進む

16

僕の前であのあの言うクズが鬱陶しかったから
優しい優しい僕は
「なに!!」って睨みつけながらクズに聞いてやった。

そしたらクズは、うって言葉に詰まって情けない顔をしてた。


ハッ。イケメンもあんな顔してたらイケメンの持ち腐れだね！


いっちゃんの唇を奪っといて優しく話しを聞いてもらえると思ってたのかよ!?


これだからクズはっ！


…でも両想いならこれは僕が口出ししていい問題じゃないのか？


だって、もしいっちゃんが嬉しいんだったら！


ぐっ！嫌だけどすっごくイヤイヤだけどクズを
気がすむまで殴り倒したいけど…。


いっちゃんが嬉しそうにしてたら…僕は僕は！


祝福してあげなくてはっ！


と心の中で祝福の覚悟を決めていたら。


「ご…誤解なんだ!!キスするつもりはなかったんだ!!」


と叫びだした。


うん。するつもりはなくてもいっちゃんに
キッスしてたのは事実だよね。


うん。許せん。


「キスは事故で、高崎とは付き合ってるとかじゃないんだ!!だから佐伯には誤解して欲しくないんだ！」


はぁ!?事故ってそんな幸せな事故あってみたいわ！


付き合ってない＝これから付き合う


そう言う意味ですか？両想いですからねっ！


はいはい！自慢はいいですよ！


んっ？なんで僕に誤解して欲しくないんだ？