ベルジュ辺境伯領領都ポールウェストゥに旅立った。
◇◇◇
「今はオナペットだが、いずれ私の妻に妃になり、夜な夜な私のズリネタに、、、はっ!私は何を嘴って………。」
「ホント、ウチの国の将来の王太子がバカで、こんなんじゃ担ぐ我々も困っちゃいます。」
「で、どうだった?」
「ええ、潜伏なんてしていなかったみたい。堂々と、冒険者ギルドに行って仕事してたって話しでした。町の人も知ってましたよ。なんでした?『オセロの疾風』って言う五人パーティーだって言うんです。」
「五人?増えたな。」
「はい、特徴からカロリーヌ殿下と殿下付きの侍女アリエルですね。勿論、ローズ=マリー。それと、リコリー嬢。後、エルフがいたようです。」
「…姉上めっ。一緒で羨ましい妬ましい嫉ましい、ぞ!」
「あ、後あれ、なんでこんなに町中が知っているかというと、大きな黒い竜を使役しているのが、ミリディアさん、リコリー嬢だってさ!まぁ、『貴族のお姫様みたいな娘だねぇ。』って、皆さん口を揃えて仰いますね。彼女隠す気無いでしょ?」
ミリディア本人は、庶民ナイズされて庶民ライフを楽しんでいる。つもりなのだが、きっと誰も分かってくれない。みたいだ。
「後、サンレノに放った『影』から、帝国の密偵がリコリー嬢を探してる。だって。」
「『影』?なんだそれは?」
「公爵家の諜報員、僕の私兵ですが何か?」
「ベルナールぅ。最近私に対して酷く無い。。。」
「あー、もう一点、リコリー嬢もうこの街にいないそうです。帝国方面へ向かったと。」
「そうか、我々も行くぞっ!」
そう言って、貝の串焼きの串を投げ棄てる王子であった。
(こう、ゴミを捨てるルーセルって、きっとダメな王様になるんじゃないかなぁー。って僕思う。)
◇◇◇
ベルジュ辺境伯領、海の砦の地方本宅。
辺境伯家は王都にいる。。社交シーズンであるのだ。
夜に令嬢たるリコリーが帰って来たこともあり、お屋敷はお祭り騒ぎだ。砦の兵も集まって来る程の騒ぎになっていた。
世界樹を見上げる。結構想像と違っていて残念だ。
四方八方に太い枝を広げた天まで届いているような世界樹。
そう言うのを想像していたし、絵本にあった世界樹もそんなだった。
正直ガッカリだ。
棒に這って上がるつるじゃんっ!只の草じゃんっ!
アデルハイトの喋り方にもガッカリだった。妖精さんは、「そうッスねぇ。」とか言わ無い。でも、アーデは言う。
「でも、『冒険者組合ユグドラシル支部』ってあるのは驚きました。」
「アリエルさんの仰る通り、わたしも驚きましたが………。」
「ミリディアちゃんの言いたいこと、分かるわよ。こう言いたいのでしょう。『ギルドこそが、亜大陸を統一している』言い換えればギルドが支配している。でしょう。」
「はい。」
「わたくし、最初ミリディアちゃんの『支配計画』訊かせて貰った時、賛成寄りの反対だったの。でも、現実にあるのよね。世界統一している組織が。。。」
「面白そうッスから、あたしは協力するんスよ。ミリディア。」
「私は命尽きるその日迄、お供致します。」
重いですマリーさん。
「わたくしは立場上、協力関係にはなれないわ。」
何故、ミリディアが、復讐から世界支配へと考えが変わったのか?
それは一つの疑問が発端だった。
(何故、叔父様が襲撃出来たのか?誰かの手引きがあったから、ではないか?)
と言うことに考えが到ったが為だ。
そう、(夫婦の寝室への手引き、、、つまり、お母様が共犯、ひょっとすると主犯ではないか?)と言うことだから、(いっそ公爵家なんて失くなってしまえばいい。そう、わたしの支配下に貴族なんか入れてしまえば良いんだ!)
こう、結論付けたのだ。
「だけど、この仕事、ダルいッスねぇーミリディア!」
今、『草刈り』をしているのだ。ユグドラシル周辺と少し上の延びた『つた』を刈っている。
冒険者の仕事は『狩り』だけでは無い。こう言う『刈り』もある。
―――あ、取れた。。。てか、落ちた…………。。。ガシャーンン。
「ああああーーー。わたしの手がああああーーーー。。。」
義手が壊れた。
とうとうこの日が来てしまった。
見るからに、「しょぼーん」っと悄気ているミリディア13歳。
「あああー、どおおしましょおおー。」
『主よ。我を使え。』
「ああ、ありがとーペェタァァー!!」
『……うむ。っと言うか、やはり、そかはかと無く心が死ぬ名だなぁー。』
草刈りを終えたミリディアは、そのまま古竜ペーターに乗って故郷ベルジュ辺境伯領領都ポールウェストゥに旅立った。
◇◇◇
「今はオナペットだが、いずれ私の妻に妃になり、夜な夜な私のズリネタに、、、はっ!私は何を嘴って………。」
「ホント、ウチの国の将来の王太子がバカで、こんなんじゃ担ぐ我々も困っちゃいます。」
「で、どうだった?」
「ええ、潜伏なんてしていなかったみたい。堂々と、冒険者ギルドに行って仕事してたって話しでした。町の人も知ってましたよ。なんでした?『オセロの疾風』って言う五人パーティーだって言うんです。」
「五人?増えたな。」
「はい、特徴からカロリーヌ殿下と殿下付きの侍女アリエルですね。勿論、ローズ=マリー。それと、リコリー嬢。後、エルフがいたようです。」
「…姉上めっ。一緒で羨ましい妬ましい嫉ましい、ぞ!」
「あ、後あれ、なんでこんなに町中が知っているかというと、大きな黒い竜を使役しているのが、ミリディアさん、リコリー嬢だってさ!まぁ、『貴族のお姫様みたいな娘だねぇ。』って、皆さん口を揃えて仰いますね。彼女隠す気無いでしょ?」
ミリディア本人は、庶民ナイズされて庶民ライフを楽しんでいる。つもりなのだが、きっと誰も分かってくれない。みたいだ。
「後、サンレノに放った『影』から、帝国の密偵がリコリー嬢を探してる。だって。」
「『影』?なんだそれは?」
「公爵家の諜報員、僕の私兵ですが何か?」
「ベルナールぅ。最近私に対して酷く無い。。。」
「あー、もう一点、リコリー嬢もうこの街にいないそうです。帝国方面へ向かったと。」
「そうか、我々も行くぞっ!」
そう言って、貝の串焼きの串を投げ棄てる王子であった。
(こう、ゴミを捨てるルーセルって、きっとダメな王様になるんじゃないかなぁー。って僕思う。)
◇◇◇
ベルジュ辺境伯領、海の砦の地方本宅。
辺境伯家は王都にいる。。社交シーズンであるのだ。
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