52 / 52
エピローグ
えぴろーぐー03
しおりを挟む
だからエスポワールにいきなり現れた時はびっくりした。
その日二人が来ることは知っていたので、そいつの後ろから奈津美さんが見えて……僅かな沈黙のあと、裕樹と奈津美さんが大笑いした。
「彰、奈津美の彼だよ」と優しく教えてくれた裕樹をそれでもそいつから遠ざけたのを覚えている。
本能が「裕樹を近付けてはいけない」と言っていた。
◇◇◇◇◇
「おはよ~」
裏口から裕樹が入って来た。
今日も可愛い。
空かさず眼鏡を取り上げ、前髪を梳き上げてピンで留めた。
誰にも見せたくはないけど、俺の前ではね。
鍵をかけて、お弁当と鞄をカウンターに置いて裕樹を抱きしめる。
両手で頬を持ちキスをする。
まだ恥ずかしいのか赤くなる裕樹に深いキスをする。
「…あっ…ん…っん…あっ…彰…」
途端に裕樹の口から可愛い喘ぎ声が聞こえる。
舌で歯列をなぞり、口内も順になぞっていく。
舌を先端から吸い付き絡める。
そして、絡めていた舌を開放してまた触れるだけのキスをする。
キスの合間に裕樹を顔を盗み見ると惚けたようなでも嬉しそうな笑顔がこのキスを裕樹が望んでいるのが分かって、いつまでもしていたくなる。
でも、段々と下半身に熱が集まってくるし、裕樹はそろそろ足に力が入らなくなるだろう。
「裕樹、いらっしゃい」
「……っん」
まだ、惚けてる。
可愛い。
ぎゅっと抱きしめる。
「そんな可愛い顔で…煽ってるの?直ぐに二階に連れて行きたくなるよ?」
「えっ、えっ、彰が…う~」
可愛い。
「今日はどうする?」
少し体を離して顔を覗き込めば、
「えっとね、宿題は終わったけど、勉強教えてくれる?」
もう直ぐ、夏休みが終わる。
一日中一緒に居られなくなるけど、裕樹とは学校でも会えるし、帰りにエスポワールに寄ることも出来る。
「そう?じゃあ勉強しようか」
「うん。彰と同じ大学行けるように今から頑張っておかないとね」
「…!」
思わずさっき離したばかりの裕樹を腕の中に閉じ込める。
ああっ幸せ。
この幸せをくれた裕樹を大切にしよう。
二人で歩いて行けるように。
END
その日二人が来ることは知っていたので、そいつの後ろから奈津美さんが見えて……僅かな沈黙のあと、裕樹と奈津美さんが大笑いした。
「彰、奈津美の彼だよ」と優しく教えてくれた裕樹をそれでもそいつから遠ざけたのを覚えている。
本能が「裕樹を近付けてはいけない」と言っていた。
◇◇◇◇◇
「おはよ~」
裏口から裕樹が入って来た。
今日も可愛い。
空かさず眼鏡を取り上げ、前髪を梳き上げてピンで留めた。
誰にも見せたくはないけど、俺の前ではね。
鍵をかけて、お弁当と鞄をカウンターに置いて裕樹を抱きしめる。
両手で頬を持ちキスをする。
まだ恥ずかしいのか赤くなる裕樹に深いキスをする。
「…あっ…ん…っん…あっ…彰…」
途端に裕樹の口から可愛い喘ぎ声が聞こえる。
舌で歯列をなぞり、口内も順になぞっていく。
舌を先端から吸い付き絡める。
そして、絡めていた舌を開放してまた触れるだけのキスをする。
キスの合間に裕樹を顔を盗み見ると惚けたようなでも嬉しそうな笑顔がこのキスを裕樹が望んでいるのが分かって、いつまでもしていたくなる。
でも、段々と下半身に熱が集まってくるし、裕樹はそろそろ足に力が入らなくなるだろう。
「裕樹、いらっしゃい」
「……っん」
まだ、惚けてる。
可愛い。
ぎゅっと抱きしめる。
「そんな可愛い顔で…煽ってるの?直ぐに二階に連れて行きたくなるよ?」
「えっ、えっ、彰が…う~」
可愛い。
「今日はどうする?」
少し体を離して顔を覗き込めば、
「えっとね、宿題は終わったけど、勉強教えてくれる?」
もう直ぐ、夏休みが終わる。
一日中一緒に居られなくなるけど、裕樹とは学校でも会えるし、帰りにエスポワールに寄ることも出来る。
「そう?じゃあ勉強しようか」
「うん。彰と同じ大学行けるように今から頑張っておかないとね」
「…!」
思わずさっき離したばかりの裕樹を腕の中に閉じ込める。
ああっ幸せ。
この幸せをくれた裕樹を大切にしよう。
二人で歩いて行けるように。
END
68
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
ずっと好きだった幼馴染の結婚式に出席する話
子犬一 はぁて
BL
幼馴染の君は、7歳のとき
「大人になったら結婚してね」と僕に言って笑った。
そして──今日、君は僕じゃない別の人と結婚する。
背の低い、寝る時は親指しゃぶりが癖だった君は、いつの間にか皆に好かれて、彼女もできた。
結婚式で花束を渡す時に胸が痛いんだ。
「こいつ、幼馴染なんだ。センスいいだろ?」
誇らしげに笑う君と、その隣で微笑む綺麗な奥さん。
叶わない恋だってわかってる。
それでも、氷砂糖みたいに君との甘い思い出を、僕だけの宝箱にしまって生きていく。
君の幸せを願うことだけが、僕にできる最後の恋だから。
幼馴染は吸血鬼
ユーリ
BL
「お前の血を飲ませてくれ。ずーっとな」
幼馴染は吸血鬼である。しかも食事用の血液パックがなくなると首元に噛みついてきてーー
「俺の保存食としての自覚を持て」吸血鬼な攻×ごはん扱いの受「僕だけ、だよね?」幼馴染のふたりは文化祭をきっかけに急接近するーー??
幸せごはんの作り方
コッシー
BL
他界した姉の娘、雫ちゃんを引き取ることになった天野宗二朗。
しかし三十七年間独り身だった天野は、子供との接し方が分からず、料理も作れず、仕事ばかりの日々で、ずさんな育て方になっていた。
そんな天野を見かねた部下の水島彰がとった行動はーー。
仕事もプライベートも完璧優秀部下×仕事中心寡黙上司が、我が儘を知らない五歳の女の子と一緒に過ごすお話し。
みどりとあおとあお
うりぼう
BL
明るく元気な双子の弟とは真逆の性格の兄、碧。
ある日、とある男に付き合ってくれないかと言われる。
モテる弟の身代わりだと思っていたけれど、いつからか惹かれてしまっていた。
そんな碧の物語です。
短編。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる