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第259話 未来の家族
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名護さんにお別れを言って、私達はマンションへ帰った。
私が住んでいるのと同じ湯島のマンション。中へ入ると、テーブルに子供用のファンシーな色合いの椅子が置いてあって、家具にもペタペタとシールが貼られていた。同じ家なのに子供がいるだけでこんなに雰囲気が変わるの?
戸惑っていると手を引っ張られる。下を見ると、満面の笑みを浮かべたユウちゃんが私を見上げていた。
「あそぼ!」
「え、あ、え~と……」
「アイル君、夕飯を用意するからそれまで遊んでやってくれ」
リレイラに背中をポンと押される。リビングに入ると、ユウちゃんが恐竜のぬいぐるみを渡してくる。
「アイルちゃんはモンスターね!」
リレイラの真似をして私の事を「アイル」と呼ぶユウちゃん。遊ぼうとは言われたけどまさかダンジョンゴッコとは……さすがヨロイさんとリレイラの子供ね……。将来有望すぎだわ……。
……。
「が、がおおぉぉぉ……!!」
「えい! えい!」
それからしばらくユウちゃんと遊んだ。ユウちゃんがスポンジの剣でぬいぐるみをビシビシ叩く。3歳のユウちゃんのワンテンポ遅れるような動き。少しよちよちとした足取りが見ていて怖い。
怪我させないかとヒヤヒヤしていると、洗濯機をかけていたカナがリビングに戻って来た。私達の様子を見たカナがため息を吐く。
「ダメね……全っ然ダメ。そんなんじゃユウの遊び相手は務まらないわ」
「はぁ? じゃあ手本見せなさいよ」
「いいわ」
カナがおもちゃ箱からカラスのぬいぐるみを取り出してユウちゃんと向かい合う。そして、彼女からは想像できないような声で叫び声を上げた。
「カアアアアアアァァァ!!!」
は?
超リアルな雄叫びを上げたカナ。彼女は大袈裟な動きをしながらカラスのぬいぐるみで飛ぶような動きをし、ゆっくりユウちゃんに向かって降下させた。
ユウちゃんはそれを見てゴロリと転がってカラスの降下攻撃を回避。スポンジの剣でビシビシとカラスを殴った。
カナが再びぬいぐるみを空へ飛び立たせ、何度も降下してユウちゃんを狙う。その度にユウちゃんはゴロリと転がって攻撃を仕掛けていく。そのうちカナは、左手でもう1つカラスのぬいぐるみを取り出し、2体のカラスで攻撃を仕掛けた。
この動き……どこかで見た気がすると思ったら、代々木公園にいるカラス型モンスター、モルデンクロウの動きそっくりだ。動きは大袈裟でゆっくりだけど、攻撃モーション、仲間を呼ぶ習性……モルデンクロウそのものだ。
「えいっ!」
やがてユウちゃんが大振りの一撃を与えるとカナは一際大きな声を上げた。
「ガアアアアアアアアアァァァ!?」
「やったぁ!」
カナが大袈裟に倒れ込むとユウちゃんがピョンピョン飛び跳ねて喜ぶ。そのままユウちゃんがカナに飛び付くと、カナは立ち上がってユウちゃんをヒョイっと持ち上げる。そして空中へポンポン投げて、ユウちゃんをギュッと抱きしめた。
「すごいわね~!!」
すご。遊びというか……物凄く合理的な訓練にも見える。これを遊びでやってるの? 将来とんでもない事になりそう……。
「カナ! もっかい遊ぼ!」
「え~? もうすぐご飯だよ~?」
ユウちゃんを抱きしめてクルクル回るカナ。楽しそうに笑うユウちゃん。ユウちゃんが安心して身を任せている様子を見て、この2人が本当の家族のように見えた。
カナ、楽しそうね。
「アイルちゃんも一緒に遊ぼ!」
ボーッとしているとユウちゃんに誘われた。結局私は、カナにダメ出しを受けて喧嘩しながらユウちゃんと遊んだ。
……。
その後、みんなと一緒に夕食を食べた。リレイラが作ってくれたご飯は久しぶりな感じがして、美味しくて、なんだか懐かしくて、煮物のレンコンを食べた瞬間ボロボロと涙がこぼれ落ちてしまった。
私の泣き顔を見てユウちゃんが不思議そうな顔をする。リレイラは私の事を優しく見つめてくれていて、余計に涙が溢れてしまった。
ユウちゃんやリレイラ、カナといるのが楽しくて……ずっと昔、お父さんが家に帰って来た時の事を思い出した。
◇◇◇
リレイラがユウちゃんをお風呂に入れている間に、カナは食器を洗っていた。なんだか申し訳なくて、私も彼女を手伝うことにした。
「さっきの遊び何よ? ユウちゃんを探索者にする気?」
「配信を見たユウが私達の真似をしたがるの。だから本気で遊んでる。役に立つように」
もしユウちゃんが大人になって探索者になった時、困らないようにしているのね。
「ねぇ、ユウちゃんって男の子? 女の子?」
「言わない。楽しみが減っちゃうでしょ?」
「何よそれ」
さっきまでツンケンしてたのに、ユウちゃんの事になると優しい顔をするの見るとなんだか笑えてくる。ユウちゃんの事、大好きなんだな。
笑いを堪えながら食器を洗っていると、カナがポツリと呟いた。
「……私はね、この未来が好き。ユウが好き。家族が好きなの」
「うん、アンタの顔見ていたら大切なんだなって分かるわ」
だからカナはピリピリしていたんだ。自分にとって大事な物を家族を守ろうとしていたから。
……ユウちゃんと接して私もそれを感じた。私の大好きなヨロイさんとリレイラ。その2人の大切な子供……それは無かったことにしちゃいけない。
洗い物をしながらイシャルナの事を考える。彼女は「明日へ生きられない」と言った。私には彼女の抱えていたものは分からない。
だけど彼女を……イシャルナを取り込んだエモリアを倒さなければこの世界は消えてしまう。ユウちゃんも消えてしまう。それを奪う権利は、たとえ神様でも無いと思う。
だから絶対エモリアを倒さないと。私だけじゃなくて、ユウちゃんや、みんなの為に。
もう一度エモリアの能力を思い出す。
時間魔法に次元魔法……思念の読み取り。ここに来るまでカナやリレイラと話していて、ある事を思い付いた。
相手はリレイラ達の世界を作った神様の1人だ。不完全だったイァク・ザァドのように息の根を止めるのは難しいだろう。時間魔法を使うという事は、九条のようにダメージも即座に回復できると考えていい。
だけど、手が無い訳じゃない。あいつはイシャルナを取り込んだ事で実体化したように見えた。なら、彼女を分離すれば実体化する前の状態に戻せると思う。私の仲間なら、シンなら……それができる。
問題は、リレイラも言っていた思念を読み取る力だ。アレがある限り、どんな作戦も先読みされてしまうから。
もっと考えるんだ、私。
思念……思考……あいつはそれを触角で掴む。なら、それを破壊すれば……いや、ダメだ。そもそも思考が読まれるんだから、狙いが読まれてしまう。
だったら思念読み取りを撹乱して……でも、あの時私達は5人しかいなかった。もし、捕まったスージニアを助け出しても6人……人手が足りない。
多彩な攻撃方法を持つエモリアと戦うにはもっと人がいるのに……でも、あの時間魔法で飛ばされた瞬間に帰っても仲間を集める時間もないし。そもそも思考の読み取りを妨害するには5人や10人じゃ足りない気がする。
思念読み取りを撹乱するにはもっと人がいる。ヤツと戦うメンバーももっと欲しい。
でも私達にはその方法がない。ううん……どうすれば……。
「アイル、アンタは聞いた事だけ鵜呑みにするの?」
突然カナに煽られた事に怒りが湧く。
「はぁ!? 私が一生懸命考えてるのにどういう……」
しかし、カナの顔は真剣そのものだった。それを見て、一気に冷静になる。
聞いた事を鵜呑みにする?
……そういえば。
カナは「自分が聞いた事しか言えない」と言った。そして「私がエモリアを倒す方法を思い付かないといけない」とも言った。
それに気付いた瞬間、思考が回り始める。もしかして……それって裏を返せばカナが言っていない事に答えが隠されてる?
「ね、ねぇカナ? 明日私が過去に帰った時、それって私はエモリアに飛ばされた直後の……時の迷宮に戻るの?」
「言えない」
これって……ヒントなんだ。
時間魔法は望んだ時代に飛ぶとカナは言った。それは行きだけじゃなくて帰りも同じなのかもしれない。
「もしかして、時の迷宮で私達が戦っていた頃、外では何かが起きていたんじゃない?」
「……言えないわ。絶対に」
やっぱりそうか。なら、こう考えればいい。
この未来を守ってユウちゃんが生まれるようにするには、エモリアが復活した後に倒さなければならない。
九条が私やジーク達を襲ったのを止める事はできない。だけど、時の迷宮を起動したのはそれから2日後だ。だったら、それで飛ぶべきタイミングは分かる。その間に仲間を集められるかも。
後は……思念の読み取り対策だけね。
考えろ。ここからが本当に必要な事だ。カナが言っていない事は……。
カナが言っていない事……。
カナが……。
……。
あれ?
そいえば、なぜカナは自分を「桜田カナ」と名乗ったんだろう? 考えてみれば、徹底的にカナである事にこだわっていたようにも思える。
名護さんもカナの事を一度「アイル」って呼ぼうとしてたわよね? 単なる偶然? 今の私だったら、天王洲アイルのまま名乗ると思う。ヨロイさんがいないから? それにしてはなんだか……。
「あ」
突飛な考えが頭を過ぎる。でも……それなら、いけるかもしれない。思念の読み取りを撹乱できる。後でリレイラに筆記魔法について詳しく教えて貰おう。それが私の思った通りなら、おそらくそれが正解だ。
「カナ、私いけるかも……なんとかできるかもしれない……」
「そう。天王洲アイルならきっとできるわ」
カナは、洗い物をしながらふっと笑った。
私が住んでいるのと同じ湯島のマンション。中へ入ると、テーブルに子供用のファンシーな色合いの椅子が置いてあって、家具にもペタペタとシールが貼られていた。同じ家なのに子供がいるだけでこんなに雰囲気が変わるの?
戸惑っていると手を引っ張られる。下を見ると、満面の笑みを浮かべたユウちゃんが私を見上げていた。
「あそぼ!」
「え、あ、え~と……」
「アイル君、夕飯を用意するからそれまで遊んでやってくれ」
リレイラに背中をポンと押される。リビングに入ると、ユウちゃんが恐竜のぬいぐるみを渡してくる。
「アイルちゃんはモンスターね!」
リレイラの真似をして私の事を「アイル」と呼ぶユウちゃん。遊ぼうとは言われたけどまさかダンジョンゴッコとは……さすがヨロイさんとリレイラの子供ね……。将来有望すぎだわ……。
……。
「が、がおおぉぉぉ……!!」
「えい! えい!」
それからしばらくユウちゃんと遊んだ。ユウちゃんがスポンジの剣でぬいぐるみをビシビシ叩く。3歳のユウちゃんのワンテンポ遅れるような動き。少しよちよちとした足取りが見ていて怖い。
怪我させないかとヒヤヒヤしていると、洗濯機をかけていたカナがリビングに戻って来た。私達の様子を見たカナがため息を吐く。
「ダメね……全っ然ダメ。そんなんじゃユウの遊び相手は務まらないわ」
「はぁ? じゃあ手本見せなさいよ」
「いいわ」
カナがおもちゃ箱からカラスのぬいぐるみを取り出してユウちゃんと向かい合う。そして、彼女からは想像できないような声で叫び声を上げた。
「カアアアアアアァァァ!!!」
は?
超リアルな雄叫びを上げたカナ。彼女は大袈裟な動きをしながらカラスのぬいぐるみで飛ぶような動きをし、ゆっくりユウちゃんに向かって降下させた。
ユウちゃんはそれを見てゴロリと転がってカラスの降下攻撃を回避。スポンジの剣でビシビシとカラスを殴った。
カナが再びぬいぐるみを空へ飛び立たせ、何度も降下してユウちゃんを狙う。その度にユウちゃんはゴロリと転がって攻撃を仕掛けていく。そのうちカナは、左手でもう1つカラスのぬいぐるみを取り出し、2体のカラスで攻撃を仕掛けた。
この動き……どこかで見た気がすると思ったら、代々木公園にいるカラス型モンスター、モルデンクロウの動きそっくりだ。動きは大袈裟でゆっくりだけど、攻撃モーション、仲間を呼ぶ習性……モルデンクロウそのものだ。
「えいっ!」
やがてユウちゃんが大振りの一撃を与えるとカナは一際大きな声を上げた。
「ガアアアアアアアアアァァァ!?」
「やったぁ!」
カナが大袈裟に倒れ込むとユウちゃんがピョンピョン飛び跳ねて喜ぶ。そのままユウちゃんがカナに飛び付くと、カナは立ち上がってユウちゃんをヒョイっと持ち上げる。そして空中へポンポン投げて、ユウちゃんをギュッと抱きしめた。
「すごいわね~!!」
すご。遊びというか……物凄く合理的な訓練にも見える。これを遊びでやってるの? 将来とんでもない事になりそう……。
「カナ! もっかい遊ぼ!」
「え~? もうすぐご飯だよ~?」
ユウちゃんを抱きしめてクルクル回るカナ。楽しそうに笑うユウちゃん。ユウちゃんが安心して身を任せている様子を見て、この2人が本当の家族のように見えた。
カナ、楽しそうね。
「アイルちゃんも一緒に遊ぼ!」
ボーッとしているとユウちゃんに誘われた。結局私は、カナにダメ出しを受けて喧嘩しながらユウちゃんと遊んだ。
……。
その後、みんなと一緒に夕食を食べた。リレイラが作ってくれたご飯は久しぶりな感じがして、美味しくて、なんだか懐かしくて、煮物のレンコンを食べた瞬間ボロボロと涙がこぼれ落ちてしまった。
私の泣き顔を見てユウちゃんが不思議そうな顔をする。リレイラは私の事を優しく見つめてくれていて、余計に涙が溢れてしまった。
ユウちゃんやリレイラ、カナといるのが楽しくて……ずっと昔、お父さんが家に帰って来た時の事を思い出した。
◇◇◇
リレイラがユウちゃんをお風呂に入れている間に、カナは食器を洗っていた。なんだか申し訳なくて、私も彼女を手伝うことにした。
「さっきの遊び何よ? ユウちゃんを探索者にする気?」
「配信を見たユウが私達の真似をしたがるの。だから本気で遊んでる。役に立つように」
もしユウちゃんが大人になって探索者になった時、困らないようにしているのね。
「ねぇ、ユウちゃんって男の子? 女の子?」
「言わない。楽しみが減っちゃうでしょ?」
「何よそれ」
さっきまでツンケンしてたのに、ユウちゃんの事になると優しい顔をするの見るとなんだか笑えてくる。ユウちゃんの事、大好きなんだな。
笑いを堪えながら食器を洗っていると、カナがポツリと呟いた。
「……私はね、この未来が好き。ユウが好き。家族が好きなの」
「うん、アンタの顔見ていたら大切なんだなって分かるわ」
だからカナはピリピリしていたんだ。自分にとって大事な物を家族を守ろうとしていたから。
……ユウちゃんと接して私もそれを感じた。私の大好きなヨロイさんとリレイラ。その2人の大切な子供……それは無かったことにしちゃいけない。
洗い物をしながらイシャルナの事を考える。彼女は「明日へ生きられない」と言った。私には彼女の抱えていたものは分からない。
だけど彼女を……イシャルナを取り込んだエモリアを倒さなければこの世界は消えてしまう。ユウちゃんも消えてしまう。それを奪う権利は、たとえ神様でも無いと思う。
だから絶対エモリアを倒さないと。私だけじゃなくて、ユウちゃんや、みんなの為に。
もう一度エモリアの能力を思い出す。
時間魔法に次元魔法……思念の読み取り。ここに来るまでカナやリレイラと話していて、ある事を思い付いた。
相手はリレイラ達の世界を作った神様の1人だ。不完全だったイァク・ザァドのように息の根を止めるのは難しいだろう。時間魔法を使うという事は、九条のようにダメージも即座に回復できると考えていい。
だけど、手が無い訳じゃない。あいつはイシャルナを取り込んだ事で実体化したように見えた。なら、彼女を分離すれば実体化する前の状態に戻せると思う。私の仲間なら、シンなら……それができる。
問題は、リレイラも言っていた思念を読み取る力だ。アレがある限り、どんな作戦も先読みされてしまうから。
もっと考えるんだ、私。
思念……思考……あいつはそれを触角で掴む。なら、それを破壊すれば……いや、ダメだ。そもそも思考が読まれるんだから、狙いが読まれてしまう。
だったら思念読み取りを撹乱して……でも、あの時私達は5人しかいなかった。もし、捕まったスージニアを助け出しても6人……人手が足りない。
多彩な攻撃方法を持つエモリアと戦うにはもっと人がいるのに……でも、あの時間魔法で飛ばされた瞬間に帰っても仲間を集める時間もないし。そもそも思考の読み取りを妨害するには5人や10人じゃ足りない気がする。
思念読み取りを撹乱するにはもっと人がいる。ヤツと戦うメンバーももっと欲しい。
でも私達にはその方法がない。ううん……どうすれば……。
「アイル、アンタは聞いた事だけ鵜呑みにするの?」
突然カナに煽られた事に怒りが湧く。
「はぁ!? 私が一生懸命考えてるのにどういう……」
しかし、カナの顔は真剣そのものだった。それを見て、一気に冷静になる。
聞いた事を鵜呑みにする?
……そういえば。
カナは「自分が聞いた事しか言えない」と言った。そして「私がエモリアを倒す方法を思い付かないといけない」とも言った。
それに気付いた瞬間、思考が回り始める。もしかして……それって裏を返せばカナが言っていない事に答えが隠されてる?
「ね、ねぇカナ? 明日私が過去に帰った時、それって私はエモリアに飛ばされた直後の……時の迷宮に戻るの?」
「言えない」
これって……ヒントなんだ。
時間魔法は望んだ時代に飛ぶとカナは言った。それは行きだけじゃなくて帰りも同じなのかもしれない。
「もしかして、時の迷宮で私達が戦っていた頃、外では何かが起きていたんじゃない?」
「……言えないわ。絶対に」
やっぱりそうか。なら、こう考えればいい。
この未来を守ってユウちゃんが生まれるようにするには、エモリアが復活した後に倒さなければならない。
九条が私やジーク達を襲ったのを止める事はできない。だけど、時の迷宮を起動したのはそれから2日後だ。だったら、それで飛ぶべきタイミングは分かる。その間に仲間を集められるかも。
後は……思念の読み取り対策だけね。
考えろ。ここからが本当に必要な事だ。カナが言っていない事は……。
カナが言っていない事……。
カナが……。
……。
あれ?
そいえば、なぜカナは自分を「桜田カナ」と名乗ったんだろう? 考えてみれば、徹底的にカナである事にこだわっていたようにも思える。
名護さんもカナの事を一度「アイル」って呼ぼうとしてたわよね? 単なる偶然? 今の私だったら、天王洲アイルのまま名乗ると思う。ヨロイさんがいないから? それにしてはなんだか……。
「あ」
突飛な考えが頭を過ぎる。でも……それなら、いけるかもしれない。思念の読み取りを撹乱できる。後でリレイラに筆記魔法について詳しく教えて貰おう。それが私の思った通りなら、おそらくそれが正解だ。
「カナ、私いけるかも……なんとかできるかもしれない……」
「そう。天王洲アイルならきっとできるわ」
カナは、洗い物をしながらふっと笑った。
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