461さんバズり録〜ダンジョンオタク、攻略ガチ勢すぎて配信者達に格の違いを見せ付けてしまう 〜

三丈夕六

文字の大きさ
2 / 302

第2話 461さん、配信される。【配信回】

しおりを挟む
「アイルだっけ? ほら」

 アイルに小瓶を渡す。

「何よこれ?」

「毒耐性薬だ。ドラゴンゾンビは毒霧どくぎりブレスを使う……吸い込みそうになったら早めに飲め。耐性付くから」

「わ、分かったわ」

「じゃ、お前は距離取れよ!」

 アイルを残してドラゴンゾンビへと駆け出す。


「グルオオオオオオオオオオ!!!」


 まずはふところに飛び込まないとな。


〈461さんwww無茶すんなw〉
〈Dランクじゃ無理ぃぃぃぃ!!〉
〈アイルちゃん……死なないで……〉
〈探索者名『461さん』ってふざけすぎじゃね?〉
〈装備ザッコw〉
〈ダンジョン舐めんな〉


 ん?


 耳元に何か飛んでる。


 横目で見るとさっきのドローンが飛んでいた。


 鬱陶うっとうしいな。


 顔の近くを飛ぶドローンを手で追い払う。

〈うっざw〉
〈画面揺れひどっ!?〉
〈酔うじゃん……〉
〈調子乗んな!〉


 アイルに視線を向けるが、彼女は部屋の隅で心配そうに見てるだけ……自動で飛んでるのか?

 まぁいいや。集中しよ。


「グルォ!!」


 ドラゴンゾンビが頭上で尻尾を二度振・・・・・・る。薙ぎ払い前のモーション。ここから3秒後に尻尾ぎ払い攻撃が来る。




 3。


〈ドラゴンゾンビ怖えぇ〉
〈はいはいwアイルちゃんに良いとこ見せたいの分かったからww〉
〈どうして461さんすぐ死んでしまうん?〉
〈ミンチとか見たくね~〉


 2。

〈やめとけおっさん〉
〈死ぬ死ぬw〉
〈アイルちゃん早く逃げてええ!!〉
〈グロ勘弁してくれよマジで〉

 1。

〈だから逃げろって!〉
〈お前じゃ無理~!!〉
〈はい逝った~!!!〉
〈無謀すぎ〉

 0。

 ──来る。



  カウント終了と共に立ち止まりバックステップする。


「グルアアアアアアアア!!」


 尻尾によって起こされた風が暴風のように襲いかかり、ドラゴンゾンビの薙ぎ払いが目の前を・・・・通り過ぎた・・・・・


 よし。カウント通り。体は覚えてるな。


〈!?!??!???!?〉
〈えええぇぇぇぇえええ!?〉
〈はあああああああああああ!?!?〉
〈えええええええええええええ!?〉
〈は? え?〉
〈避けた!?〉
〈ギリギリじゃん!?〉


 ぎ払いが終わる前に一気にドラゴンゾンビの懐に飛び込み、ショートソードで2回切り付ける。


「グアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


 怒り狂うドラゴンゾンビが強靭きょうじんな脚を叩き着ける。それをローリングで避け、再び斬撃を放つ。

〈怖えぇぇ!〉
〈よく動けるな〉
〈普通の動きに見えるのに〉
〈攻撃読んでる?〉

「グウウウウオオオオオオオ!!!」

 ドラゴンゾンビが翼を広げ舞い上がり、空中から俺へと狙いを定めた。

 空中からの突撃は安置安全地帯がある。この位置からだとヤツの左脚へ飛び込めば……。


「グルアアアアアアアアア!!」


 翼を広げ急降下するドラゴンゾンビ。その左脚目掛けて真っ直ぐ駆け出す。

〈なんで突撃w〉
〈ヤバすぎだろ!〉
〈今度こそ終わった……〉
〈逃げろって!!〉

 ドラゴンの爪が俺をとらえる刹那せつな。大地へと飛び込み。再びヤツの足元にもぐり込む。

 頭上をドラゴンの爪がかすめた。


 うぉっ! 今回はギリだったな。


〈!!?!!?!??!?〉
〈えええええぇぇぇぇ!?〉
〈2回目!?〉
〈なんで当たんねぇんだよ!?〉
〈未来予知スキル!?〉


 ……ヤツの口がひくついてるな。そろそろブレスが来る。


「アイルだっけ? そろそろ毒霧ブレス来る! 毒耐性薬飲んどけよ!!」

 アイルに注意を促し、袋から取り出した毒耐性薬を取り出す。ドラゴンゾンビへと意識を向けながら耐性薬を一気に飲み干した。

〈なんか飲んでるw〉
〈余裕だな〉
〈回復薬?〉
〈ダメージ喰らってねぇだろ〉

 その直後。

「カアアッ!!」

 ドラゴンゾンビが口から霧状のブレスを吐き出した。


〈毒霧ブレスかよ〉
〈アイツ、ドラゴンの攻撃モーション覚えてんのか〉
〈結構配信見てる俺でも初めてのモンスターなんだが?〉
〈なんでそんなヤツ知ってんだよ〉


 毒耐性薬で毒は効かない。ブレス後の隙をついて再びヤツへと近づきショートソードを突き刺した。

「グアアアアアアアア!?」

 雄叫びをあげて倒れるドラゴン。その腹部、心臓があった場所を連続で斬り付ける。


「ギャアアアアアアアア!?」


 竜が苦しみの声を上げる。心臓の名残はドラゴンゾンビの弱点。そこに攻撃を加えることで通常の何倍ものダメージを与えることができる。


〈ドラゴンゾンビ倒れたぞ!〉
〈いけるいける!〉
〈もっと攻撃しろ!!〉
〈地味だけどSUGEEE!!〉


「よっと」


 ドラゴンに不穏な動きを感じ、ローリングして距離を取る。


〈あ、バカ!〉
〈もっといけるだろ!〉
〈ダウンしてんだぞドラゴン!!〉
〈これだから素人はよぉ……〉


 直後、ドラゴンが起き上がりと同時にその尻尾を薙ぎ払う。その尻尾はガリガリと大地をえぐり取った。


〈っぶねぇ~!?〉
〈起き上がり攻撃まで読んでたのかよ〉
〈紙一重w〉
〈お前らごめんなさいは?〉
〈ごべぇ゛ぇ゛ん゛〉
〈ええんやで〉


「行くぞ!!!」

 尻尾攻撃が終わると同時に全力疾走する。

 そして、ドラゴンゾンビの胸に再びショートソードを突き刺した。


「グギャアアアアアアアアアアアアア!!!??」


 辺りに響く断末魔の絶叫。のたうち回るドラゴンゾンビに何度もショートソードを突き刺す。すると突然、ドラゴンは糸が切れた人形のように地面へと倒れ込んだ。


〈うおおおおお!!〉
〈倒したあああああ!!〉
〈おっさんやるじゃん〉
〈ヤベェ……鳥肌立った……〉
〈思わず録画してたわ〉


 脚でドラゴンゾンビの顔面を何度か押す。動かないことを確認してから腰のダガーを引き抜いた。


 ドラゴンゾンビの素材も採集しとかないとな。


 ダガーを突き刺し、肉を切り裂いた。体の中に手を突っ込み、ドラゴンゾンビの骨を取り出した。


〈ぎゃあああああ!?〉
〈グッロwww〉
〈モザイク入れろや〉
〈ちょっと興奮してきたw〉
〈コメ民に変態がいる〉


「な、何やってんの?」


 ふと気づくとアイルが後ろに立っていた。震える体を両手で抱きしめながら。

「見たら分かるだろ。素材を採取さいしゅしてんだよ」

「そんなの採取してどうすんのよ?」

「メリカリで売るんだが?」


〈メリカリwww〉
〈メリwwwカリwwwww〉
〈生活感wwwwww〉
〈メリペイ生活?〉
〈おもしれwww〉


「め、メリカリ……」

 アイルは困惑したような顔をした。


 ……。


 その日。ダンジョン配信者、天王洲てんのうずアイルの配信を通して461さんのドラゴンゾンビ戦は全国へと配信された。

 ダンジョン配信者ラルゴは天王洲アイルを脅したことで大炎上。その情報はネットに広く拡散された。それと同時に、461さんは瞬く間に話題になり、ツェッターでもトレンド1位になるほど人々の注目を集めることとなった。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...