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第三章
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今日は別に何も名目の無い、ただ集まっただけの…段々人数が増えただけの飲み会だったようで、グダグタの松本君の挨拶にもなってない挨拶から銘々に飲み物を注文して宴会はスタートした。
久しぶりの高校の同級生は話したことのない人が多くて、僕はひたすら料理を食べて、ひたすら酒を飲んだ。
「大丈夫か?」
いつの間にか松本君も村越君も席を離れて、僕は一人で飲んでいた。
聡史から話しかけられて心臓が飛び出しそうだ。まさかまた話しかけてくるとは思わなかった。
店の前で会ったのは…同じ所に行くから偶然でもないけど…時間が一緒だったのは偶然だから無視されなかっただけマシかなって思ってたけど。
「何が?」
「だいぶ飲んでるだろ?顔色も変わらないから酔ってるってわからないけど…気を付けた方が良い」
心配してくれてるのか?
一緒に飲んだことないから僕が酒に酔わない体質だと知らないのも仕方ない。
「平気。酔わないんだ」
「でも…もう酒は止めた方が良い」
「大丈夫だろ?」
まだ日本酒に手を伸ばそうとする僕の手を握って止めようとする。
何で心配なんかするんだよ?
触れた所に熱が集まり、神経がそこに集中する。四年前に与えられた刺激を、熱を身体はまだ覚えているのか、痺れが全身に走った。
「ほんとに、大丈夫だよ」
優しくされると泣けてくる。泣き上戸なんかじゃないのに…。
店の前で会った時の怒ったような顔じゃないけど、聡史の顔を見られない。
自然消滅した僕たちの関係は言葉にして終わらせた方が良いのだろうか?
聡史はそれを望んでいるのか?
僕からは出来ないけど、『これで終わりだな』なんて言われても、笑顔で応じる自信はない。
「おーい、佐々城?飲んでるか?」
村越君が酔っ払ってビール片手に席に戻ってきた。村越君はお酒が強くない。
「安達君、女子が呼んでる」
向こうで聡史を呼ぶ声が聞こえる。
「ああ…、名前は…もう名前では呼んでくれないのか?」
「えっ…それは」
だって…もうそんな関係じゃないのに…。少し辛そうな顔をする聡史に複雑な気持ちになる。
僕はどっちでも良いんだ…聡史が嫌がるんじゃないかと思ってた。
「篤紀は恋人とかできた?」
女子の所には戻らなくて良いのかな?
「ううん。そんなのいない」
僕に付き合ってる人がいる方が安心するんだろうか?
聡史は優しいからただ心配なのかな?
社交的でない僕が埋まってしまわないようにって。
僕だってそれなりに社会生活を送っているんだから、そんなに心配してくれなくてもいい。
村越君は僕の肩に腕を置いていて重い。
聡史の視線が鋭くなって、高校の時村越君と話している時に感じたものと同じで戸惑う。
「そか…好きな奴は?」
「うん」
久しぶりの高校の同級生は話したことのない人が多くて、僕はひたすら料理を食べて、ひたすら酒を飲んだ。
「大丈夫か?」
いつの間にか松本君も村越君も席を離れて、僕は一人で飲んでいた。
聡史から話しかけられて心臓が飛び出しそうだ。まさかまた話しかけてくるとは思わなかった。
店の前で会ったのは…同じ所に行くから偶然でもないけど…時間が一緒だったのは偶然だから無視されなかっただけマシかなって思ってたけど。
「何が?」
「だいぶ飲んでるだろ?顔色も変わらないから酔ってるってわからないけど…気を付けた方が良い」
心配してくれてるのか?
一緒に飲んだことないから僕が酒に酔わない体質だと知らないのも仕方ない。
「平気。酔わないんだ」
「でも…もう酒は止めた方が良い」
「大丈夫だろ?」
まだ日本酒に手を伸ばそうとする僕の手を握って止めようとする。
何で心配なんかするんだよ?
触れた所に熱が集まり、神経がそこに集中する。四年前に与えられた刺激を、熱を身体はまだ覚えているのか、痺れが全身に走った。
「ほんとに、大丈夫だよ」
優しくされると泣けてくる。泣き上戸なんかじゃないのに…。
店の前で会った時の怒ったような顔じゃないけど、聡史の顔を見られない。
自然消滅した僕たちの関係は言葉にして終わらせた方が良いのだろうか?
聡史はそれを望んでいるのか?
僕からは出来ないけど、『これで終わりだな』なんて言われても、笑顔で応じる自信はない。
「おーい、佐々城?飲んでるか?」
村越君が酔っ払ってビール片手に席に戻ってきた。村越君はお酒が強くない。
「安達君、女子が呼んでる」
向こうで聡史を呼ぶ声が聞こえる。
「ああ…、名前は…もう名前では呼んでくれないのか?」
「えっ…それは」
だって…もうそんな関係じゃないのに…。少し辛そうな顔をする聡史に複雑な気持ちになる。
僕はどっちでも良いんだ…聡史が嫌がるんじゃないかと思ってた。
「篤紀は恋人とかできた?」
女子の所には戻らなくて良いのかな?
「ううん。そんなのいない」
僕に付き合ってる人がいる方が安心するんだろうか?
聡史は優しいからただ心配なのかな?
社交的でない僕が埋まってしまわないようにって。
僕だってそれなりに社会生活を送っているんだから、そんなに心配してくれなくてもいい。
村越君は僕の肩に腕を置いていて重い。
聡史の視線が鋭くなって、高校の時村越君と話している時に感じたものと同じで戸惑う。
「そか…好きな奴は?」
「うん」
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