【完】Ωスパイはターゲットの運命の番に溺愛される!?

白井由紀

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出会い編

出会い編 第一話

窓から明るい日差しが差し込み、日向ぼっこでもしたい。そんな呑気なことを考えている七瀬 凪(ななせ なぎ)はIT企業の総務部で働いている社員

主な仕事は、社内業務。オメガであるため重要な仕事は任されない

こんな日に、日向ぼっこなんか考えてしまう、能天気でドジ…こんな僕が、会社に入っただけでも、Ωである僕なりに頑張ったと思って働いているが、Ωという第2性別を持っていなければ、もっと働けたのかな…なんて、いつも思っている

そう…このオメガという第2性別がなければ…

カタカタカタ…と必要文章をパソコンに打ち込んでいると、背後からぽんっと肩に手を置かれた

誰だろ?と考えたが、気配と、匂いで何となくわかる。この人は〝部長〟だ

Ωなため、いつクビと言い渡されてもおかしくは無い。それに僕のドジをプラスすれば、もうクビは確定したもの…

ゴクリっ…と唾を飲み込み気合いを入れて振り返った

振り返り、部長の目を見て「はい、部長。なんでしょう」と答える

「ちょっと、来てくれるかね?」

なんだろう?と思いつつ「はい」と答えて、部長に着いて行った

部長が来たせいか、呼ばれたということは、僕のクビ確定が雰囲気で伝わっているのかは分からないが、部署の空気感は最悪。

部署内の人に見られたり、コソコソ離されたりしながら、部長について行く

何となく雰囲気でわかる。僕はクビだ

確定しているし、覚悟はしてたけどそうなのか…と落胆していると同じΩであり、同期でもある葵はるとが部署内に響き渡る声で「あちゃ~僕の同期である、七瀬くんがクビになっちゃうのか~、寂しいなぁ~」と言ってきた

寂しくなんかないだろ!いつも上層部のお偉いさんが来たらチヤホヤされてるくせに!

ちょっと顔がいいからって調子乗りやがって!

た、確かに…僕よりかは顔がいいけど…

はるとは童顔で、低身長なのに、スタイルも結構いい。守ってやりたくなるような感じ。髪型は茶色で、程よいぐらいにクルクルしてる。

僕はというと、顔は、普通。可もなく不可もなく。スタイルは普通。守りたいとも思わない体型。髪型は黒髪で、前髪はちょっと目にかかっていて、セットもせずに、下ろしている。至って普通?普通以下の僕が、何故か、はるとは対抗心を燃やしてくる

睨んでやろうかと振り返ろうとしたけれど、クビになることはもう確定みたいだし、ここで何か言ったところで変わらない…

最も、Ωの僕が騒ぎを起こしたなんてなったら、一発でクビ…



***



コツコツ…と足音を立てながら、部署を抜け、応接室とドアに書かれた部屋の前に来たら

部長が先に部屋のドアノブを掴み開け「入りたまえ」と言われたので「失礼します」とお辞儀をして中に入った

中は質素な感じで、2人がけソファーが向かい合って置いてある

クビって話し合うことあるのかな?

クビはさすがにダメだから、辞職するまで、悪いところ全部言われるとか?

どちらにせよ、会社を辞めることは決定か…お金欲しかったのに…と悔やんでいると「座りたまえ」とソファーの方から部長の声がした

即座に「はい!」と返事をして、部長と向かい合って座る

部長は真剣な顔で「君には、スパイになってもらう」と言われた

……スパイ!?
    
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