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第191話 北棟の攻防
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461さん達が南棟を攻略している頃。
──旧都庁・北棟25階。
~ポイズン社長~
都庁の北棟は竜人達の巣窟だ。2階の時点から大量の竜人達が守りを固め、俺達を待ち伏せしていやがった。防衛戦のように守りを固める竜人達。そこに鯱女王が突撃する事で敵の陣形に穴を開け、タルパちゃんの大量のぬいぐるみが雪崩れ込んで敵を撹乱することでなんとか対抗した。
俺達はと言うと……。
「武史は防御! パララは麻痺魔法! フィリナは拘束頼む!」
指示を出した瞬間、武史が襲いかかる竜人の前に立ち塞がる。3体の竜人が剣を振るうが、武史のスキル「鉄壁」がヤツらの攻撃を防いだ。
「やっぱガランドラほどやないで! これなら俺でも止められる!」
武史が大剣で竜人を押しのけ、ヤツらがバランスを崩した所を横に薙ぎ払う。竜人達は武史の攻撃をモロに食らって倒れ込んだ。
「今やパララもん!」
「麻痺魔法!!」
「ぐうっ!? こ、この……っ!?」
パララが3体に麻痺魔法を打ち込む。立ち上がろうとしていた竜人達は、足をもつれさせて再び地面へと倒れてしまう。
「アイヴィーレスト!!」
フィリナが魔法を発動する。地面から生えた無数のツタが竜人達を拘束した。
「よし! シン! タルパちゃん! トドメ行くぞ! 腕輪外すの忘れるなよ!」
「はい!」
「分かりました!」
拘束した竜人に駆け寄って腕輪を外す。暴れる竜人の胸を剣で突き刺すと、竜人はその体からレベルポイントの光を発動させ、俺達のスマホに吸収された。
『レベルポイントを500pt獲得しました』
500pt……俺達6人の均等割で考えると通常の竜人は1人3000pt程度か。1体ずつは強力だけど、複数人で確実に攻めていけばなんとかなる。
「貴様がリーダーか!!」
突然、1体の竜人が俺に襲いかかってきた。俺はその攻撃を回避して、猛毒の牙を発動する。空中に浮かんだ8本の緑の矢。剣で相手の攻撃をいなしながら、それを竜人に打ち込んでいく。
「あ、ぐ……急に、苦しく……」
毒が回り竜人の動きが悪くなる。ヤツが剣を振りかぶった瞬間、パララが麻痺魔法を発動した。
「がっ!?」
「私に任せて下さい!」
タルパちゃんの召喚した小さな熊のぬいぐるみが竜人の腕に組み付き、腕輪を外す。その瞬間を見計らって、剣で竜人の首を一閃する。動きを止めた竜人はバタリと倒れ込み、レベルポイントの光を溢れさせた。
「ありがとなタルパちゃん!」
周囲の敵は片付けた。何とか腕輪を外しながら倒せてはいるけど、俺達6人で相手できる竜人は3体以下……じゃないと押されるし。効率は良くないな。進むのに時間は食っちまう。
「水流激《ウォーターフロウ》」
「があああ!?」
鯱女王が駆け抜け、腕輪が付いたまま竜人達を倒してしまう。うわぁ……俺達の苦労が……。
「ちょっと!? 何を考えているのですか!?」
フィリナが怒って文句を言うが、お構いなしに敵を倒し続ける鯱女王。彼女と戦っていた10体の竜人は、あっという間に全て倒されてしまった。
「聞いておられるのですか!? 貴女のせいでみんなの苦労が」
「知らない。倒すのは僕がやるから君達で勝手にフォローしなよ」
「ぐ、ぐぬぬぬ……なんと勝手な方なのですか貴女は……っ!」
「ま、まあいいじゃんフィリナ。先に進んでるのは事実だしさ。1人で10体も倒してるんだぜ? 腕輪取る余裕がさ、無くても」
「よくありません!!」
見かねて止めに入ったらフィリナに怒られてしまう。怖えぇぇ……俺達といる時はおっとりしてるフィリナがここまでキレ倒すなんて……よっぽど鯱女王と馬が合わないんだろうなぁ。
鯱女王が涼しい顔でスマホを触り出して、またフィリナが怒り出す。俺は、怒るフィリナを必死に宥めた。
なんか、461さんに「頼んだ」って言われたけど、これも想定されていた気がする。まだ後20階近くあるんだよなぁ……気が遠くなるなコレ。
「鯱女王さんにそういう事期待しても疲れるだけですよ」
「そうです。頭痛くなるだけですよフィリナさん」
肩をすくめるシンに諦めた様子のタルパちゃん。2人とも鯱女王を連れて俺達を助けてくれたけど、苦労したんだろうなぁ。
あくまでこれはイァク・ザァド戦の地盤作り。なるべく多くの竜人を倒してボス戦を邪魔されない為の攻略だ。そうやって割り切れば良いんだろうけど、それだけじゃ済まないのが人情らしい。
「ですが、せっかくみなさんがんばっているのにぃ!」
フィリナが頬を膨らませて鯱女王を睨み付ける。鯱女王は彼女の恨めしげな視線なんて気にも止めないように次の階に行ってしまった。
「あ、行っちゃったのだ! 自己チューなのだ!」
「強いけど厄介なヤツやなぁ~」
散々な言われようだな、鯱女王……。
……。
…。
鯱女王の後を追いかけながら北棟を登る。俺達はとにかく竜人の腕輪を外す事に集中した。鯱女王は鬱陶しそうだったけど、そのおかげでなんとか全体の3分の2は腕輪を外してから倒す事ができた。
そうして登ること2時間。俺達はついに展望台へと辿り着いた。
◇◇◇
45階展望台。そこには今までの比じゃない量の竜人が待ち構えていた。
広い空間に2体の竜人。その背後に30体以上の竜人の戦士や魔導士達がいた。しかし、そこに肝心の司祭はいない。
竜人達の背後を見ると、まだ上に続く階段があった。この上に親玉がいるってことか……。
「あの2体! アイツらガランドラと一緒にいた竜人や!」
武史が教えてくれる。竜人達を率いているのがダルクという戦士と魔導士のベイルストという2体の竜人だと。
アイツらは他のヤツらより強そうだな。
2体の竜人は周囲に向かって叫んだ。
「我らがあの大剣使い達をやる! 残りの者達は総力を上げてガランドラ様を倒した女を殺せ!!」
「魔導士は魔法の準備だ! 槍兵はあの女に突撃しろ!」
ダルク達の合図で他の竜人達が鯱女王だけに攻撃を仕掛ける。鯱女王は、ヤツらの猛攻を避けながら階段を駆け降りて行った。下にも広いフロアがあったけどそこで戦うつもりか? それかあの竜人達に上手く誘導されたのかも……。
「フッ。コレであの厄介な女は消えた」
「後は雑魚ばっかだしな! ぶっ殺してやるぜ!」
ダルクとベイルストが武器を構える。
鯱女王の足止めしてる間に俺達の数を減らす作戦かよぉ。鬱陶しいな。
「クソ、舐められとるなぁ」
「鯱女王しか眼中に無いのだ。腹立つのだ!」
武史とパララがイラついたように声を漏らす。俺は落ち着かねーと。
冷静になれ、俺。
敵の実力を見極めろ。
2体の竜人を観察する。他のヤツらより良い装備に、他の竜人達が従ってるのを見ると、かなりできそうだ。
ダルクの腰に携えてるのはロングソードだ。竜人の力での一撃は厄介そうだな。それとなくベイルストに指示も出してる。アイツが向こうのリーダーだろう。
ベイルストは魔導士だが頭は良くなさそうだ。撹乱してダルクと分断すれば……。
俺達も1人って訳じゃねぇ。俺達のパーティに加えてシンとタルパちゃんもいる……やってやる。今回はイケるはずだ!
「パララ! ドローン飛ばせ! 配信して気合い入れるぜ!」
「了解なのだ! みんなに見て貰うのだ!」
パララがドローンを飛ばす。少し緩いやり取りをするコメントを見ると、高まっていた緊張感が和らいだ。やっぱり俺は配信者だな。こっちの方が本領発揮できそうだ。
ダルク達が俺達を見てニヤリと笑う。
「ふん、我らには勝てぬという事を教えてやる!」
「泣き喚かせてやるよぉ!!」
2人の竜人が同時に走り出す。俺達は、2人の竜人との戦闘を開始した。
──旧都庁・北棟25階。
~ポイズン社長~
都庁の北棟は竜人達の巣窟だ。2階の時点から大量の竜人達が守りを固め、俺達を待ち伏せしていやがった。防衛戦のように守りを固める竜人達。そこに鯱女王が突撃する事で敵の陣形に穴を開け、タルパちゃんの大量のぬいぐるみが雪崩れ込んで敵を撹乱することでなんとか対抗した。
俺達はと言うと……。
「武史は防御! パララは麻痺魔法! フィリナは拘束頼む!」
指示を出した瞬間、武史が襲いかかる竜人の前に立ち塞がる。3体の竜人が剣を振るうが、武史のスキル「鉄壁」がヤツらの攻撃を防いだ。
「やっぱガランドラほどやないで! これなら俺でも止められる!」
武史が大剣で竜人を押しのけ、ヤツらがバランスを崩した所を横に薙ぎ払う。竜人達は武史の攻撃をモロに食らって倒れ込んだ。
「今やパララもん!」
「麻痺魔法!!」
「ぐうっ!? こ、この……っ!?」
パララが3体に麻痺魔法を打ち込む。立ち上がろうとしていた竜人達は、足をもつれさせて再び地面へと倒れてしまう。
「アイヴィーレスト!!」
フィリナが魔法を発動する。地面から生えた無数のツタが竜人達を拘束した。
「よし! シン! タルパちゃん! トドメ行くぞ! 腕輪外すの忘れるなよ!」
「はい!」
「分かりました!」
拘束した竜人に駆け寄って腕輪を外す。暴れる竜人の胸を剣で突き刺すと、竜人はその体からレベルポイントの光を発動させ、俺達のスマホに吸収された。
『レベルポイントを500pt獲得しました』
500pt……俺達6人の均等割で考えると通常の竜人は1人3000pt程度か。1体ずつは強力だけど、複数人で確実に攻めていけばなんとかなる。
「貴様がリーダーか!!」
突然、1体の竜人が俺に襲いかかってきた。俺はその攻撃を回避して、猛毒の牙を発動する。空中に浮かんだ8本の緑の矢。剣で相手の攻撃をいなしながら、それを竜人に打ち込んでいく。
「あ、ぐ……急に、苦しく……」
毒が回り竜人の動きが悪くなる。ヤツが剣を振りかぶった瞬間、パララが麻痺魔法を発動した。
「がっ!?」
「私に任せて下さい!」
タルパちゃんの召喚した小さな熊のぬいぐるみが竜人の腕に組み付き、腕輪を外す。その瞬間を見計らって、剣で竜人の首を一閃する。動きを止めた竜人はバタリと倒れ込み、レベルポイントの光を溢れさせた。
「ありがとなタルパちゃん!」
周囲の敵は片付けた。何とか腕輪を外しながら倒せてはいるけど、俺達6人で相手できる竜人は3体以下……じゃないと押されるし。効率は良くないな。進むのに時間は食っちまう。
「水流激《ウォーターフロウ》」
「があああ!?」
鯱女王が駆け抜け、腕輪が付いたまま竜人達を倒してしまう。うわぁ……俺達の苦労が……。
「ちょっと!? 何を考えているのですか!?」
フィリナが怒って文句を言うが、お構いなしに敵を倒し続ける鯱女王。彼女と戦っていた10体の竜人は、あっという間に全て倒されてしまった。
「聞いておられるのですか!? 貴女のせいでみんなの苦労が」
「知らない。倒すのは僕がやるから君達で勝手にフォローしなよ」
「ぐ、ぐぬぬぬ……なんと勝手な方なのですか貴女は……っ!」
「ま、まあいいじゃんフィリナ。先に進んでるのは事実だしさ。1人で10体も倒してるんだぜ? 腕輪取る余裕がさ、無くても」
「よくありません!!」
見かねて止めに入ったらフィリナに怒られてしまう。怖えぇぇ……俺達といる時はおっとりしてるフィリナがここまでキレ倒すなんて……よっぽど鯱女王と馬が合わないんだろうなぁ。
鯱女王が涼しい顔でスマホを触り出して、またフィリナが怒り出す。俺は、怒るフィリナを必死に宥めた。
なんか、461さんに「頼んだ」って言われたけど、これも想定されていた気がする。まだ後20階近くあるんだよなぁ……気が遠くなるなコレ。
「鯱女王さんにそういう事期待しても疲れるだけですよ」
「そうです。頭痛くなるだけですよフィリナさん」
肩をすくめるシンに諦めた様子のタルパちゃん。2人とも鯱女王を連れて俺達を助けてくれたけど、苦労したんだろうなぁ。
あくまでこれはイァク・ザァド戦の地盤作り。なるべく多くの竜人を倒してボス戦を邪魔されない為の攻略だ。そうやって割り切れば良いんだろうけど、それだけじゃ済まないのが人情らしい。
「ですが、せっかくみなさんがんばっているのにぃ!」
フィリナが頬を膨らませて鯱女王を睨み付ける。鯱女王は彼女の恨めしげな視線なんて気にも止めないように次の階に行ってしまった。
「あ、行っちゃったのだ! 自己チューなのだ!」
「強いけど厄介なヤツやなぁ~」
散々な言われようだな、鯱女王……。
……。
…。
鯱女王の後を追いかけながら北棟を登る。俺達はとにかく竜人の腕輪を外す事に集中した。鯱女王は鬱陶しそうだったけど、そのおかげでなんとか全体の3分の2は腕輪を外してから倒す事ができた。
そうして登ること2時間。俺達はついに展望台へと辿り着いた。
◇◇◇
45階展望台。そこには今までの比じゃない量の竜人が待ち構えていた。
広い空間に2体の竜人。その背後に30体以上の竜人の戦士や魔導士達がいた。しかし、そこに肝心の司祭はいない。
竜人達の背後を見ると、まだ上に続く階段があった。この上に親玉がいるってことか……。
「あの2体! アイツらガランドラと一緒にいた竜人や!」
武史が教えてくれる。竜人達を率いているのがダルクという戦士と魔導士のベイルストという2体の竜人だと。
アイツらは他のヤツらより強そうだな。
2体の竜人は周囲に向かって叫んだ。
「我らがあの大剣使い達をやる! 残りの者達は総力を上げてガランドラ様を倒した女を殺せ!!」
「魔導士は魔法の準備だ! 槍兵はあの女に突撃しろ!」
ダルク達の合図で他の竜人達が鯱女王だけに攻撃を仕掛ける。鯱女王は、ヤツらの猛攻を避けながら階段を駆け降りて行った。下にも広いフロアがあったけどそこで戦うつもりか? それかあの竜人達に上手く誘導されたのかも……。
「フッ。コレであの厄介な女は消えた」
「後は雑魚ばっかだしな! ぶっ殺してやるぜ!」
ダルクとベイルストが武器を構える。
鯱女王の足止めしてる間に俺達の数を減らす作戦かよぉ。鬱陶しいな。
「クソ、舐められとるなぁ」
「鯱女王しか眼中に無いのだ。腹立つのだ!」
武史とパララがイラついたように声を漏らす。俺は落ち着かねーと。
冷静になれ、俺。
敵の実力を見極めろ。
2体の竜人を観察する。他のヤツらより良い装備に、他の竜人達が従ってるのを見ると、かなりできそうだ。
ダルクの腰に携えてるのはロングソードだ。竜人の力での一撃は厄介そうだな。それとなくベイルストに指示も出してる。アイツが向こうのリーダーだろう。
ベイルストは魔導士だが頭は良くなさそうだ。撹乱してダルクと分断すれば……。
俺達も1人って訳じゃねぇ。俺達のパーティに加えてシンとタルパちゃんもいる……やってやる。今回はイケるはずだ!
「パララ! ドローン飛ばせ! 配信して気合い入れるぜ!」
「了解なのだ! みんなに見て貰うのだ!」
パララがドローンを飛ばす。少し緩いやり取りをするコメントを見ると、高まっていた緊張感が和らいだ。やっぱり俺は配信者だな。こっちの方が本領発揮できそうだ。
ダルク達が俺達を見てニヤリと笑う。
「ふん、我らには勝てぬという事を教えてやる!」
「泣き喚かせてやるよぉ!!」
2人の竜人が同時に走り出す。俺達は、2人の竜人との戦闘を開始した。
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